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第38回:ローミングとは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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ローミングとは
ローミングという言葉は、携帯電話やインターネット、ネットワークなどの分野でよく使われる単語です。本来の通信を受け持っている組織や機械の範囲外にある組織(機械)を利用した通信や、そのような通信ができる機能を指します。
たとえば、携帯電話の場合は、通常、自分の携帯電話が契約をしているキャリアのサービスエリア内でしか着発信はできません。しかし、ローミングによって、契約キャリアのサービスエリア内でなくても、他の地域に行っても、携帯電話の着発信ができるのです。
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携帯電話の場合、ローミングによって、本来の対応エリアの外でも電話の発着信が可能となる。ローミングを利用するには事業者同士の契約と、事業者と利用者の契約、それに対応の機器が必要だ
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また、余談ですが、PCでダイアルアップでインターネット接続する場合、普通はインターネットプロバイダとの契約をしているはずです。が、外国などに行くと、このプロバイダのアクセスポイントがない場合があります。そのような場合には外国に、お使いのプロバイダとローミング利用する契約をしているインターネットプロバイダが存在していれば、他の国の他のプロバイダのアクセスポイントから、国内のプロバイダのIDを使ってインターネットにアクセスすることができます。
携帯電話の場合も、携帯電話事業者同士がお互いのエリアでのサービスを利用するための契約がされており、ユーザーは、自分の事業者とのローミング利用を含む契約(機材の仕様を含む)をすることで、他のエリアでのサービスを受けることができるようになっています。
携帯電話とローミング
携帯電話の場合、ローミングはいろいろな場面に使われています。
たとえば、携帯電話は日本国内でも地域によって同じグループの違う事業者会社が受け持っている場合があります。J-フォンだと、東京ではJ-フォン東日本が、静岡ではJ-フォン東海が受け持っています。この場合、東京でJ-フォン東日本と契約した携帯電話を静岡で使う場合には、J-フォン東海のローミングサービスを受けて電話の発着信をすることになります。
面白いのは、グループ内だけでなく、完全な他の会社とのローミングも存在する(した)ことです。たとえば、IDOで採用していたアナログ方式の携帯電話HICAPでは、IDOのサービスエリア内ではHICAPを、それ以外はNTTドコモのローミングで利用することができるようになっていました。これは、IDOのHICAPがNTTドコモのムーバと同じ方式を利用し、また、IDOとNTTドコモがローミングの契約をしていたのでできたわけです。
また、携帯電話でもインターネット同様に、日本以外の国や地域でもローミング使用することができる契約・機種もあります。たとえば、auのcdmaOneの「グローバルパスポート」対応機でグローバルパスポートの契約をすると、韓国(STI)、香港(ハチソンテレコム)、米国(ヴェライソンワイアレス)、オーストラリア(デルストラ)の各国(の事業者)のサービスエリアで、日本で使っているcdmaOne携帯電話をそのまま持っていって使うことができます。この場合、電話機のモードは国際ローミングモード切替をしなくてはなりませんが、電話は日本で使用している携帯電話の電話番号をそのまま使うことができます(電話料金などは日本の事業者から請求されます)。
ただし、現在のところ、このグローバルローミングは日本から外国への一方通行で、外国で使っている電話機を日本で使うことはできません。
なお、HICAPやcdmaOneの例をみるように、ローミングを利用するにはお互いの事業者の契約の他に、使用する電話機の通信方式が同じである必要があるのが普通ですが、中にはNTTドコモの国際ローミング・サービス「WORLD WALKER」のように、方式が違っていても、専用のGSM端末をユーザーにレンタルし海外ではそちらを利用することで対応したり、あるいは同サービスの韓国向け端末「P601wk」のように自エリア用のモード(PDCモード)と外国で使われている方式(この場合はcdmaOne)のデュアルモード専用端末を発売して、違う方式でもローミングを実現している事業者もあります。
また、他の携帯電話としては、海外で主流のGSM方式の携帯電話は多くの国でグローバルローミングに対応していますし、IMT-2000の規格も多くの国で、そのまま海外で携帯電話が使えることを目指して作られています。
(大和 哲)
2001/04/03 00:00
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