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第77回:ドメイン とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


ドメインとは

 ドメインは、「領地、領有地」などを意味する英単語「domain」から来ています。コンピューターのネットワーク、特にインターネット関連でよく使われる用語で、「ひとまとまりのネットワーク」を指す言葉です。

 例えば、インターネットに「impress.co.jp」というドメイン名があると、これは「インプレス」という会社のネットワークがドメインになっており、そのドメイン名となります。「impress」は会社の名前で、その右側の「co」は「企業ドメイン」といい、企業に割り当てられるドメインであることを示しています。「jp」は地域ドメインで、日本のネットワークの中にあることを示しています。

 ちなみに、このドメイン名のつけ方にはいくつかのバリエーションがあって、例えば汎用jpドメインという、「.jp」の直前にサービス名などを当てたものも使えます。また、地域ドメインではなく、世界的に使われるトップレベルの「.com」や「.net」といったドメインや、「.tv(ツバル)」や「.to(トンガ)」などのように、場合によっては外国のドメインを利用することも可能です。

 ドメインはネットワークのひとまとまりを示すわけですが、その中でさらにいくつかのドメインに分けることもあります。一般にインターネットで使われているドメインでは、さらに小さな単位の「サブドメイン」などと呼ばれるものがあります。例えば、EZwebのEメールサービス(ezweb@mail/ezwebmulti以外)で使われている「ezweb.ne.jp」というドメインでは、実際のメールアドレスを見ると「b1.ezweb.ne.jp」「t3.ezweb.ne.jp」といった、さらに小さな単位に区切られています。

 一般的に、インターネットのドメインはインターネット上で管理されていますが、サブドメインはそのドメインを管理している会社などが自由に設定してかまわないことになっています。例えば、汎用jpドメインで「ne4.jp」を取得すれば、「docomo.ne4.jp」といったようなサブドメインを作ることも可能になるわけです。実際に、「xxxxx@docomo.ne.jp」というメールアドレスのドメイン部分を「docomo.ne4.jp」に変更すると、メールの文章を幼児語(赤ちゃん言葉)に変換するというユニークなサービスもあるようです。


携帯電話とドメイン名、メールアドレス

 インターネットのEメールアドレスは、「k-tai@impress.co.jp」のように「ユーザー名@ドメイン名」という形になっています。つまり、ユーザー名とドメイン名があることで、そのメールがどの組織(どのマシン)に属するが、誰に送ればいいかを決めているわけです。そういった意味で、ドメイン名はインターネット上の住所と言っていいかもしれません。

 携帯電話のメール機能、メールアドレスもこれと同様で、パソコンからインターネットを経由して携帯電話のメール機能にメールを送ったり、あるいは逆に携帯電話からインターネット経由でパソコンへメールを送ることができる機能があります。また、自分と同じ通信事業者ではない携帯電話へメールを送る場合も、そのほとんどはインターネットのメール配送の仕組みをそのまま利用していることが多いようです。そのため、携帯電話のメール機能では、ドメインやメールアドレスという考え方がそのまま使われています。

 例えば、NTTドコモのiモードメールのメールアドレスは「ユーザー名@docomo.ne.jp」で、auのEZwebのEメールアドレスは「ユーザー名@サブドメイン名.ezweb.ne.jp」です。この場合は、KDDIのauとツーカーという複数の通信事業者の携帯電話が対応していますので、サブドメインが「t1.ezweb.ne.jp」や「t3.ezweb.ne.jp」の場合はツーカー、「b2.ezweb.ne.jp」や「c1.ezweb.ne.jp」の場合はau、といったように、サブドメインのグループによって分類されています。iモードに関しては、全ユーザーのメールアドレスが「docomo.ne.jp」直下に設定されています。


EZwebのメールサービスが使える携帯電話の例。EZwebというサービスのドメイン名は「ezweb.ne.jp」だが、このドメイン内にはいくつかのサブドメインが存在し、この電話は「t3.ezweb.ne.jp」というサブドメインに属している。このためメールアドレスは「ユーザー名@t3.ezweb.ne.jp」という形になる(ezweb@mail/ezwebmulti以外の場合)

ドメイン単位でメール受信を制限する

 NTTドコモがこの1月から開始した迷惑メール防止機能のひとつである「ドメイン指定受信機能」は、まさにインターネットメールにおけるドメインの考え方で、携帯電話に届くメールを制限するものです。この機能を使うと、インターネット(docomo.ne.jpの外)にある一部のドメイン(利用者があらかじめ指定したもの)から届くメールだけを受信可能にすることができます。

 この機能では、インターネットから届くメールの「ヘッダ」(情報が書かれた部分)のうち、「From」(そのメールがどこから送られたものかを記しておくデータ)の部分をチェックして、このデータが許可されたドメインかどうかを判断し、許可された場合のみ実際にiモード端末へメールが届けられるようになっています。

 例えば、互いにメールをやりとりをする相手がインターネット経由でメールを送ってくるのであれば、この機能に相手のプロバイダや会社のドメインを設定し、自分とは異なる通信事業者である場合も、そのドメインを漏れのないように追加すれば、自分が受けたいメールだけを受信して、迷惑メールを排除するように設定することができるのです。

 具体的には、iモードメニューの「オプション設定」から「メール設定」→「メール指定拒否・指定受信」→「ドメイン指定受信」を選択し、受信したいドメイン名だけを登録すると利用できるわけですが、例えば仮にここで、

「impress.co.jp」

を指定すると、インプレスからのメールのみを受け取ることができますが、

「co.jp」

とすると、主に日本の企業サイトからのメールを、

「.jp」

だと、jp地域のドメイン(主に日本にあるもの)のメールを受け取ることができるようになります。

 なお、このサービスでは同じドメイン内であるiモードメールや、NTTドコモのメールサーバーから送られるメールなどは、あえて何も設定しなくても受信することになりますので、インターネットからのメールに対してのみドメイン名をチェックしている、という点に注意すべきでしょう。

 というのも、迷惑メールによく見られるパターンとして、本当の送信者はiモードメールからではないのに、ドメイン名を「docomo.ne.jp」に偽り、あたかもiモードから送っている風を装ったいわゆる「なりすましメール」は、基本的にはこの機能で排除することが可能ですが、逆に言えば、あえて「docomo.ne.jp」や「jp」のようなドメインを設定してしまうと、なりすましメールでも受信してしまう可能性があると言えます。

 ですのでこの機能は、正しく使うことでメールアドレスを偽った迷惑メールなどもある程度は防ぐことができるでしょう。



(大和 哲)
2002/01/22 14:14

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