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第298回:マルチタスク とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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マルチタスクとは、もともとコンピュータなどの情報処理用語で、複数の処理を平行して行なうことを言います。英語で書くと「multi task」となります。一般的にはこの仕組みは、OSで実装される機能です。
コンピュータのCPUは、最近ではパーソナルレベルでもマルチプロセスに対応しているものがありますが、一般的には複数の処理を同時に行なうようにはできていません。OSレベルで作業の時分割を行ない、非常に短い時間に実行するプロセスを切り替えることで、複数のソフトが並行して実行できているように見えるのです。
たとえば、画像データの展開や音楽データの再生などは専用のハードウエアにまかせることでCPUの負荷を軽減したり、電力を節約しながら、マルチタスクを実現している場合もあります。
パソコンやサーバー用のOSであるWindows XPやMax OS X、携帯電話に使われている組込OSであるLinuxやSymbian OS、Windows Mobileなどは、いずれもマルチタスク機能をサポートしたOSです。
現在のコンピュータのOSでは、パーソナルコンピュータを含めて、マルチタスクのほかに、複数のユーザーが同時にコンピュータを利用できるマルチユーザー、そして1つの画面に複数の処理の結果を表示できるマルチウィンドウ機能を実現しているものが一般的です。
ただし、携帯電話などを含む、組込用途のOSなどではマルチタスクは実現しているもののシングルユーザー、あるいはシングルウィンドウというケースが多くあります。
■ 携帯電話のマルチタスク機能
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SO902iWP+の画面。マルチタスク対応で、上部アイコンで機能を切り替える
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携帯電話では、現在、多くの機種がマルチタスク機能に対応しています。たとえば、NTTドコモのFOMAの場合、最上位機種の903iシリーズから、廉価版のSIMPURE Lまで対応しています。また、ソフトバンクの場合もやはり「802N」など対応機種が存在します。
では、マルチタスクでは何が便利になるのでしょうか。携帯電話の場合、Webサイトを見ている途中で、マルチタスクボタンを押せば、メールを見たり書いたり、音楽の再生を行なったりできます。
Webサイト閲覧中のメール作成であれば、どちらもユーザーが行なう操作のため、同時に処理する必要はなく、メール作成中はブラウザ機能を完全に止める、というように実行するタスクを切り替えるようにしても問題なく、必ずしもマルチタスクである必要はありません。しかし、音楽を再生しながらWebサイトを見る、という場合は、スクロール操作などを行なう際、あるいは通信中に音楽再生を止めるわけにいきませんので、やはり同時進行する必要があり、そのためにはマルチタスクがOSレベルでサポートされていなければなりません。
ただし、OSがサポートされていれば、どんな作業でも同時に使える、というわけでありません。CPUやOSレベルでマルチタスクを実現していても同時に処理できない場合がありえます。たとえば、パナソニック製のFOMA端末の場合、iモードサイトの閲覧と、iアプリは同時に利用できないのです。
■ URL
NTTドコモ 機能別対応機種一覧
http://www.nttdocomo.co.jp/service/function/function_matrix/
(大和 哲)
2006/11/14 12:13
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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