Pixel Watchを組み合わせて、いつでもGeminiを

　Androidスマートフォンとして、すっかり市民権を得た感があるGoogle Pixel。そんなPixel 9aをはじめとしたPixelシリーズの基本から最新機能まで解説した書籍「できるfit ずっと使えるGoogle Pixel 9a/9 Pro/9/8a対応」が好評発売中！

　ここでは著者の一人を務める法林岳之氏に、PixelとPixel Watchのおいしい関係を語っていただきました。

　今年4月に発売された「Pixel 9a」に続き、8月21日に「Pixel 10」シリーズ4機種が発表され、「Pixel 10」、「Pixel 10 Pro」、「Pixel 10 Pro XL」の3機種が8月28日に発売されました。

　今回の「Pixel 10」シリーズは昨年の「Pixel 9」シリーズから基本的なデザインを継承しながら、「Pixel 10 Pro」と「Pixel 10 Pro XL」で100倍デジタルズームの「超解像ズームPro」でクッキリとした写真に仕上げたり、撮影時に撮影方法をガイドしてくれる「カメラコントロール」など、数多くの新機能が搭載されています。

　AI関連の機能も一段と強化され、「Gemini」がユーザーのやりたいことを先読みして、ガイドしてくれる「マジックサジェスト」という機能も搭載されました。

　「Pixel 10」シリーズに搭載された新機能のうち、ハードウェアに依存しないものについては、今後、「Pixel 9a」や昨年の「Pixel 9」シリーズ、「Pixel 8a」などでも利用できるようになると予想されています。

　すべての機能が従来の「Pixel」シリーズで利用できるわけではありませんが、従来モデルに対してもアップデートプログラムの「Feature Drop」によって、順次、機能が追加されていくことは、「Pixel」シリーズの魅力のひとつでもあります。

　そんな幅広いサポートを裏付ける機能のひとつとして、注目されるのが生成AIアシスタントの「Gemini」です。「Gemini」は2024年5月に提供が開始され、同年10月には対話型の「Gemini Live」も日本語で利用できるようになりました。

　「できるfit ずっと使えるGoogle Pixel 9a/9 Pro/9/8a対応」でもその一部を解説していますが、書籍の発売後、「Gemini」の新しい使い方が発表されました。それが「Pixel Watch」への対応です。

「Pixel 9a」に「Pixel Watch」を組み合わせると、「Pixel Watch」からいつでも「Gemini」が利用できる

　今年7月、Googleは「Pixel Watch」シリーズなど、Wear OS 4以上を搭載したスマートウォッチで「Gemini」が利用できるようになったことを発表。

　対象機種は2022年発売の初代モデル「Pixel Watch」、2023年発売の「Pixel Watch 2」、2024年発売の「Pixel Watch 3」で、今年10月に発売予定の「Pixel Watch 4」も対応が予定されています。

未設定の「Pixel Watch」に電源を入れると、「Pixel」にセットアップを促す画面が表示される

「Pixel Watch」のセットアップが完了すると、「Pixel」にインストールされた「Watch」アプリで設定や管理ができる

　他メーカーではすでにサムスンの「Galaxy Watch 8」シリーズ（2025年8月1日発売）が対応し、XiaomiやOPPO、OnePlusなどのWear OS搭載スマートウォッチも利用できるようになる見込みです。

　設定方法は非常に簡単で、「Pixel」シリーズの対応端末で「Gemini」をダウンロードして、セットアップしておき、「設定」アプリの「アプリ」-「デフォルトのアプリ」-「デジタル アシスタント アプリ」で「Google」を選択します。

「Watch」アプリで「Google」を選ぶと、「デジタルアシスタント」の設定が可能

「Pixel 9a」の「設定」アプリで、「アプリ」-「デフォルトのアプリ」-「デジタル アシスタント アプリ」で「Google」を設定すると、「Gemini」が利用できる

　同様に、「Pixel Watch」でも「Gemini」をWear OS向けのアプリをインストールして、セットアップしておきます。

　「Pixel Watch」で「Gemini」が利用できるようになると、どんなことができるのか。基本的な使い方はスマートフォンで「Gemini」を利用するときと変わりませんが、スマートフォンに手を触れず、手元のスマートウォッチのみで利用できるため、大きく使い勝手が変わります。

　たとえば、「OK Google」と話しかけたり、「Pixel Watch」のサイドボタン（右上ボタン）を長押しして、「Gemini」を起動したり、アプリ一覧から「Gemini」のアイコンをタップして起動します。あとは「Pixel」シリーズで使うときと同じように、「Pixel Watch」に話しかけるだけ。

　たとえば、「近所の美味しいカレー屋さんを探して」とか、「大阪・関西万博のおすすめパビリオンは？」といった相談を投げかけると、それぞれの答えが音声で返ってきます。

　「でも、それって、Pixelに話しかけてもいいのでは？」と考えるかもしれませんが、実はスマートフォンを手にできないシーンで役に立ちます。

　たとえば、クルマを運転中、「Pixel Watch」でGeminiを起動して、「小野さんに10分遅れるって、メッセージを送っておいて」と指示を出したり、料理中で手が離せないとき、「細めのパスタをアルデンテに仕上げるには、何分くらいボイルすればいい？」といった質問ができます。

「Pixel Watch」のサイドボタンを長押しして、「Gemini」に話しかけると、音声で答えるほか、テキストも表示される。「Pixel」の「Gemini」アプリでも同じ内容が確認できる

　ちなみに、クルマの運転中、スマートフォンを手にすると、道路交通法に触れますが、腕時計に話しかけるのは今のところ、構わないとされています……と、Geminiも答えていました(笑)。

　もちろん、Geminiに気を取られず、常に安全運転を心がけることが大切です。「Pixel」シリーズの「自動車事故検出」のお世話にならないように、くれぐれも注意しましょう。

　最新モデルの発表で注目が集まっている「Pixel」シリーズは、他の製品や他のプラットフォームにはない多くの便利さを体験できます。「Pixel Watch」シリーズを組み合わせることで、さらに楽しさが拡がる「Pixel」シリーズの世界を試してみてください。