■ ニフティの、SD-Audioを使った音楽配信サービス
「MOOCS」は、インターネットサービスプロバイダーのニフティが2005年10月に開始した音楽配信サービスです。
MOOCSでは、有料(一部無料データもあり)で音楽データを配信しており、インターネット経由でパソコンから音楽データを購入できます。この音楽データはビットレートが128kbpsで、AACをベースにした独自形式となっており、パソコンにインストールした専用ソフト「MOOCS PLAYER」で再生が行なえます。
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パソコン用ソフト「MOOCS PLAYER」。このソフトを使って、MOOCSから音楽データが購入できるほか、SDカードやminiSDカードへの転送も可能だ
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同ソフトは、パナソニック製の楽曲管理ソフト「SD-Jukebox」をベースにしており、ダウンロードした楽曲を著作権保護付きのSD-Audioデータに変換して、SDカードやminiSDカードに転送することもできます。SDカードに転送した音楽は、パナソニック製の携帯音楽プレーヤーで楽しめるほか、SD-Audio対応の携帯電話でも再生が可能です。
SD-Audio対応の携帯電話としては、NTTドコモの「SH902i」「P902i」、auの「W32H」「W33SA」、ボーダフォンの「804SH」「703SHf」などが登場していますが、これらの機種のうち、MOOCSが「対応ケータイ」として案内しているのは、ドコモのSH902i、P902i、P901iS、P701iD、auのW32SA、W31SAIIです。また、auのW33SA、ボーダフォンの804SHも対応機種として、案内される予定となっています。
MOOCSの著作権保護機能としては、デジタルデータ著作権管理に東芝の「MQbic」と呼ばれる技術が使われ、SDカードへの書き込みに「CPRM」が利用されており、SDカードに転送したデータを他のメモリカードなどにコピーしても、利用できないようにしています。
MQbicは、「マルチキュービック」と読み、SDカードやDVDなど著作権保護機能対応のメディアを使って、著作権保護のデータを配信する仕組みで、電子コミック配信実験の仕組みなどとしても利用されています。
CPRMは、松下電器産業、東芝、インテル、IBMが設立した「4C Entity」がライセンスしている、記録可能メディアへのデータ記録に関する著作権保護技術の1つです。SDカード内に、MKB(Media Key Block)と呼ばれる鍵データ束を記録しておき、それと機器側に用意されているデバイスキーを利用して、書き込まれたデータの目的外の利用を防ぐ仕組みです。SDカードにはCPRMに対応する仕組みが備わっています。
■ 対応ケータイを使うのが手軽な手段
MOOCSで購入し、ダウンロードした音楽データは、どのSDカード/miniSDカードでも利用できますが、実際に転送するには、著作権保護機能に対応したリーダーライターが必要となります。ただし、パソコン向けのSDカードリーダーライターで、著作権保護機能に対応している製品は非常に少ないので、注意が必要です。
一方、携帯電話では、USBケーブルを介してパソコンと接続することで、MOOCS PLAYERからダイレクトに、携帯電話に挿入されたminiSDカードへ音楽データを転送できます。
auのW32SAの場合、miniSDカードを挿入して、付属のUSBケーブルでパソコンに接続すると、「マスストレージ」としてパソコンに認識され、miniSDカードの読み書きができるようになります。この状態でMOOCS PLAYER上の「START」ボタンをクリックすると、miniSDカードに音楽データを転送し、プレイリストをワンタッチで作成してくれます。これで携帯電話で音楽を持ち運んで聴くことができる、というわけです。
著作権保護のリーダーライターが少ない現状で、MOOCSを使うのであれば、上記の機能を持った携帯電話で楽しむのが手軽、と言えるでしょう。
■ URL
MOOCS
http://moocs.com/
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(大和 哲)
2006/01/11 14:37
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