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第347回:テレメトリング とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 テレメトリングという言葉は、英単語の「telemeter」」を元にしていますが、これはギリシャ語由来で「遠くの」「遠隔の」を意味する接頭語「tele」と、計量を意味する「metron」から来ています。

 その由来の通り、「テレメトリング」とは、有線や無線などの通信回線を使って、遠く離れた場所にある計測器の値を読み出すこと、またはその仕組み・装置のことを言います。日本語では「遠隔監視」「遠隔測定」とも呼ばれます。

 現在、テレメトリングの仕組みは、非常に多く使われています。たとえばガスの集中監視などは、その典型的な例でしょう。ガスは、ガスコンロや暖房、湯沸し機など生活に必要な機械を動かすために欠かせない燃料ですが、その扱いには注意が必要です。たとえば、ガス漏れの結果によっては爆発を起こす可能性もありますし、消し忘れで就寝・外出してしまって費を消し忘れると、火事のきっかけになることもあり得ます。

 そこで、LPガスでは販売店が、都市ガスでは都市ガス事業者がガス配管にテレメトリング機器を設置しており「ガス流量」「継続使用時間」「ガス供給圧力」などのデータを遠隔監視して、事故に繋がるような現象が検地された場合には、事故を防ぐ目的で自動的にガス供給を遮断するようになっているのです。

 携帯電話やPHSは、テレメトリング機器によく使われています。以前は回線交換方式の通信も行われていましたが、現在では、いずれの回線を利用する場合もパケット通信方式が一般的には使われています。

 テレメトリング用途のように、機械と機械を繋ぐ通信の利用方法を“Machine to Machine”“MtoM”“M2M”と表現することもあります。

 現在、人間をユーザーとした携帯電話の普及はすでに飽和状態を迎えていることから、劇的な回線増を見込むことができるM2M分野はいずれの通信事業者も注目しており、テレメトリング機器は計測機器メーカーからだけでなく、通信事業者などからも法人向け製品としてさまざまな対応機器が紹介、発売されています。


人が行きにくい、貼り付けない場所での計測に

 遠く離れた場所に設置した機械を通信回線経由で測定することには、いくつかのメリットがあります。

 たとえば、人が行きにくい場所でも機械を使えば、安全に状態を知ることができます。静止軌道上の人工衛星や宇宙空間にある探査機などの機械の状態を、人が直接そこに行って調べるのは非常に困難が伴います。測定機器をあらかじめ衛星や探査機に取り付けておき、無線でその様子を知らせるようにしておけば、人間には危険なく、地球から離れた場所のさまざまな情報、機械の状態などを知ることができるわけです。

 宇宙という極端な場所ではなくても、「常に状態を知りたいが、人を常駐させるわけにはいかない」という場所の監視などにもテレメトリングは使われます。

 たとえば、水道管や下水道のマンホールの中、あるいはガス管の管理などは生活に欠かせないインフラですからできるだけ綿密に監視を行ないたい部分です。かといってマンホールの中に常に人を配置しておくわけにもいきません。これらのポンプなどにもよくテレメトリング装置が備え付けられています。

 メリットの1つには、業務の効率化が挙げられます。つまり、いつも人を待機させるとコストがかかりすぎますが、タイミングよく現在の状態を把握したいという場合、監視機器を使うことでコストを下げられるわけです。

 自動販売機のテレメトリングは、最も典型的な例でしょう。自動販売機は、販売物品が品切れになってしまったり、つり銭が切れてしまうとそれだけで商機を逃してしまったりします。そのため、商品とつり銭の補充は欠かせません。そこで、通信網を使ったテレメトリング機器を設置しておけば、自動販売機から定期的に商品在庫や釣り銭の情報を手に入れて、適切なタイミングで補充できるようになるわけです。



(大和 哲)
2007/11/13 11:59

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