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第211回:UMTS とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ UMTSとは
主に、欧州を中心とした電気通信主管庁、通信事業者、製造メーカー、研究機関などのメンバーで構成された非営利団体「UMTS Forum」は、IMT-2000、つまり次世代移動体通信の普及と開発を目的とした団体です。本部はスイスのジュネーブにあります。UMTS Forumでは、次世代携帯電話に関する技術的な規格も策定しています。これが、「UMTS」と呼ばれる規格です。
UMTSは、「Universal Mobile Telecommunications System(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)」の略です。
UMTS規格は、内容的には、現在日本でもFOMAやボーダフォンの3Gケータイで使われている「W-CDMA」のほかに、欧州版TD-CDMAとも言われる「UMTS TDD」という規格を含んでいます。
UMTS TDDは、通信の上り下りを時間で分けているため、上下非対称の通信速度の設定にも柔軟に対応できるのが特徴で、ワイヤレスブロードバンド向けとして注目されています。国内でも、この方式を利用して、IPモバイルやイー・アクセスが実験を行ないました。
UMTS Forumは、他団体とも協力して活動しています。たとえば、世界の携帯電話の規格を標準化している3GPPとも協調を図りつつ、規格の制定を行ない、3GPPでの次世代標準にこのUMTS規格がそのまま取り入れられています。W-CDMAも、UMTS TDDもIMT-2000規格の1つになっています。
■ 3G、欧州では「UMTS」なのか?
UMTS Forumには、ETSI(European Telecommunications Standards Institute・欧州電気通信標準化委員会)なども参加している関係から、UMTSはETSI、つまり欧州での次世代携帯電話の標準規格としても採用されています。
欧州では3G携帯電話を意味する単語として「UMTS」という単語がよく使われます。いまだ日本ほどはサービスが進んでいないせいもありますが、たとえば日本で言う「FOMA」のようなサービスブランド名よりも、3Gを意味する言葉としてよく認識されているようです。
そのためか、UMTSという言葉が、「W-CDMA」という言葉の代わりに使われているケースも見られます。たとえば、日本国内でも使用可能なノキアの「Nokia 7600」という携帯電話は、欧州の携帯電話ショップで「UMTSの携帯電話」として販売されていることが多いのです。
逆に日本国内のメーカーでは、日本でよく使われているW-CDMA方式の携帯電話を「W-CDMAの携帯電話」、欧州などで売られているGSM/W-CDMAデュアルモードの携帯電話を「UMTSの携帯電話」として区別しているケースもあります。
■ URL
UMTS Forum(英文)
http://www.umts-forum.org/
(大和 哲)
2005/02/01 12:00
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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