■ ドットiとは
ドットiは、PHS端末を使った、アステルグループのインターネットサービスです。インターネットへのアクセス、アステルの提供するEメール機能、ウェブメール、ホームページへのアクセスといった機能を使うことができます。
このサービスは現在、アステル東京など、いくつかのアステルグループの事業者で利用ができます(現在提供されていないエリアでも順次、ドットiサービスが導入される予定)。既サービス提供事業者ではこのドットiは標準サービス扱いとなっているため、対応端末さえ持っていれば、申し込みや追加料金などなしで利用することができます。
■ ドットiの特徴

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ドットi対応端末第1弾のJRC製「AJ-51」。ドットiは、パソコンで利用しているプロバイダーを介してインターネットに接続できる“オープンネットワーク対応”な点がいちばんの特長だ
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ドットiの特徴は、一言で言うなら「インターネットの特性を生かしたオープンな仕様のサービス」である、ということでしょう。
ドットi端末は標準でインターネットのさまざまな標準的なプロトコル(インターネットを利用するための手続き)に対応しています。具体的には例えば、電話線などを使ってコンピュータをネットワーク接続するためのPPP(Point to Point Protocol)や、インターネット上のメールサーバーからメールを取り出すためのPOP3(Post Office Protocol Version 3)などに対応しています。
つまり、簡単に言うと、ドットi端末では、インターネットへの接続はパソコンなどでアクセスしているプロバイダのアクセスポイントに直接ダイアルアップ接続ができ、また、メールに関しても、あるいは、アステルの用意したものでなくても、インターネット上の自分のプロバイダーのメールサーバーや、(インターネットからアクセス可能なら)会社や学校のメールサーバーのメールもドットi端末で簡単に見ることができるのです。
実際に、現在このサービスに対応している唯一の機種であるJRCのAJ-51では、接続先として最大3つのプロバイダーを設定することができます(また、アステルのインターネット接続サービスにオンライン・サインアップをする機能もあります)。料金は、(東京電話アステルの料金の場合)一般のプロバイダのアクセスポイントを利用すると通常のデータ通信料金が適用されます。東京電話インターネットなど「@6」に対応したプロバイダの場合、6円/分の通信料金でインターネットに接続することも可能です。
他の携帯電話のサービスでのインターネット上のメールサーバーに接続してメールを見られる機能があるものもありますが、ドットi(とNTTドコモの一部のPHS)以外のサービスでは、今のところ、どのサービスも通信事業者が設置したサーバー経由でインターネット上のサーバーにアクセスするようになっています。
インターネット関連の機能を、パソコンのダイアルアップ接続などで利用するインターネット機能と同様に、なるべくそのままの形でケータイに持ってきたのが、ドットiの特徴であるといっていいでしょう(ただし、携帯端末なので、対応しているWebコンテンツや送受信メールの容量などに制約がそれなりにあります)。
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ドットiではアステルPHS回線を利用してPPPで任意のコンピュータと接続できる。そのため、今まで利用しているプロバイダーなどからインターネットに接続してメールサーバーやWebサーバーにアクセスすることができる
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■ ドットiのメール関係の機能
ドットi対応端末ではPOP3を使って、プロバイダや会社などのメールサーバーへのアクセスもできますが、アステルから提供されるドットi専用のメールサービスも利用できます。こちらの機能は、メールが端末に着信しなかった場合、再送される機能も最近になって利用できるようになりました。
メールに関しては、現行のドットi端末は、1通あたり最大16KBまで端末にダウンロードできるようになっています。この機能は添付メールにも対応しており、メールに添付されたGIFおよびPNGの画像の閲覧も可能です。また、16KB以上のメールに関しては、ドットiのブラウザを使った「Webメール」を利用することで読むこともできます。
また、端末単体ではなく、データ通信アダプタを接続してパソコンでメールを読み書きする場合、「@phoneメールアクセス」でドットiメールをパソコンから送受信することもできます。
■ ドットi対応のホームページ
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ドットi設定画面。左がダイヤルアップ設定のメニュー。右の画面で普段パソコンで利用しているプロバイダーなどへの設定ができる
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ドットi端末では、ドットi対応のWebページを閲覧することもできます。
このドットi用ホームページはドットi用HTMLという独自の仕様のHTMLで書かれますが、この仕様はW3Cに提出されたCompact HTMLを元にしています。そのため、同様にCompact HTMLと仕様の近いiモード用HTMLで書かれた、iモード用のサイトの多くをドットiで利用することができます(ただし、iモード公式メニューは使えませんし、また、たとえば、端末の種類をサーバー側で確認している場合などで、まれにドットi端末には対応していないなどということもあります)。
また、iモード用のページを作ったことのある人ならば、共通の知識や、同じiモード用のページの作成ソフトなどを利用できるので、比較的簡単にドットi用のWebページも作ることができるでしょう。ドットi対応HTMLでは、たとえば「端末の現在の緯度経度を知ることのできる機能」「ドットi用メロディを演奏させたり、ダウンロードさせる機能」なども公開されていますので、これらの機能を使ったドットi専用のページも作ることもできます。
なお、勝手サイトではなく、公式のコンテンツサービスとしては、ドットiでは専用のメニューサイトが用意されており、40以上のサイトにアクセスできるようになっています。これらのメニューも通常のインターネットのWebコンテンツとなっているため、ドットi独自の位置情報機能やユーザー認証を行なわないサイトは、パソコンからでも利用が可能です。
【お詫びと訂正】
Compact HTMLは、会員6社より“Submission”という形でW3Cに提案されたもので、W3Cで定めた規格ではなく、「W3C標準」という記述は誤解を招くため訂正いたしました。訂正内容は以下の通りです。
W3C標準のCompact HTML → W3Cに提案されたCompact HTML
■ URL
アステル ドットiステーション
http://www.asteldoti.com/
(大和 哲)
2001/02/20 00:00
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