≪新刊立ち読み≫

生成AIで楽しみ方倍増! ぜひ知ってほしい[フォト]アプリの魅力

「できるfit ずっと使えるGoogle Pixel 9a/9 Pro/9/8a対応」発売リレーコラム 第1回

 Androidスマートフォンとして、すっかり市民権を得た感があるGoogle Pixel。そんなPixel 9aをはじめとしたPixelシリーズの基本から最新機能まで解説した書籍「できるfit ずっと使えるGoogle Pixel 9a/9 Pro/9/8a対応」が7月3日に発売されます。

 ここでは著者の一人を務める小山安博氏に、Pixelならではの写真の楽しみ方を語ってもらいました。

知っておきたい「フォト」アプリの使いこなし術

 Pixel 9aによってさらに買いやすくなったPixelシリーズですが、共通して搭載されているアプリとして[フォト]アプリがあります。撮影した画像やSNSからダウンロードした画像などを閲覧、管理できるアプリとして、頻繁に使うことになりますが、その中でも最近は生成AI機能が強化されています。

 写真内の余計なものを消去する「消しゴムマジック」などが有名ですが、生成AIで新たな写真に編集できてしまうのがPixelの[フォト]アプリです。今回はそんな[フォト]アプリならではの新しい写真の楽しみ方をご紹介します。

[フォト]アプリの生成AI機能を使えば、こんな宇宙に旅立った写真に編集できます

 [フォト]アプリは、単なる画像閲覧だけでなく、テキストを使った高い検索性も特長です。「ラーメン」と入力すればラーメンの画像を検索してくれますし、あらかじめ設定しておけば人やペットの名前でも検索してくれるようになり、画像内の物やテキストを認識してくれるので、過去の画像を簡単に探し出せます。

「パンダ」と入力して検索してみました。精度も高く、写真の検索がとても楽です

 撮影した日付、場所だけでなく、食べた料理、訪れたスポット、メニューの文字、町の風景からでもテキストで検索できるのですが、こうした画像認識にもAIが活用されています。そしてさらに[フォト]アプリには複数の生成AI機能が搭載されています。

 その1つが「編集マジック」です。これは、生成AIを使ってさまざまな画像編集を行うというもので、複数の機能が含まれています。被写体を分析して、それに適した設定が表示されるようで、例えば人物写真なら[ポートレート]、風景写真なら[空]といった設定項目が表示されるといった具合です。

左下、[キャンセル]の上にあるのが「編集マジック」のアイコンです。これをタップすると画像を解析するようなアニメーションが表示されて、編集画面になります
編集マジックの画面。この時点で写真の被写体をタップしたり、選択したい場所を囲んだりすると被写体が選択されます。選択の精度も高いといえます
ワンタッチで手前の狛犬が選択されました。この状態で[消去]をタップします
見事に狛犬が消去されました。背景は、一見すると自然ですが、さすがに本物ではありません
「イマジネーション」では文章で生成AIに指示を与えて選択範囲を変換することができます。ここでは狛犬をぬいぐるみにする指示を入力してみたのですが……

 また、「オートフレーム」機能は、写真の構図をAIが分析して複数の構図を提案してくれる機能です。ズームアップする、写真の縦横を切り替える、といった基本的な提案だけでなく、写真に写っていない周囲を生成AIが予測して生成する「生成拡張」で構図を広くするといったことまで提案してくれるようです。

編集マジックのアイコンを選ぶと、シーンに応じて複数の機能が表示されます
元画像。これに対して、[オートフレーム]を選ぶと複数の候補が表示されます
ズームアップした候補
生成AIが周囲を生成して構図を広げた候補。左右の上部は違和感がありますが、下の方は違和感がありません(が、実際とは異なっています)

 横構図から縦構図に切り取った場合も、単に写真の左右を切り詰めて縦構図にするのではなく、上下を生成拡張で補完するため、実際に撮影した写真とはまた違う印象の写真ができあがります。

 写真の周囲をAIが生成するので、シーンによっては実際には存在しない写真ができあがることになりますが、例えば花畑やレンガの壁の前、といったような、繰り返しの背景ぐらいだと、結構自然な感じで生成してくれます。

 「背景をイマジネーション」も強烈で、文章で背景を生成するというものです。主要な被写体は自動で選択され、その背景をテキストで作ったものと合成してくれます。テキストで生成するため、少し補正するというよりは、思い切って遊んでみるのが良さそうです。

 宇宙空間で漂うとか、花畑で寝転がる、行ったことのない海外の観光地に行く、といったように、あらかじめ背景を想定したポーズで写真を撮って、あとで生成した背景と合成する、といった遊び方も面白いかもしれません。

[背景をイマジネーション]で花畑を生成
さらに[オートフレーム]で拡張。こういう連続した被写体だと自然です

 「ポートレート」は、顔の露出を明るく補正して、背景をぼかし、ライティングを調整する、といった機能を搭載しています。[フォト]アプリの編集機能には「ポートレート」「ポートレートライト」「ポートレートのぼかし」といった機能があり、これを生成AIが一括して適用してくれます。「写真の見栄えをよくする補正機能」という意味では最も写真アプリっぽい機能かもしれません。

 今後は、「適当に撮った写真を、プロの写真家のテクニックを学習した生成AIが、一発でより良い構図、露出、ライティングにしてくれる」という機能へと進化すれば、なかなか便利そうです。

元画像。写真自体は女性を含めて生成AIのGeminiで生成した写真です
[ポートレート]を選ぶと、特に顔の露出が補正されて、顔のライティング、背景ボケが追加されます。一発で適用できるのは便利です

 「スタイル適用」は、モノクロのような色調の変化だけでなく、イラスト化を含んだ独特の画像も生成してくれます。

[スタイル適用]を選択すると、画像のスタイルをガラリと変えてくれます。これはモノクロ
こちらはイラスト風

 こうした生成AIを駆使した機能は「見たままを撮る」とか「思い出を撮る」といった使い方ではなく、見栄えをよくしたり、アーティスティックな作品を作ったりといった用途になりますが、面白い写真を作りたいというニーズには応えられそうです。

普通の橋梁を[イマジネーション]で……
木製の(真新しくはないですが)橋に置き換え
川の流れを[水]で……
長時間露光風の写真に

 もちろん、有名な「消しゴムマジック」も健在で、観光地で撮った写真に写るたくさんの観光客をまとめて消す、といったこともできます。

余計なものを一斉に消せる「消しゴムマジック」

 普段、写真を撮りっぱなしという人も、撮った写真を振り返って生成AIを使ってみたら、さらに写真が楽しくなるかもしれません。

書誌情報
できるfit ずっと使えるGoogle Pixel 9a/9 Pro/9/8a対応
  • 価格:1760円
  • 発売日:2025年7月3日
  • ページ数:288ページ
  • サイズ:A5判
  • 著者:法林岳之・平澤寿康・小山安博&できるシリーズ編集部
内容
  • 第1章 Google Pixelの基本を知りたい
  • 第2章 Google Pixelの最新機能を知りたい
  • 第3章 電話とメールを使いこなしたい
  • 第4章 インターネットを快適に楽しみたい
  • 第5章 写真や動画で役立つ使い方を知りたい
  • 第6章 動画や音楽をもっと楽しみたい
  • 第7章 定番や話題のアプリを使いこなしたい
  • 第8章 快適に使える設定を知りたい
  • 第9章 疑問や不安いらずのスマホ乗り換え術
  • 付録 末長く使っていくためのコツを知りたい