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第193回:JATE とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


電話・ケータイが「使える」ことを認定する財団法人

携帯電話に付された認定マークの一例。この機種も多くの携帯電話と同様、電池の下にこのマークを含むシールが付されている
 電話機や携帯電話は、さまざまなメーカーが製造し使われています。しかし、これは勝手に作ったものを電話線につなげて使ったり、電波を出して使うというわけではありません。多くの電話機や携帯電話が同じ電話線や周波数帯の電波を利用する以上、「他の電話や携帯電話に迷惑をかけない」、あるいは「交換機・基地局といった設備に悪影響をかけない」といったルールをお互いに守らないと、スムーズに使えないばかりか、野放図な利用は最悪システム自体を崩壊させてしまう恐れさえあります。

 そのため、これらの機械を使うには、まず守らなければならない技術基準などをクリアしていることを公的な機関に認証してもらわなければなりません。

 電気通信事業法や電波法などの法律や法令で、利用者は認定を受けていない端末機器は使用できない、と定められています(技術基準に適合確認されたと総務大臣へ届け出ている特定端末機器を利用する場合を除く)。

 つまり、市販されている携帯電話もこの認証を受けた後に発売されているわけです。

 電気通信事業法に基づいて日本国内で使用する端末機器の技術基準への適合認定業務を行なう機関としては、いくつかの公益法人や民間企業があります。その中でも代表格と言えるのが「JATE」です。

 JATEの正式名称は、「財団法人電気通信端末機器審査協会」と言います。英語ではJapan Approvals institute for Telecommunications Equipmentと呼ばれており、頭文字を取って「JATE(ジェイト)」と呼称されます。電気通信回線に接続する端末機器の技術基準への適合認定業務を手掛ける第三者機関として、昭和59年3月30日に当時の郵政大臣の許可を受けて設立されました。

 JATEでは現在以下の業務を行なっています。


・電気通信事業法に基づく技術基準適合認定
・電気通信事業法に基づく技術的条件適合認定
・端末機器の技術基準適合等審査の申請に必要な電気的特性等の測定
・基準認証に関する調査研究
・情報セキュリティマネジメントシステムその他の電気通信の安全性・信頼性に関する適合性評価及び審査登録に関する事業


 JATEの認定を受けた携帯電話には認定マークが付与されます。

 日本のユーザーが使っているほとんどの携帯電話・PHSにもこのマークが電池の裏などに添付されています。


認定機器一覧はWebサイトで公開

左が認定マーク。右が認定番号。なお、この機種は今年1月以前の認定機種のため、JATEの認証を示す記号が001ではなくJPになっている
 一般的には、メーカーから発売される携帯電話は、以下のような手順で認定手続きが行なわれます。

 まず、メーカーが携帯電話を製造し、JATEに認証の申し込みを行ないます。その際には携帯電話の説明書や、外観図、接続系統ブロック図のほかに、もしメーカー内で一定の試験が行なわれている場合は試験報告書をあわせて提出し、試験していない場合には端末機器を提出します。

 その後JATE内で、設計の審査、試験、またメーカーでの試験方法が審査されます。これで晴れて認証が通ると、メーカーには、認証番号などが通知されます。メーカーは、認証マークとともに認証番号を電話機に表示し、そして出荷、販売できるようになります。

 この、認定機器の一覧はJATEのWebサイトにも掲載されます。こちらのページは、各月に認定された機器の一覧となっており、申請者名(メーカー名)、機器名称、認定年月日、認定番号が記載されています。

 ちなみに認定番号は、2004年1月26日以降に認定されたものは、携帯電話の場合「A04-XXXX001」という番号になっています。“A”は電話用設備に接続される端末機器を現し、その後の“04”は2004年の認証であることを、その後の“XXXX”には4桁の数字が割り当てられ、認証された機器の通し番号を示します。最後の“001”は、JATEが認証した機器であることを示しています。

 なお、端末機器種類を示す“A”は、固定電話の電話機やFAXなども含むので、このパターンの番号を与えられた機器が携帯電話であるとは限りません。

 なお、メーカーがJATEから認定を受けてから、発売を開始するまではタイムラグがあることもあり、掲載された当時にはまだ発売にされていない機種もあります。過去に本誌でも「『iモードFeliCa』、3メーカーの対応端末がJATE認定済に」という記事が掲載されましたが、「未発売の機種がJATE認定された」ということがニュースとして伝えられる場合もあります。



URL
  JATE
  http://www.jate.or.jp/

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(大和 哲)
2004/09/01 12:16

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