■ Exif Print=Exif 2.2
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Exif Printのロゴマーク
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「Exif Print」は、Exif2.2という規格の愛称です。
そもそもExifは、画像データを記録するための規格で、現在のJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)によって定められました。画像イメージをメモリカード内にどのように格納するか、ファイルフォーマットなどが規定されています。
Exif規格が制定されるまで、デジタルカメラの画像ファイルのフォーマットは各メーカーや機種によって異なっており、互換性がありませんでした。撮影画像を他のカメラや機械に持っていって再生する、メモリカードなど1枚の記録メディアを複数のデジタルカメラで使いまわせるようにするといった用途を実現できるような規格を目指して作られたのがExif規格です。
1995年に策定された最初のバージョンでは、デジタルカメラ同士やパソコンで読み取るためだけの規格でしたが、その後は制定当時のVer.1.0から、サムネイルの仕様が追加された「Ver.2.0」、sRGB色空間などが追加された「Ver.2.1」へと姿を変えていきました。そしてプリンタでの再現性を高めるような規格が追加されたバージョンが、、2002年に制定されたExif2.2、すなわちExit Printです。
現在の最新バージョンとして、印刷業界などでよく使われるAdobe RGB色空間をサポートしたExif 2.21も制定されています。これも含めてExif2.2系統の規格をExif Printと呼ぶことが多いようです。
■ Exif情報を利用して、より忠実に写真のプリントアウトを
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11月下旬発売予定のCDMA 1X WIN端末「W32T」もExif Print対応だ
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デジタルカメラは、写真撮影をするとメモリカードに画像のイメージデータを記録します。しかし、写真撮影の際に、デジタルカメラが撮影環境などから得ている情報は、写真の映像として残した物が全てではありません。たとえば、光がどの程度当たっていたか、シャッタースピードをいくつで撮影したかといった情報も記録されているのです。
Exif規格では、デジタルカメラは、メモリカードに画像を記録する際、写真だけでなく、露光やシャッタースピード、撮影機種などの情報も画像データファイルの中に同時に埋め込みます。
Exif Printに対応したデジタルカメラ、デジタルビデオ、プリンタ、プリントサービスなどでは、撮影画像を印刷する際に、これらの情報を利用して「より忠実にデジカメ写真のプリントアウト」を行ないます。
実際の製品では、デジタルカメラやデジタルビデオ、プリンタ、そして、プリントサービスなどで、多くのメーカーの製品・サービスがExif規格に対応しています。デジタルカメラの場合、松下電器産業やキヤノン、オリンパスなど、プリンタでは、セイコーエプソンや日本ヒューレット・パッカードなど、プリントサービスでは富士写真フイルムなどがExif Print対応の製品やサービスを提供しています。
携帯電話では、NTTドコモの「N901iS」や「SH901iS」、auの「W32T」「W31CA」などがExif Printに対応しており、各機種のデジタルカメラ機能で撮影した画像ファイルには、Exif情報が記録されます。
同じくExif Print対応の「W31T」の場合は、カメラ設定で「標準」「あざやか」「あっさり」と3通りの色調調整ができるほか、暗い場所での撮影に適した「ナイトモード」「ナイトモード(ローノイズ)」、ピントを手元でも合うようにする「マクロモード」が設定できます。Exif情報には、このような各種モードのパラメータが撮影画像とともに記録されます。
もし、撮影データにExif情報がなかった場合、プリンタは、単純にメモリ内の画像をプリントアウトするか、補正できるとしても現在ある画像データから推測して補正をかけなくてはなりません。もし夜景写真をプリントしようとした場合、画像全体が黒っぽいため、プリンタは画像全体を白っぽく補正してしまうかもしれません。
Exif Print対応のプリンタで出力する場合、プリンタ側では、W31Tがナイトモードで撮影したことを理解できますので、暗く写らなくてはならないスペースの部分を黒く、明かりの部分だけをコントラストを上げて、撮影意図に忠実に補正して印刷することができるわけです。ただし、プリンタがどのようにパラメータを解釈するかによって出力が変わるので、プリンタごとにどのように再現するか個性が出てくることになるでしょう。
■ URL
Exif Print(カメラ映像機器工業会)
http://www.cipa.jp/exifprint/
(大和 哲)
2005/11/08 12:44
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