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第40回:データ伝送レートとは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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データ伝送レート
データ伝送レートとは、一定の時間でどのくらいの量のデータを回線などが伝えることができるのかを示した数値です。データ伝送速度(Data Transfer Rate)とも言います。単位としては「bps」や「kbps」「Mbps」が使われます。
たとえば、PHSでは最高伝送速度64kbpsのデータ伝送サービスを行なっている事業者があります。この「64kbps」は、データを最高で、64kbitのデータを1秒間に送ることができることを示しています。
この単位となっている「kbps」は「kilo(キロ) bits(ビット) per(毎) second(秒)」の略です。kは1000(10の3乗)を示す接頭語ですから、64kbpsならば、1秒あたり64,000ビットの情報がこの回線を伝わることができるわけです。ちなみに1ビット(1 bit)とは、コンピュータで扱うデータの最小単位です。半角英数字は8ビットで表現され、8ビットをひとつの単位として、1バイトとも呼ばれます。
ですから、64kbpsの回線では「64,000ビット÷8=8,000」で、1秒あたり8,000バイト(約8kバイト)のデータを流すことができることになります。日本語など、文字の多い言語では、ひとつの文字を2バイト(16ビット)で表現していますので、64kbpsでは、単純計算すれば日本語文字で1秒あたり4000字が送れることになります(実際には、データをやりとりするときの制御コードやエラー訂正などもこの8000バイトの中で行なわれるため、文字としてやりとりできる文字数はもう少し少なくなります)。
また、IMT-2000準拠の携帯電話では最大で2Mbpsのデータ伝送レートが実現される予定ですが、Mはkの1000倍ですから、約2Mbpsでは約2,000kbpsの伝送レートということになります。つまり、1秒間に約2,000,000ビットのデータを送ることができるわけです。
データ伝送レートは実感としてわかりにくいものですが、1バイト=8bit、半角英数字1文字は1バイト、全角英数字1文字は2バイト、ということを覚えておけば、だいぶわかりやすくなります。
データ伝送レートに絡んでよく出てくる用語
伝送レートは上り、下り、で表されることがあります。 基地局から携帯電話へ伝わるデータが下り、携帯電話から基地局への方向が上りです。データの流れを基地局やサーバーなど基幹に近い方を上流、1台1台の端末を下流とみなしているのです。
たとえば、cdmaOneのパケットデータ伝送サービス「PacketOne64」では、上り14.4kbps、下り64kbpsのデータ伝送レートになっています。つまり、携帯電話から基地局、インターネットなどへの方向のデータは1秒間に最高14.4kビットです。逆に基地局から携帯電話へは1秒間に最高で64kビットのデータを伝えることができる、というわけです。
携帯電話に限らず、通信ではデータ伝送に関しては、基地局から端末への最大データ伝送速度が仕組み上、あるいはデータの流れの特性を踏まえて非対称(上りと下りの速度が異なる)になっていることがときどきあるのです。
また、データ伝送関係の用語としては「ギャランティ型」「ベストエフォート型」という言葉もあります。
「ギャランティ」とは、英語の「保証」を表わす「Guaranty」を意味しています。ギャランティ型の通信は、何らかの形で通信速度や、サービスの品質(QoS)が保証されるものを言います。
また、「ベストエフォート」型は品質非保証型サービスとも言います。最大限の通信速度としては数値が決められているがレートが保証されるわけではない、などというタイプのサービスです。
たとえば、PIAFS 2.1版を使ったデータ通信では、ベストエフォート方式の通信を選ぶことができます。PIAFS 2.1版ではデータ伝送レートは最大64kbpsですが、ベストエフォート方式を選ぶと、電波状況が良好な時は2回線を使って64Kbpsの速度で、そうでないときには32kbpsの速度で通信が行なわれます。
(大和 哲)
2001/04/17 00:00
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