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第251回:Web 2.0 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


先進ネットユーザー達の描く「ネットサービスのありかた」

 Web 2.0は、「次世代のWebはどのような形が主流となるのが望ましいか」という観点から考えられている、スペックやポリシーのことです。

 ただし、「これをもってWeb 2.0とする」というような定義がはっきり決められているわけではありません。先進的なインターネットユーザー達の間で形作られた、大まかな共通認識と言えるものです。

 米国O'Reilly Mediaの取締役Timothy F. O'Reilly氏のブログによれば、もともとWeb 2.0は、「O'Reilly MediaとMediaLive Internationalによるブレインストーミングが発祥」とされており、主にテクノロジーや、ポリシー、スタンスといった部分について議論されています。


現在の共通認識は「7つの原則」に

 現在、Web 2.0として、どんな考え方が主流になっているかについては、発言者の立場によってもさまざまな意見がありますが、多くの人が指示している考え方は、Tim O'Reilly氏がBlogで挙げている7つの「Web2.0の原則」に近い物でしょう。

 この原則は、主に「Web上のアプリケーション」が主にどうあるべきかを考えているようで、Googleをはじめとする「Web 2.0的な企業」のサービスが何に立脚しているか、という視点から考えられました。


  1. Webはプラットフォーム(The Web As Platform)
  2. 集合知を利用している (Harnessing Collective Intelligence)
  3. データが最重要であることを知っている (Data is the Next Intel Inside)
  4. 日々是改良が身上 (End of the Software Release Cycle)
  5. お手軽にプログラミングが可能 (Lightweight Programming Models)
  6. ソフトはいろいろな機械で使える (Software Above the Level of a Single Device)
  7. PCでできることをWebだからとあきらめない(Rich User Experiences)

 なお、「集合知」とは、多くのユーザーの知識を利用することで、具体例としてはオンライン百科事典の「Wikipedia」のように、誰でも記事を投稿し、編集することができるサービスが挙げられています。その証拠として「Wikipediaは世界のトップ100ウェブサイトに入っており、トップ10入りも時間の問題だ」とされています。


 このほかにも、さまざまな概念がWeb 2.0に関連して考えられています。

 たとえば一番有名なのは「ロングテール」という言葉でしょう。従来の商品販売やサービスでは「80:20の法則」と言われるように、上位20%の商品サービスが売上の80%を占めるほど、主力商品の売り上げというのは優勢なものでした。

 しかし、インターネット上では、検索によってニッチなニーズに応えられやすい商品、たとえばブログでの紹介などから口コミによって限定的な流行が発生しやすいことなどから、通常は売上が見込めない商品でも、主力と見なされる商品より売れるというケースが大いにあり得るわけです。

 そのため、インターネット書店や、音楽ダウンロードサービスでは、売り上げの相当部分が、一部のトップ商品を除いた、何万種類の「それほど売れない」商品のコンスタントな売れ行きに占められるという現象が起こりえます。

 この売り上げグラフを蛇に見立てると、長いしっぽのように、売り上げが上がることが示され、「ロングテール」現象と呼ばれるのです。こういった現象を引き合いに出した説明も行なわれています。


「夢」と「ビジネス」の食い違いが混乱を招く状況も

 Web2.0は、先進的なインターネットユーザー達の共通の夢といってもいいものですが、ビジネスモデルとして、「それで立ちゆくのか」「成功例だけを見て、それでうまくいくと言えるのか」といった批判もあります。「GoogleやAmazonは確かにWeb 2.0的企業としてうまくいっているが、それは寡占によるスケールメリットがあればこそ。多くの企業のビジネスモデルとして一般化できるわけではない」というような批判です。

 また、あいまいな概念であるのに、あたかも先進的な規格であるかのように思われている名称であるため、従来とさほど変わらないビジネスモデルでも「Web 2.0的サービス」をアピールするサービスもあり、「それらはWeb 2.0的でない」とする批判が出たりするなど、「実際の商売」を巡った混乱も起き始めています。

 Web 2.0の技術的な要素として、JavaScriptやXMLを駆使した「Ajax」や、RSSなどが挙げられることもあります。パソコンの世界と比べると、これらは携帯電話の世界では、まだ充分に活用されているとは言えないところです。その一方で、携帯向けRSSリーダーが登場したり、「Web 2.0的サービスを携帯向けに提供する」とする企業が登場するなど、携帯電話の世界でもWeb 2.0の波は押し寄せている、と言えそうです。



URL
  Timothy F. O'Reilly氏のブログエントリー「What Is Web 2.0」(英文)
  http://www.oreillynet.com/pub/a/oreilly/tim/news/2005/09/30/what-is-web-20.html


(大和 哲)
2005/11/22 18:53

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