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第296回:ZigBee とは
大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページは
こちら
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(イラスト : 高橋哲史)
ZigBeeは、オランダのPhilips Electronicsの登録商標で、「アルカリ単3電池2本で約2年駆動」という超低消費電力に加えて、低コストかつ簡単な操作を目指して、個人向けの無線ネットワークとして2001年から研究が進められてきた規格です。
ジャンルでいうとBluetoothやUWBなどと同じ、WPAN(Wireless Personal Area Network、パーソナル無線ネットワーク)という無線ネットワークになります。
無線LAN(IEEE802.11b/g)などと同じく、2.4GHz帯の電波を使用するほか、欧州では868MHz、米国内では915MHz帯の電波が使うことが可能です。
ZigBeeは、規格上、最大の伝送距離が30m、1つのネットワークに最大で255台の機器を接続できるなどの点ではBluetoothに近い性能を持っていますが、通信速度は250kbpsと、Bluetoothの1Mbpsと比べ、かなり低速なネットワークです。そのため、Bluetoothとは少々応用分野が違い、転送速度が遅くてもかまわない家電の遠隔制御など、ビル内や家庭内でのネットワーキングに主に応用されると考えられています。
なお、ZigBeeは、ネットワークの形(ネットワークトポロジー)として、スター構造や、ツリー構造、メッシュ構造などもサポートしているのも大きな特徴です。Bluetoothのように、単純に電波を使ったワイヤレスのケーブルと捕らえられるのではなく、機械同士が「コーディネータ」と呼ばれる機械を中心に、自律的にこのネットワークを確立させるというようなこともできます。
その名称は、ジグザクを意味する「Zig」と蜜蜂を意味する「Bee」を組み合わせた造語からつけられました。ZigBeeネットワーク内で複雑に配置された装置類が自律的に連携し、動作する様子が、ミツバチ同士が蜜を求めて情報交換する行動様式に似ていることから名付けられた、とされています。
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流派的には「HomeRFの規格」の系統
この規格は、米Honeywell、英Invensys、三菱電機、米Motorola、オランダのPhilips Electronicsなどが参加するZigBee Allianceという業界団体が推進しており、物理部分の規格はIEEE規格(IEEE 802.15.4)で定められています。
たとえば、どのようにパケットデータを機器同士がやりとりするかといった手順など、それ以外の部分に関しては、ZigBee Allianceによって標準化が進められています。また日本国内では、ZigBee SIGジャパンが推進団体となっています。
ZigBeeは、多くの部分が、IBMやインテルなどが中心となって普及を進めようとしていた「HomeRF」から派生した規格となっています。
たとえばZigBeeでのパケットデータを機器同士がやりとりする手順、つまり伝送プロトコルは、HomeRFのサブ規格である 、HomeRF Liteに酷似した仕様となっています。
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URL
Zigbee Aliance(英文)
http://www.zigbee.org/
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