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第280回:SDHCカード とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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松下電器が7月15日に発売するSDHCカード
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いわゆるメモリカードには、SDカードやメモリースティックなど、いくつかの規格が存在しますが、それぞれの規格を作ったメーカーや、実際にメモリカードを製造しているメーカーなどが集まり、規格の標準化や、普及活動を行なう業界団体が構成されています。SDカードの場合は、「SDアソシエーション」という業界団体が活動しており、2006年にはSDカードの新規格を発表しました。
これは、「SDメモリカード規格 Ver2.00」と呼ばれています。この中で新たに定められたのが、“大容量”を意味する「High Capacity」という言葉を取り入れた「SDHCメモリカード(SDHCカード)」です。
従来のSDカードは、2GBまでの容量のメモリカードに関して規格が定められていましたが、SDHCでは2GBの壁を超えるさらに大容量なメモリカード、さらに高速なメモリカードの提供が可能になりました。現在、松下電器産業や東芝などがSDHCカードの発売を予定しています。
■ 2GBを超える大容量
SDHCカードの最大の特徴は、規格上、最大32GBまでのメモリカードを作れるようになったことです。
SD規格では、コントローラー経由でどのようにメモリをアクセスするか、という点だけでなく、メモリカードをどのようにフォーマットしなければならないかという点についても定めています。
これまでのSDカードでは、メモリアドレスの表現方法に32bit、メディアのフォーマットにはFAT12、またはFAT16という形式を使わねばなりませんでした。そのため、物理的には4GB、論理的には2GBまでしか利用することができず、当然、従来のSDカード/miniSDカード対応携帯電話などでも、2GBまでのメモリカードしか扱えなかったわけです。
SDHCでは、メモリアドレスが拡張され、フォーマットにはFAT32が利用できるようになり、より大容量のメモリカードが実現可能となっています。なお、SDHCカードは、当然ながらSDHC対応機器で利用できますが、SDカードのみに対応した商品では利用することができません。たとえば携帯電話でも、SDメモリカードのみに対応した携帯電話でSDHCメモリカードをフォーマットしたり、データを読み書きすることはできません。ただし、今後SDHCロゴが表示されている携帯電話が登場した場合はSDカードとSDHCカードの両方を利用できます。
■ 速度のカテゴリも
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lass2ロゴ。データ転送速度が2MB/s以上になることを示している
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SDHCカードは、これまでのSDカードと同様に、SD-AudioやSD-Video、SD-Bindingなどのアプリケーションに対応しています。ちなみにSD-Audioは、SDカードで音楽を楽しめるようにする機能、SD-Videoは映像データ用の機能、、SD-Bindingは、携帯電話で着うたなどのコンテンツに対して著作権管理するための機能です。
SDHCカードが定められた「SDメモリカード規格 Ver2.00」では、メモリカードの容量だけでなく、スピード(データ転送速度)に関しても新たな仕様が作られました。これは、SDスピードクラスと呼ばれ、それぞれのクラスで「連続したデータをメモリカードに送ったとき」の最低保証速度が決められており、上位のスピードクラスに対応したカードと上位のアプリケーションを組み合わせることで、より高品質なアプリケーションの利用が可能になります。たとえば、SD-Videoを活用する場合は、よりスムーズな動画の記録が可能になる、というわけです。
スピードクラスは、要求するアプリケーションによりの3つの性能区分が定められていて、
- Class2:最低保証速度2MB/s
- Class4:最低保証速度4MB/s
- Class6:最低保証速度6MB/s
となっており、それぞれ専用のロゴが付けられます。
たとえば「最大転送速度が5MB/s」で「Class2」というSDHCカードがあれば、それは、メモリカードに連続してデータを書き込んだときに最低でも2MB/s以上、一番早くメモリのデータを読み書きした場合には5MB/sの書き込み性能を持っている、ということになります。
■ URL
SD Card Association(英文)
http://www.sdcard.org/
(大和 哲)
2006/07/04 11:51
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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