「ストリートビュー」は、グーグルが提供しているWebサービス「Google マップ(Google Maps)」の機能のひとつです。「ストリートビュー」は、地図上である場所を見る際、地上での視点で見た景色を写真として表示できます。パソコン向けサービスでは、左右360度、あるいは上下に視点を変えることができるほか、道路などにそって場所を移動することも可能で、バーチャルに街の中を歩いているような体験ができます。
パソコン向けサービスとしてスタートした「ストリートビュー」は、2008年8月、日本の主な都市がサポートされました。また、NTTドコモの一部機種でもiアプリとして利用できるようになっていますし、iPhone 3G(iPhone 2.2以上)、Windows Mobileなどの携帯電話などで利用できます。
「モバイルGoogleマップ」は、GPS対応の携帯電話であれば、位置情報を利用して現在地付近の地図をチェックするといった使い方ができます。ストリートビューや経路探索機能にも対応しており、道に迷った時には、携帯電話のGPS機能で現在地を割り出し、ストリートビューで自分の向かっている方向を確認する、といった使い方もできるようになっています。
■ 風景表示は便利、プライバシーの観点で問題視する声も
ストリートビューは、米国の主要都市やフランスの6都市(パリ、リール、リヨン、トゥールーズ、ニース、マルセイユ)、オーストラリアのシドニー、メルボルン、キャンベラなど、スペインのマドリッド、セビリアなど、イタリアのローマ、ミラノなどで利用できるようになっています。行く予定があるものの、初めて訪問する場合には、事前に風景をチェックできる点などが便利とされています。
これまでの地図は、道路の位置関係や建物の種別をチェックすることはできましたが、「ストリートビュー」は、解像度(画像のサイズ)に限度はありますが、現地を訪れた場合と近い体験、知識を得られます。
「ストリートビュー」で使われている風景写真は、GPSユニットや全周回カメラを載せた自動車を各所に走らせて撮影されたものです。現地で撮影された写真ですから、建物の形状や壁の色、歩道でのガードレールの有無、カンバンの掲示内容など、知ることのできる情報量が飛躍的に増えています。ゆっくり見たり、ズームしたりすることもできるので、注意深く風景を観察することもできます。
しかし、「ストリートビュー」は便利な反面、プライバシーなどの点で問題視されています。というのも、自動車を各所に走らせて撮影した画像データを使っており、自宅の様子やたまたま路上にいた人の様子なども風景データとして撮影されてしまっているケースがあるからです。特に日本での場合は、非常に緻密に撮影車を走らせた結果、いわゆる生活道路と呼ばれるような、狭い路地裏の道まで撮影し、自家用車のナンバーや、窓から宅内の様子が写っていたり、なぜか私有地内に立ち入って撮影された風景も使われているケースもあります。そのため日本でもサービス開始直後から問題を指摘する声があがり、地方自治体議会で意見書を採択するケースもでてきました。
この問題に関しては、日本だけではなく、世界中で市民団体や地方自治体などが抗議、申し入れなどをし、グーグル側では顔やナンバーなどをぼかす、といった処置は行っています。一方、パソコンを保有していないユーザーからの画像削除受付などが十分でないと指摘する意見もあり、米国では、自宅内の様子をストリートビューで表示されてしまうとして訴えられています。国内で開催されたグーグルの記者会見では、同社では利便性の提供を重視し、サポート体制の改善を図る方針を示しています。
■ URL
モバイルGoogleマップ(携帯向け)
http://m.google.co.jp/gmm
Googleマップ
http://maps.google.co.jp/
ストリートビューは意見をもとに改善していく、米Google法務担当[INTERNET Watch]
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/29/20988.html
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(大和 哲)
2008/12/16 13:00
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