■ トランシーバーのように電話を使える「プッシュトーク」
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902iシリーズの新機能の1つが「プッシュトーク」
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プッシュトークボタンを押して話すことになる
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「プッシュトーク」は、NTTドコモがFOMA向けに始めた、PTT(Push-to-Talk、プッシュトゥトーク)の仕組みを使ったサービスです。同社の新機種FOMA 902iシリーズ全機種が、このサービスに対応しています。
プッシュトークは、従来の携帯電話での通話と同様に、人と人が声で「通話」するためのサービスですが、これまでの普通の携帯電話とは少し違った使い勝手になっています。
一般的な携帯電話の通話では、基本的に1対1の通話しかできませんが、プッシュトークでは、同時に複数の相手に自分の声を伝えることができます。携帯電話の画面上では、参加しているメンバーや、発言しているメンバーを確認することも可能です。
使い方としては、まず、通話したい相手を呼び出します。相手は、1人でもかまいませんし、複数の相手を「グループ」として呼び出すこともできます。相手がプッシュトークボタンを押して会話に参加したら、トランシーバーのように「push to talk」、つまり、携帯電話の「ボタンを押している間」に声を出すと、その声が参加者に伝わります。
ただし、ボタンを押している間は、その人の声が一方的に他の人たちに伝えるのみとなり、他の人たちは聞くだけとなります。また、ボタンを押し続けて話ができるのは最大30秒間なので、1人が発言権を握り続けるということにはなりません。
なお、回線はFOMA網を利用しているので、利用者は全国どこにいても、FOMAの圏内であれば通話に参加することができます。
「話しているときに通話相手の声を聞くことができる」ということが一般的な通話で、今回のプッシュトークとは使い勝手が異なりますが、複数同時通話が気軽にできるなど、使い方で利用者にメリットの大きいサービスであると言えるでしょう。
利用にあたって事前の申し込みは必要ありません。その場合は、1プッシュあたりの料金は5.25円と、これまでのFOMAでの通話料と比べると、「帰るコール」程度であれば従来の通話料よりも低額と言えるでしょう。
プッシュコールには、料金定額プランも用意されています。月額1,050円という定額プランの「カケ・ホーダイ」、そして最大20名まで参加可能な「プッシュトークプラス」というプランで、どちらも申し込みが必要です。
プッシュトークプラスは、法人利用などを想定したコースで、基本のプッシュトークの機能以外にも、最大1,000人・最大200グループまで、パソコン上からも登録できるネットワーク電話帳、「会議中」「移動中」といったユーザーの状況を表示する「プレゼンス機能」などといった、付加機能も用意されています。
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プッシュトーク利用の流れ。相手を選んで呼び出し、ボタンを押して話すという形になる
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1プッシュ5.25円の従量課金制に加えて、定額コースも
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■ 電話の着信は受けられるが、メールの着信は通話中はできない
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プッシュトークは、パケット通信を利用しており、途中で電話がかかってきた場合、どのように処理するか、端末側で設定できる
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これまでも携帯電話では、iモードやメールなど、パケット通信の仕組みを使ったサービスが追加されてきましたが、プッシュトークもパケット通信を利用したサービスです。VoIP、つまりインターネットでも使われている、パケット通信で声を相手に伝える技術を利用しています。
そのため、プッシュトークに参加している間は、iモードメールの送受信やiチャネルの更新をすることはできません。逆に、回線交換を使っている通常の音声通話は可能です。たとえば、プッシュトーク参加中に電話の着信があった場合、プッシュトークを中断して電話を受けることが可能です。
また、リアルタイム性を保証しないという、メールやiモードなどと同じ仕組みを使っているため、話し手側が実際に話してから相手に声が届くまで、利用状況によっては、約2秒ほど遅れて届くこともあります。これは通常の音声通話と違った点ですが、プッシュトークでは、通話中は自分の声、あるいは相手の声が一方的に伝わり、他の人が話すことはできませんので、実際にその場でお互いに顔が見えている状況でもない限り、実用上それに気づくことはないでしょう。
■ URL
プッシュトーク
http://www.nttdocomo.co.jp/service/pushtalk/
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(大和 哲)
2005/10/25 12:07
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