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第277回:FOMAプラスエリア とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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2005年6月に登場したFOMA 901iSシリーズが初のFOMAプラスエリア対応機
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FOMAプラスエリアは、NTTドコモのFOMA901iS/902i/902iSシリーズ、700iS/701i/702iシリーズなどのFOMA端末で利用できる通話エリアです。このエリアでは基地局と端末とのやりとりに、これまでムーバ(PDC端末)で使われてきた、800MHz帯の電波を利用します。FOMAプラスエリア対応機種では、FOMAプラスエリアでは800MHz帯で、従来のFOMAエリアでは2GHz帯の電波で通信を行ないます。
周波数が異なるとは言え、FOMAプラスエリア内でも音声通話やテレビ電話、iモード、メールなど従来のFOMAエリアで利用できたサービスはすべて利用できます。
このプラスエリアは、これまでFOMAのエリアではなかった地域、特に山間部などで拡充されており、これまでFOMAのサービスエリアだった地域や都市部では展開されていません。都市部では、従来の2GHz帯による増設などは行なわれています。
たとえば関東地方であれば、千葉県房総半島の山間部、埼玉では飯能から秩父にかけての山あい、東京では青梅奥多摩以降の山間部などで、FOMAプラスエリアによる拡充が行なわれています。
このため、市町村の中心地(とされる役所付近)で携帯電話が使えるかどうかを示す「人口カバー率」にはほとんど影響がありませんが、FOMAプラスエリアは実際の面積での通話エリアの拡張に役立っています。前世代のサービスであるムーバでは、現在のFOMAよりもカバーエリアが広いという特徴がありましたが、FOMAの通話エリアをムーバに近づけるための方策が、このFOMAプラスエリアだと言えるでしょう。
■ 800MHz帯を使う理由
800MHz帯の性質を見ると、2GHz帯に比べて山間部のような地形に有利であることもFOMAプラスエリアで800MHz帯が使われている理由の1つです。
電波は、高い周波数帯であればあるほど、その性質は光に近づいていきます。つまり、高い周波数帯の電波では、直進性が高くなり、山などでは、地形に邪魔された場合「影」になり電波が届かない地域が出てきやすくなります。逆に周波数が低ければ、同じ出力で発信した場合、山に邪魔されても電波が回り込み、届くエリアが広くなることになります。このような電波の性質によって、2GHz帯よりも800MHz帯のほうが展開する基地局の数を低く抑えられるという効果が見込めることもあり、FOMAプラスエリアは先に山間部で広がることになったのです。
800MHz帯では、ドコモのムーバのほかにも、auの携帯電話や空港用の無線電話などで使われている周波数があります。FOMAプラスエリアで使っている周波数は、空港無線電話などと重複している部分があります。
FOMAプラスエリアでは、山間部に限った形でエリア拡張していますが、都市部で展開しない理由の1つは、他の通信方式と重複しているので都市部での電波妨害を発生させないようにするためと言えるでしょう。都市部でFOMAプラスエリアが利用できるようになるのは、他の通信方式が使っている周波数帯が変更される、あるいは廃止された後ということになります。
なお、NTTドコモの2006年夏モデルである902iSシリーズでは、新たに1.7GHz帯をサポートしています。ただし、ドコモでは1.7GHz帯について「東名阪と限られたエリアであるため」といった理由で、FOMAプラスエリアとは呼んでいません。
■ URL
NTTドコモ FOMAサービスエリア案内
http://www.nttdocomo.co.jp/support/area/
(大和 哲)
2006/06/13 13:49
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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