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第344回:予測変換 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


第344回:予測変換 とは

 「予測変換」とは、文字入力支援機能の1つで、「ユーザーがこれから入力する」と思われる言葉などを予測し、候補として表示することで、より少ないキータッチで言葉を入力させることが可能になる機能です。

 この機能は、携帯電話のかな漢字変換機能によく搭載されていたり、専用のソフトとして別途販売されている場合もあります。

 日本語入力において、典型的な例としては、「あ」の入力に相当する操作、つまりテンキーの「1」を一回押すと


 あ ありがとう あまり 明日 穴 朝 あるの

などと候補を表示し、もう一度「1」のキーを押す(「い」の入力に相当)と、

 いわば いっそ いいですか 今 いつの間にか 入れる

となり、入力されたキーのひらがなの内容から、単語の候補を表示し、カーソルキーで選ぶだけで単語を入力できるというようになっています。

 Windows Mobileなどスマートフォン用として販売されているソフトなどには、たとえば、キーではなくスタイラスを使った文字の手書き入力での予測変換に対応したものも存在します。


予測変換は、候補予測がカギ

 予測変換は、予測・例示インターフェイスと呼ばれるジャンルのソフトの1つです。その名前の通り、コンピュータがユーザーの入力したい内容を予測し、それを例示してから、選択させることで対象データを入力させるという操作方法、ユーザーインターフェイスを実現するソフトウェアということになります。

 その構造は、おおまかに言えば、最適な入力候補を予測する予測部、候補を表示する表示部、それからユーザーからの入力を受け付けて次候補を表示したり、入力データを決定したりする入力部からなります。

 これらの中でも、入力ステップを軽減させるための肝となるのは、予測部の推論アルゴリズムです。一般的には、機械学習や機能的推論と呼ばれる人工知能プログラムによって実現されています。典型的なものとしては、ユーザーの操作履歴を憶えることで次の操作を予測します。

 たとえば、ある予測変換プログラムでは今、「あ」という入力をして、携帯電話が


 あ ありがとう あまり 相生 会う 朝 あるの

と候補を例示したとしましょう。

 ここでユーザーは候補の中から「相生」を選びます。すると、コンピュータは、「あ」で選ばれる可能性が高いのは「相生」であると学習して、次にユーザーが「あ」を入力すると

 相生 あ ありがとう あまり 会う 朝 あるの

という形で表示します。

 ちなみに、このようにもっとも最近使われた単語を採用する、もっとも使われなかった単語は次に候補からはずすというように使われた時期の近さから候補リストを操作する「MRU(Most Recently Used)法、LRU(Least Recently Used)法のほかに、頻繁に使われているかどうかで判断するMFU(Most Frequently Used)法、LFU(Least Frequently Used)法なども候補リスト操作のアルゴリズムとしてよく使われます。

 また、さらに進んだ学習では、予測変換プログラムはその前の操作や、続けて入力されている文字からの係り受けを考えることなども行ないます。

 入力を助けるような技法としては「あ」と入力すると、

 あ ありがとう あまり

と表示し、そのあと「り」と入力されたら

 ありがとう 蟻 在り


と、「あり」で始まるリストの一覧を表示する「インクリメンタルサーチ」の技術なども組み合わせています。



(大和 哲)
2007/10/24 11:33

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