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第372回:CGM とは
大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページは
こちら
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(イラスト : 高橋哲史)
CGMとは、消費者生成メディアを意味する英語「Consumer Generated Media」を略した言葉です。消費者や個人といった、これまでメディアの主役とはなっていなかった人たち(Consumer、コンシューマー)が発信した情報をまとめてデータベース化したり、まとめてメディアとして発信する仕組みのことです。口コミをシステム化したものと言ってもいいでしょう。
CGMとしては、特にインターネットのWebサービスを使った形態が最もよく知られています。たとえば、使った商品の感想を利用者が自由に書ける口コミサイトもありますし、個人が意見を発信するブログ、特定の仲間内で意見交換などができるSNS(ソーシャルネットワークサービス)などもこの範疇に入ります。
あるいは商品だけでなく、旅行者の感想をまとめた旅行サイト、個人がページ作成したり編集できるWikipediaなども、CGMに含まれます。
インターネットの特徴は、情報の公開性、膨大な情報量、そしてコンピュータを使った検索性が挙げられますが、CGMは、このインターネットの特性がよく生かされていることが特徴の1つです。
つまり、インターネットでは、(SNSなどを除いて)情報は世界中に向けて公開されるのが一般的であり、評論家のような特定の人物だけではなく、幅広い人々からの意見が集まっていると言えます。
世界中に売られている商品のクチコミを探すと、その量は非常に膨大です。意見が増えれば増えるほど、特定の見方からだけでなく、さまざまな方向からモノや事象に対する視点・意見を知ることができるわけです。
検索性については、インターネットの場合、Webサイト内に検索機能を備えている場合もありますし、GoogleやYahoo!のような検索サイトでキーワードとして商品名を入力したりすることで、情報を確認できます。これは、雑誌や新聞・放送と違ってユーザーが主体的に情報を集めることができるという点で、従来のメディアとは大きく異なります。
また、CGMサイトの多くはブログやWikiなどのインターネットの比較的新しいコンテンツ編集の仕組みを取り入れているため、「CGMとはWeb2.0的な存在の1つである」という捉え方もされています。
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携帯電話とCGM
また、携帯電話もCGMの流行の一端を担っているツールの1つとされています。
たとえば、モブログと言われる仕組みを見てみましょう。これは、携帯電話を意味する“モバイル”と、“ブログ”を組み合わせた造語で、携帯電話のインターネット機能を利用して更新するブログのことを意味しています。携帯電話の持つカメラ機能と、メールなどのインターネット機能を使って、ユーザーが街で見かけた風景の写真や、コメントを書いていくことでリアルタイムに情報を発信できる仕組みです。
また、SNSやクチコミサイトなども最近は、携帯電話に対応しているサイトが多く、パソコンがなくても気軽にアクセスして、意見を投稿したりできるます。特に若年層向けサイトでは、パソコンよりも携帯電話でのアクセスが主になっているケースも見受けられます。
CGMは、ある種の情報(たとえば商品の優劣)などに関しては、「自分と同じ普通の人が記した意見」として、マスメディアを通した広告よりも信じられやすいケースもあります。その結果、商品やサービスの販売推進のために有効なのではないかと注目されています。
反面、編集者などの第三者の調整もなく、書いた人の素性もわからないことがほとんどなので、事実に反する記述が行なわれる可能性もあります。メーカーなどの商品を提供する側、あるいはユーザー自身にとって、特に信憑性については一定の注意を払ってCGM上の情報を取り扱う必要があるというのも特徴と言えるでしょう。
(大和 哲)
2008/05/28 11:16
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