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第308回:ハーフミラー とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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812SHのサブ画面周辺もハーフミラー
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ハーフミラーとは、ある条件では鏡のようにふるまい、ある条件ではガラスのようにふるまう鏡のことです。たとえば、一方の側から光を当てたときには鏡のように周りの景色を映し、逆側から光が当たった場合にはその光が見えたり、逆側にあるものが透けて見えたりします。
以前からありましたが、最近では、携帯電話のパネル部分にハーフミラー加工をしてあるファッショナブルなものが増えてきました。たとえば、最近発表された新モデルでは、ソフトバンクモバイルの発表した812SH、ドコモのSH703i、昨年秋のモデルですが、auのW44KやW45Tなどにもハーフミラー加工パネルが利用されています。
812SHでは、背面の一部が銀色のパネルになっており、普段は周りの景色が写りこむ、いわゆる「鏡」の状態ですが、着信時や時計表示をさせると背面のLEDや有機ELなどの光源が光り、浮き上がるようにこれらの表示が見えるようになっています。
また、ハーフミラーパネルには、銀色以外にも、スモーク加工などを施してパネル全体に、違和感なく埋め込まれているものもあり、一見して鏡とは見えないものの、ハーフミラーになっているものもあります。
また、当たる光の波長によって光が通ったり通らなかったりするようにしたもの、光の透過率(どれだけ光が通るか)など、ハーフミラーにはさまざまな特長をもったバリエーションがあります。マジックミラーや、電圧で透け方が変わる調光ミラーなどもありますが、これらもハーフミラーの一種です。
■ ハーフミラーの仕組み
ハーフミラーにさまざまなバリエーションがあることからもわかるように、作り方にもさまざまな方法があります。
ふつう鏡は、ガラスなどに金属の反射幕を付けることで作られています。この反射幕が非常によく外光を反射するので、鏡は光を反射したり、周りの景色を映すことができるわけです。
一般的なハーフミラーは、反射膜を作る際に蒸着などを行なうことで、ごくごく薄い膜を形成することで作ります。こうすることで、反射膜に光の透過性をもたせて、ある程度強い光が裏側から光った場合は、その光が表側に通るようになっているわけです。
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ハーフミラーは、鏡の反射膜に透過性を持たせることで、外光を反射し、内部の照明光を透過できるようにしている
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ハーフミラーの一般的な構造としては、鏡を作る際に使われる金属の反射膜を非常に薄く作る金属ハーフミラー、同じく反射層に2種類以上の物質できわめて薄く多層膜を積層させて作った誘電体ハーフミラーなどがあります。
誘電体ハーフミラーには、ある特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過させる性質があります。この性質から別名、ダイクロイックミラーと呼ばれることもあります。ダイクロイック(dichroic)とは、「2色性の」を意味する、主にガラス加工や光学分野などで使われる英単語です。
ダイクロイックミラーは、赤外線や紫外線を通さないガラス、あるいは自然光から特定の光を分けるプリズムのような機能をもった鏡、光学スプリッターなどに使われています。ほかにも、反射膜に液晶を利用したものも最近はあります。
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(大和 哲)
2007/01/30 12:23
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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