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第356回:PIMカード とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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2008年2月下旬発売予定の「X PLATE」
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X PLATEにはPIMカードスロットが設けられている
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「PIMカード」とは、主に中国大陸内で使われているPHSサービス「小霊通」(Xiao Ling Tong)などで使われるカードで、日本でも3G携帯電話などで使われているUSIMカードや、GSM方式の携帯電話で使われているSIMカードとそっくりの形をしています。PIMカードの“PIM”とは、Personal Identity Moduleの略です。
PHS回線事業者である中国電信(チャイナテレコム)、中国網通(チャイナネットコム)、メーカーである中興通迅(ZTE)やUTStarcom、華為技術(ファーウエイ)からなる、中国固網和無線終端総盟(CFWTA)が規格策定しました。
それまで、中国国内でのPHSは日本と同様、端末と電話番号が紐付けられていたのですが、PIMカードが登場したことでユーザーが端末内のカードを入れ替えて簡単に電話番号を変えることができるようになりました。
かつて中国国内での小霊通は、回線を契約している省を超えてしまうと法律の関係で、使えなくなってしまうという問題がありました。これをある程度解決したのが、PIMカードです。中国国内の旅行先ではPIMカードを追加購入することで、現地で使えるようになったわけです。
現在、中国国内では、携帯電話のSIMカードや長距離電話用カードなどを販売しているカードショップなどにおいてPIMカードが販売されており、日本人旅行者でもパスポートを提示すれば、プリペイド方式のPIMカードを購入できます。
また、日本国内では、ウィルコムおよびウィルコム沖縄が発表した新機種「X PLATE」(WX130S)が中国国内で流通しているPIMカードに対応しています。「X PLATE」では、本体背面のバッテリーの下にPIMカードスロットが用意されており、ここにPIMカードを挿入することで、中国国内で中国電信か中国網通のPHS回線を利用できます。ただし、この場合は現地の料金表が適用され、日本国内の電話番号は使えず、メールも受けられないことに注意しましょう。
■ 技術的にはSIMカードそっくり
PIMカードは、形状的にはSIMカードにそっくりで、「小霊通専用」と書かれていなければ間違えてしまいそうです。技術的にも、PIMカードは、日本でも3G携帯電話などで使われているUSIMカードとほぼ同様の規格となっています。
電気的特性や信号などはUSIMカードと同じく、ISO7816という規格に準拠しており、たとえばSIMカードリーダなどでPIMカードも内容を読み出せます。内部にCPU、RAMとROMのメモリが内蔵され、簡単なOSが動きますし、個人データなどはDESを使って暗号化されるといった仕様もほぼ同様です。PIMカードには、250個までの電話番号、50本までのSMSメッセージが登録でき、PINコードを登録することも可能です。
PIMカードには、それに簡単なプログラムなどを登録することも可能になっています。たとえば、PIMカードの一種としてPTK(PIM Toolkit)と呼ばれるカードがあります。SIMカードで言うSTKと同様のものですが、これにはPIMカードのROMにスタートアッププログラムが登録されており、このカードを小霊通に差し込み、電源を入れると自動的にPIMカード内のプログラムが小霊通で実行されるというもので、特定のサービスメニューつきのPIMカードとして使われています。
■ URL
中国固網和無線終端総盟(CFWTA、中文)
http://www.cfwta.org
■ 関連記事
・ 中国のPIMカードが使える「X PLATE」
(大和 哲)
2008/01/22 12:01
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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