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第75回:モバイルIPv6 とは
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![大和 哲](/cda/static/image/2000/04/01/yamato.gif) |
大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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モバイルIPv6とは
「モバイルIPv6」は、「IPv6」のモバイル機器版です。IPv6のIPはInternetProtcolの略で、インターネットやイントラネット、LANなどで使われるデータの伝送手順(プロトコル)です。現在インターネットで主に使われているのは「IPv4」というプロトコルですが、このIPv6は今後インターネットの様々な場面で使われるであろうと言われています。
現在のパソコンやインターネット上のサーバーやルーターといった機械をはじめ、将来的には、家庭内のインターネットに接続している家電製品(インターネットから番組が予約できるビデオレコーダーや電気のスイッチなど)や携帯電話・PDA、カーナビや街の電光掲示板といったものまでがインターネットに対応することが予想されていますが、そうなったときにはこのIPv6が不可欠であり、またIPv6になったことで使える用途が様々に広がるからです。
ちなみに、IPv6の「v」はバージョンの略で、IPv6は「インターネットプロトコルのバージョン6」を意味しています。IPv4がバージョン4で、バージョン5は欠番になっています。
モバイルIPとは、携帯電話などのように移動しながらIP通信をするための技術で、現在では「RFC2002」という形でIPv4を元に標準化が進められているのですが、このモバイルIPを元にIPv6へ対応させているのがモバイルIPv6です。モバイルIPv6もIPv6と同様に、将来、携帯電話や無線ネットワークカードなどで広く使われるようになるだろうと考えられており、現在いくつかの場所で実証実験が行われています。
IPv6の特徴
IPv4およびIPv6(モバイルIPv6含む)は、ネットワークを使ってデータを伝えるための規格ですが、現在よく使われているIPv4と比較し、IPv6では「より多くの機械にそれぞれ固有の番号(IPアドレス)を割り付けることができる」といったメリットがあります。
IPを使ってデータをやり取りするには、機械ひとつひとつに「IPアドレス」という番号を割り付けておき、「何番から何番へ」というように指定してデータが伝わっていくようになっています。この「IPアドレス」は、IPv4では4バイト(32ビット)の数字を使って割り振っています。つまり、2の32乗でおよそ43億個分のIDがあり、これで全世界のインターネット上において機械のIDとも言えるIPアドレスを賄なっているのです。
少し昔までは、これで全世界をカバーしても十分に足りるくらいだったのですが、現在では不足してきてしまい、将来的には絶対的に不足してしまうことが予想されます。というのも、例えば世界中の人がパソコンや携帯電話を持ち、また、いずれは家庭内にもインターネットから制御可能な家電製品(先述の機器など)が普及して、ひとりで数台のインターネット接続機器を使用することになるとしたら、IPv4では43億台分しか確保できないため、全世界の人口1人にひとつを割り当てることすらできません。しかも、このIPアドレスは現在、アメリカがインターネット発祥の地であったため、そのうちの多くがアメリカ国内で占められており、その他の地域ではさらに不足している事態になっています。
IPv4では、あるエリアの中でだけは唯一の番号で、他のエリアに行くと同じ番号のものがあり得る「ローカルIPアドレス」を使い、「ネットワークアドレス変換(NAT)」や「IPマスカレード」といった技術を用いて割り当てる、個数以上のIPアドレスを使うことも可能となっていますが、この場合はグローバルIPアドレスを使った場合と違い、使い勝手に様々な制約が出てきてしまいます。サーバーやインターネット家電のように、インターネット上からリクエストを受け付ける仕組みをこれで利用するのはかなりやっかいです。
一方、IPv6では16バイト(128ビット)の数字を割り振っています。つまり、割り当てられる番号が莫大に増え、最大で約340澗個(“澗”は漢数字「一十百千万億兆京垓杼穣溝」の次の位で、10の36乗)とほぼ無限とも言える個数のIPアドレスをインターネット上のそれぞれの機械に割り当てることが可能になります。これによって世界中のどんな機械でも、インターネットでのサービスを制約なしに利用できるようになります。
携帯電話やPDAなどの持ち運ぶ機械でも、IPv6の仕組みに対応したモバイルIPv6を使うことで、「グローバルIPアドレス」を割り振ることができるようになりますので、携帯電話などでもインターネットからこれまで以上に多彩なサービスが受けられるようになるでしょう。
まだまだ普及への道のりは長いが……
現在のIPv4とIPv6では、このようにIPアドレスの長さが変わるだけではなく、機械内部でも、たとえば同じ国内の機械への通信だとしたら、国コードは省略して扱ってもよいなど、IPアドレスを国コードで分けて短く使うこともできるといった仕組みが一部変更されています。そのため、現在インターネットを使っているハードウエアや、その上で動くOS、ソフトなどをIPv6に対応するように作り変える作業が必要になっています。現在、パソコンのOSでIPv6に対応したものもありますが、そうした対応ソフトはまだまだ少ないのが現状です。
モバイルIPv6に関しては、ノキア・ジャパンが今年2月から、小田急電鉄、京浜急行電鉄、森ビルと協力し、公共交通機関および屋内公共エリアを対象としてモバイルIPv6の実証実験を行なう予定になっています。例えば小田急線の場合では、新宿~小田原・箱根湯本間を運行する特急電車「ロマンスカー」の一部で無線アクセスができるノートパソコンを無料で貸し出し、ストリーミング・ビデオや音楽、天気予報、ニュースなどのコンテンツを提供するといった実験が行われる予定になっているようです。
・ IPv6 普及・高度化推進協議会
http://www.v6pc.jp/
・ ノキア、モバイルIPv6による無線LANアクセスの実証実験
(大和 哲)
2002/01/08 13:13
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