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第210回:OpenGL ES とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


OpenGLの組込機器用サブセット

 「OpenGL」は、ロイヤリティーフリーな、2D/3Dグラフィック用APIです。SGIという米国企業がグラフィックワークステーション「IRIS」用に開発したものをベースに作られ、現在では、ワークステーション用、パソコン用など特にプロフェッショナルグラフィック分野でよく利用されています。

 コンピュータ上で動くプログラムには、OSやミドルウエア、アプリケーションソフトがありますが、OSは基本ソフトであり、アプリケーションソフトはゲームやワープロ、ブラウザなどユーザーが直接使うプログラムのことです。またミドルウェアは、OSとアプリケーションソフトの間に立つソフトウェアで、OSだけでは足りない、アプリケーションを作るために必要な機能を提供してくれます。

 APIは、アプリケーションがどのようにOSやミドルウェアを使うか決めた取り決めのことで、OpenGLを理解していれば、パソコンや、ワークステーションなどさまざま機械で、2D/3Dグラフィックを画面に表示させる際、同じ方法で描くことができます。

 「OpenGL ES」は、組込機器用のOpenGLです。“ES”は、組込機器を意味する「Embedded System」の略です。この規格は、業界団体のKhronos Groupが提唱しています。

 携帯電話やカーナビゲーションシステム、携帯ゲーム機などでは、パソコンやワークステーションに比べるとメモリの量やマシンパワーなどに制約があり、通常のOpenGLでは荷が重過ぎます。そこで、いくつか機能を削り取り、重要なものだけを抜粋したものがOpenGL ESなのです。ちなみに、通常のOpenGLのように本来の機能が全て揃っているものはフルセットと呼ばれ、必要な機能だけに削ったものをサブセットと呼びます。

 最新のバージョンは、OpenGL ES 1.1で、これはOpenGL 1.3のサブセットとなっています。また、近い将来OpenGL ES 2.0が公開される予定になっており、これはOpenGL 2.0のサブセットになる予定です。

 OpenGL ESは、OpenGLのサブセットですので、OpenGLでパソコンやワークステーション用のグラフィックアプリケーションを開発するときと同様に、開発する機材を共用したり、また、OpenGLの開発知識をOpenGL ESのアプリケーション開発に生かす、というようなことが可能になります。


実際の携帯電話では……

Nokia 6630のJava 3D環境。OpenGL ES、MIDP 2.0、JSR-184準拠のライブラリが搭載されており、これらを利用した3Dアプリケーションを作ることが可能
 OpenGL ESは、複数のOSに対応しており、実際に利用している機器が存在しています。たとえば、ノキアの「Nokia 6630」は、3DライブラリとしてこのOpenGL ESをサポートしており、Javaアプリケーションで3Dグラフィックスを利用することができます。これは、Nokia 6630では、OpenGL ESに対応したSymbian OS 8.0(Series 60 2nd edition)を搭載しているためです。同機種では、より簡単に3Dグラフィックを利用できるようにOpenGL ESだけでなく「JSR-184」と呼ばれるJava標準のモバイル機器用3Dグラフィックライブラリも利用できます。

 他にも、OpenGL ES準拠のライブラリは、各社から提供されています。ルネサス テクノロジからは、同社のアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile3」用のライブラリが提供されています。「SH-Mobile3」は、3Dグラフィックアクセラレータ「PowerVR MBX-Lite」を内蔵しており、OpenGL ESライブラリを使ったプログラムで、50万ポリゴン/秒以上(動作周波数54MHz)の性能を実現すると公表しています。



URL
  Khronos Group 「OpenGL ES」紹介ページ(英文)
  http://www.khronos.org/opengles/


(大和 哲)
2005/01/26 11:05

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