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「HUAWEI WATCH Ultimate」のダイコン機能を「Apple Watch Ultra」と比べてみた

 今年も暑い夏がやってきました。夏と言えば海! ということで、先日伊豆にダイビングに行ってきたのですが、そこでダイコン機能を搭載する最新スマートウォッチ「HUAWEI WATCH Ultimate」を試してきました。

「Apple Watch Ultra」(左)と「HUAWEI WATCH Ultimate」(右)を比べてみました

 ダイコンことダイブコンピューターは、ダイバーが減圧症にならないように、どのくらいの深さでどのくらい潜るかを自己管理するためのものです。ダイビングには欠かせないアイテムですが、最近はスマートウォッチにこの機能を搭載するのが流行りなのか、「Apple Watch Ultra」に続いて、ファーウェイからも「HUAWEI WATCH Ultimate」が発売されました。

 両者に共通するのは、どちらも12万円超えのハイエンドモデルだということ。スマートウォッチとしては高額ですが、ダイコン自体も安いものではないので、それが込みだと考えるとお買い得にも思えてしまいます。

 ひょっとしたらそれこそまさに、ハイエンドなスマートウォッチが、ダイコン機能を搭載する理由なのかもしれません。実際に、筆者はまんまと「Apple Watch Ultra」を購入してしまったわけですが、今回はその「Apple Watch Ultra」との違いもチェックすべく、10年近く使っている普通のダイコン、「Apple Watch Ultra」、「HUAWEI WATCH Ultimate」の3つを着けて潜ってみました。

 ダイビングではただでさえ、カメラにライトに……と、身体にいろんなものをくっつけて潜るのですが、その上に腕にはダイコンが3つ。しかも生き物や景色ではなく、自分の腕ばかり撮影しているのですから、周りのダイバーからはきっと奇異な目で見られていたに違いありません。

 それはさておき、実際に使ってみてわかった「HUAWEI WATCH Ultimate」のダイコン機能のメリット、デメリットを、以下にまとめてみたいと思います。

こんな状態で潜りました。かなり怪しい人だったに違いありません

「HUAWEI WATCH Ultimate」の良かった点

無料で使える

 「Apple Watch Ultra」のダイコン機能である「Oceanic+」アプリをダイビングで利用するには、有料のサブスクプランへの加入が必要ですが、「HUAWEI WATCH Ultimate」のダイコン機能は無料で利用できます。

数値が長年使っているダイコンに近い

 20メートル以上、10~15メートル付近など、水深の異なる場所で、それぞれNDL(減圧不要限界時間)を見比べたところ、「HUAWEI WATCH Ultimate」の数値は、筆者の古いダイコンに近いものでした。

 採用しているアルゴリズムが同じでも、導き出される数値はメーカーや機種によって異なります。どれが良いとは言いがたいのですが、「Apple Watch Ultra」は10~15メートル付近での数値が、筆者の古いダイコンと大きくずれることがあったのに対して、「HUAWEI WATCH Ultimate」はほぼ同じでした。

13.3~4メートル付近で3つのウォッチのデータを見比べてみると、NDLに違いがあるのがわかります

水中での操作が不要

 「Apple Watch Ultra」は、潜水したあとにアクションボタンを押すと画面が切り替わるしくみですが、「HUAWEI WATCH Ultimate」は、あらかじめ「ダイビングを自動で開始」をオンにしておけば、水に入って一定の水深に達したところから、勝手にデータが記録されます。

 筆者は手動でダイブモードをオンにしてから潜水しましたが、海の中に入れば何の操作もいらないのは、従来のダイコンと同じで簡単です。逆に自動にしろ、手動にしろオンになるようにしておかないと、潜ったあとでは何の操作もできないので注意が必要です。

コンパスが見やすい

 基本的には海の中で特別な操作は不要なのですが、デジタルクラウンやボタンを押して、画面に表示される情報を切り替えられるようにもなっています。

 タッチディスプレイは使えませんが、ボタン操作で画面を切り替えて、コンパスやストップウォッチといった機能も利用可能。特定の方向をロックできる機能もあります。

 ディスプレイが丸型なので、コンパスの方向が直感的でわかりやすいのは、「Apple Watch Ultra」と比べてのメリットだと思いました。

丸型のディスプレイを活かしたコンパスは、方向が直感的にわかって使いやすいです

安全停止がわかりやすい

 水深5メートル付近まで浮上すると、3分間の安全停止が促されます。通知の方法はサウンド、バイブレーション、両方が選択できるようになっていて、筆者は両方を選択していました。

 「Apple Watch Ultra」は安全停止の間、ずっとバイブレーションが続きますが、「HUAWEI WATCH Ultimate」では、安全停止開始時と終了時に通知されるしくみです。

ディスプレイ周囲の線が消えていく表示方法も、経過がわかりやすくて良いと思いました

電池持ちがいい

「HUAWEI WATCH Ultimate」の最大のメリットは電池持ちの良さ。一泊二日、4本のダイビングを充電せずに記録し、家に帰ってもまだ50%以上の電池が残っていました。

「HUAWEI WATCH Ultimate」の残念な点

エクステンションが長すぎて使いづらい

「Apple Watch Ultra」では別売だったエクステンションが、「HUAWEI WATCH Ultimate」には付属しています。この点は非常にありがたいのですが、「Apple Watch Ultra」のように余った分を折り返して着けられるような仕様にはなっていないので、長さを持て余してしまいます。

エクステンションの長さは大体同じ。「Apple Watch Ultra」(下)は別売ですが、「HUAWEI WATCH Ultimate」(上)は同梱です

ワークアウトの1つとして記録される

 ダイビングの記録はファーウェイの「ヘルスケア」アプリの中に、ランニングやゴルフなどと同じ、ワークアウトのひとつとして記録されます。データを画像として書き出したりシェアしたりもできますが、ダイビングログとして独立したアプリになっていないのは残念な点です。

 「Apple Watch Ultra」の「Oceanic+」アプリも記録できる項目が少なくて、使いやすいとは言いがたいですが、ダイビングログとして独立したアプリになっていますし、メモも残せます。さらに最近のアップデートで、タンクの残圧が記録できるようにもなりました。

ダイビングがワークアウトのひとつとして「ヘルスケア」アプリに記録され、独立したログブックになっていないのが残念。使用した装備などメモも追加できません

総合的には甲乙つけがたい

 「Apple Watch Ultra」に比べて、無料で使える点や電池持ちが良い点、丸型でコンパスが見やすい点など、「HUAWEI WATCH Ultimate」はダイコンとして、かなり使いやすいと思います。

 一方で「Apple Watch Ultra」はセルラーモデルなので、電波がつながればいざというときに電話がかけられる安心感や、電子決済に対応している海の家で、これひとつで支払いができる便利さも。総合的には甲乙つけがたいかなというのが率直なところです。