EZwebユーザー期待の動画配信サービス「ezmovie」
「ezmovie」は、auが新たに始めた動画配信サービスです。この12月より全国で一斉にサービスが開始されました。数十秒程度の動画がEZwebのコンテンツにリンクされたり、動画付きのEメールとして利用することも可能です。たとえば、EZwebの映画情報サイトに映画の「予告編」の動画があった場合、そこをクリックすると予告編の映像が携帯電話上で見られる、といったような形になります。また逆に、動画再生画面の中で表示されるテロップに他のページへリンクが貼られ、そこからさらに他のページを表示させたり、あるいはメールや電話をかけさせる、といったような使い方もできます。
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ezmovieでは、EZwebやEメールからリンクしてMPEG-4の動画やMP3の音声コンテンツが再生できる。また、動画のテロップからEZwebやEメールへリンクする機能も持っている
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東芝製の折りたたみ型端末「C5001T」。ezmovieやeznavigationなど、auの次世代サービスに対応した携帯電話だ
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このezmovieでは、現在のところ
●音楽・映画 ●ファッション・タウンガイド ●ニュース・天気 ●スポーツ ●グラビア・アイドル ●お笑い ●エンターテイメント ●アニメ・キャラクター
などのジャンルの動画コンテンツが提供されています。1~2月には100を越えるコンテンツが提供される予定です。ezmovieのサービスには、この12月に発売された東芝製のau端末「C5001T」が対応しており、今後も他の対応機種が登場する予定です。
MPEG-4とMP3対応で自分でも手軽に作成できるezmovieコンテンツ
このezmovieは、cdmaOneの64kbpsパケット通信を使用して携帯電話に動画データを配信し、携帯電話の液晶画面で再生するサービスです。データ形式は「MPEG-4」の動画や「MP3」「QCELP」といった音声ファイルに対応しています。ファイルサイズは240KB程度までで、このファイルを一度ダウンロードしてから再生する形になります。なお、「ショートストリーミング」再生でも、一度データを読み込んでから動画を再生します。ダウンロード再生とショートストリーミング再生の違いは、読み込み時に「ダウンロードしますか?」などの確認があるかどうかという点と、データフォルダへの保存が可能かどうかの違いです。
通信方法はベストエフォート方式のパケット通信なので、常に64kbpsの通信が保証されるわけではありませんが、PDC方式のiモーションより高速にデータ転送が可能で、快適に使うことができるのも特徴のひとつです。画面サイズはQCIF(144×176ドット)になっていて、数十秒程度の動画が対応機種上で秒間15コマのレートにより、なめらかに再生されます。
ezmovieの動画データには、MPEG-4というコーデックが使われていますが、これは「MP4ファイルフォーマット」というMPEG標準のファイルフォーマットに、携帯電話で使用するための機能が追加されたものです。基本的には標準のMPEGフォーマットですから、動画を作るだけならパソコン用として出回っている既存の作成ツールなどで動画データを作成することもできるでしょう。ただし、パソコン(Windows Media Player)やドコモのM-stage visualなどで使われているMPEG-4データは、MP4ではなく「ASF」というファイルフォーマットを使っているため、ezmovieで使われているデータとは形式が違うことから、注意が必要です。
なお、ezmovie向けには、データをパソコン上で簡単に作成できるソフト「ezmovie作成ソフトLite」がauのWebサイトから無償でダウンロードできます。これで作ったデータを、EZwebのXHTMLの「オブジェクトダウンロード」を用いてリンクすれば、EZwebのコンテンツからの再生も可能です。このため、HDMLのみに対応した従来のEZweb端末では、ezmovieの動画データは利用できないわけです。
また、ezmovieの規格では音声ファイルにMP3、QCELPコーデックが採用されていますので、ezmovie対応端末のC5001Tでは付属のイヤホンマイクを使って動画の音声を聞くことができ、MP3形式の音楽ファイルはステレオ音声で再生することができます。
・ ezmovie
http://www.au.kddi.com/ezweb/ezmovie/index_i.html
・ 技術情報(ezmovie概要)
http://info.ezweb.ne.jp/factory/tec/spec/ezmovie01.html
(大和 哲)
2001/12/11 13:25
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