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第363回:LiMo Platform とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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スペインの「The Mobile world Congress」でもLiMo搭載製品が紹介された
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「LiMo Platform(リモプラットフォーム)」は、Linuxをベースにした携帯電話向けソフトウェアプラットフォームです。市販中の携帯電話でも採用されており、たとえば日本では、NTTドコモのP905iやP905iTV、P705i、N905i、N705iなどがLiMo採用端末です。
また、海外の携帯電話では、米モトローラのMOTO U9やMOTO Z6wなどで採用されています。開発中の端末としては、仏Purple Labsによる100ドル以下というPurple Magic、あるいはLG電子のLG LiMo Phoneなどで採用される予定です。2008年2月にスペインのバルセロナで開催されていた世界最大の携帯電話関係の展示会「The Mobile World Congress 2008 Barcelona」では、これらLiMo搭載製品が展示されていました。
■ 携帯電話向けLinuxの一大勢力
LiMo Platformは、米モトローラやNEC、NTTドコモ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、韓国サムスン電子、英ボーダフォンが2007年に設立したLiMo Foundationが配布しています。最初のバージョンとなる「Release1(R1)」が発表され、各社の製品に搭載されています。
LiMo Platformの特徴は、世界共通で利用できる、ハードウェアに依存しないオープンな携帯電話機向けプラットフォームである、ということが挙げられます。
OSがLinuxと、オープンなものであることはもちろん、ソフトウェアを作る際に必要な資料であるAPIなどの情報も公開されていて、C/C++言語で、LiMo上で動くミドルウェアを作成できます。
この方針は、低価格のLiMoケータイを開発しているPurple LabsのWebサイトなどでは、OSやデバイスドライバなどの基本的なソフトウェア一式そのものが公開されているほど、オープンなものです。
また、LiMoは新しいOSという側面を持ちながら、安定性のある「枯れた」プラットフォームであることも特徴でしょう。LiMoのR1は、LiMo Foundationの設立メンバー企業が共同で開発していますが、採用されたほぼ全ての技術がすでに商用製品に導入された実証済みのものとなっており、その分製品での実稼動は安定したものと言えます。
開発発表から時間が経っていないにも関わらず、各社の製品に搭載されているのは、そのような背景もあるのです。
ちなみに、LiMoの推進団体であるLiMo Foundationには、新たに携帯機器向けLinux規格作成・推進団体であるLinux Phone Standards(LiPS) Forumの創設メンバーでもあるOrangeや、同じくLiPSのメンバーであるACCESSも参加して、さらにAPIの共通化を進めたR2の企画・開発をすすめています。
LiPS Forumも、LiMoと同じくLinuxをベースとしたLiPS Release 1.0などの仕様を発表しており、LiMoの競合団体と目されていましたが、その参加メンバーがLiMoに合流したことで、LiMoは携帯電話向けLinuxプラットフォームとしては一大勢力となったと言えるでしょう。
■ URL
LiMo Foundation
http://www.limofoundation.org/
(大和 哲)
2008/03/11 13:08
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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