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第345回:au design project とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


外部デザイナーと協力したコンセプトモデル開発

 au design projectは、携帯電話事業者であるKDDIが行なっているデザイン開発プロジェクトです。社内、および外部のプロダクトデザイナーが共同で、それまでになかったデザインを備える携帯電話のコンセプトモデルを発表しています。

 プロダクトデザイナーの深澤 直人氏による「info.bar」というコンセプトモデルは、2001年5月に発表され、当時折りたたみタイプ一色になり始めていた実用一辺倒の携帯電話のデザインにおいて、ファッションという概念が強く意識される契機となりました。

 「info.bar」以降も、このau design projectのコンセプトモデルは年間数機種ずつ発表されています。これまで発表されたコンセプトモデルとしては、


KDDIデザイニングスタジオの一角には、歴代のコンセプトモデルを披露するコーナーもある

KDDIデザイニングスタジオの一角には、歴代のコンセプトモデルを披露するコーナーもある

・Wearable(2001年)
・rotaly(2001年)
・GRAPPA(2001年)
・GRAPPA002(2001年)
・ishikoro(2002年)
・apollo(2002年)
・apollo 02(2002年)
・talby(2003年)
・HEXAGON(2005年)
・MACHINA(2005年)
・MEDIA SKIN(2005年)
・kaos(2006年)
・vols(2006年)
・cypres(2006年)
・INFOBAR 2(2006年)
・actface(2007年)
・sorato(2007年)
・ヒトカ(2007年)

などがあります。これまでにさまざまな展示会や、東京・原宿にあるKDDIデザイニングスタジオで展示されています。


「デザインのau」認知度向上に大きく貢献

 コンセプトモデルは、自社製品の今後の開発方針、概念などを社内外に知らせる目的で発表されるものですが、au design projectでは製品のデザイン開発をしたり、コンセプトモデルを実際に製品化したりしています。

 前述のinfo.barは「INFOBAR」と名前を変え、赤をベースにした「NISHIKIGOI」、白と黒の市松模様をベースにした「ICHIMATSU」、シルバーをベースにした「BUILDING」と3種類のカラーバリエーションで、31万画素CCDカメラを搭載し、EZアプリ(BREW)や着うたなどに対応したストレート端末として、2003年10月に発売されました。

 また、2003年10月からサービスが始まった「CDMA 1X WIN」に対応した最初の音声端末2機種のうち、「W11K」もまたau design projectによってデザインされた携帯電話です。「W11K」は、事前にベースとなるコンセプトモデルは公開されていませんでしたが、同時に発表された「W11H」とほぼ同機能ながら、INFOBARのデザインも行なった深澤直人氏の監修による、多面体を取り入れたデザインコンシャスな携帯電話でした。

 その後、同名コンセプトモデルをベースに2003年に発売された「talby」や、コンセプトモデル「ishikoro」とは別デザインとされながら、よく似た形状の「PENCK」や、同名コンセプトモデルを元にした「neon」や「MEDIA SKIN」が発売されています。また2003年発売の「INFOBAR」をベースにした「INFOBAR 2」が近日発売される予定です。

 au design projectと、「Designers KDDI」などをスローガンに掲げた企業戦略キャンペーンによって、KDDIは、デザインコンシャスな携帯電話の会社としての認知度が高まっていると言えるでしょう。



URL
  au design project
  http://au.kddi.com/au_design_project/


(大和 哲)
2007/10/30 12:27

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