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第182回:PictBridge とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ デジカメとプリンタをつなぐ規格

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「PictBridge」のロゴ
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PictBridge(ピクトブリッジ)は、カメラ機器工業会(CIPA)が定めた、デジタルカメラとプリンタを接続するための規格です。
この規格に対応していれば、デジタルカメラ機能を持つ機械(デジカメ機能を持つデジタルビデオ含む)とプリンタは、それぞれメーカーを問わずに、直接接続することができ、パソコンなどを使わずにそのまま印刷することが可能になります。
最近発売されている多くのデジタルカメラやデジタルカメラ機能を搭載したデジタルビデオカメラ、それに家庭用プリンタがこの規格に対応しており、事実上の業界標準規格と言えます。
これまでは、キヤノン、セイコーエプソンといったメーカーから独自規格ですでにデジタルカメラからプリンタへのダイレクトプリンタをサポートしたプリンタもありましたが、これらは、利用できるデジタルカメラとプリンタの組み合わせが限定されてしまっていました。現在は両社とも「PictBridge」に対応し、これまでの独自規格と互換性を保っているプリンタも販売しています。
携帯電話では、auの「A5505SA」とボーダフォンの「V401SA」が「PictBridge」に対応しています。この2機種であれば、「PictBridge」対応プリンタにケーブルで接続し、カメラで撮影した画像を直接印刷できます。
なお「PictBridge」に関しては、前述したようにCIPAがこの規格を標準化していますが、カメラ付き携帯電話とのプリントインターフェイスについては、共同で普及・推進を行なうコンソーシアム「MIPC(Mobile Imaging and Printing Consortium)」がガイドラインを策定する予定になっています。MIPCは、キヤノン、ヒューレット・パッカード、セイコーエプソンが中心となり、
(1)ワイヤレス(無線):Bluetooth
(2)ワイヤード(有線):PictBridge
(3)記憶媒体:メモリカード
と既存の技術を使った、カメラ付き携帯電話とプリンタのインターフェイスに関するガイドラインを提案する予定になっています。
■ PictBridgeの特徴

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auの「A5505SA」はPictBridgeに対応している
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PictBridgeの特徴は、
・デジタルカメラを直接、プリンタに接続できる
・デジタルカメラのモニターを使って、印刷したい写真の設定などが簡単にできる
・多くのデジタルカメラ搭載機、多くのプリンタで互換がある
といったことが挙げられます。
デジタルカメラとプリンタ間のインターフェイスはUSBそのもので、プリンタがUSBのホスト、そしてカメラがUSBデバイスとして動きます。ちなみに、パソコンでUSB機器を利用する場合は、パソコン側がUSBホスト、周辺機器がUSBデバイスとなります。直接プリンタとデジタルカメラが接続されるPictBridgeは、従来パソコンが行なっていたホストの役割をプリンタが果たすわけです。
PictBridgeにはさまざまな機能が定義されています。たとえば、
・デジタルカメラのモニターで表示している画像をプリント
・デジタルカメラのモニターで選択された複数の画像のプリント
・DPOF指定された画像の自動プリント
・全画像のインデックスプリント
・全画像のプリント
さらには、より便利なプリント設定機能を指定したプリントができる、
・切り抜き指定した画像部分のプリント
・同一画像の複数枚プリント
・日付を付加したプリント
・画像サイズを指定したプリント
といったことも定義されています。
また、デジタルカメラの画面には、
・接続の確立
・プリンタのエラー
・プリントの進行状況
・プリントの終了
・ケーブルを安全に取り外しできる時期
というような、プリンタに関するステータス情報の表示もできるようになっています。
このように盛りだくさんな機能がPictBridgeでは定義されていますが、そのうち、どの機能をプリンタ、デジタルカメラに実装する(動くように機能の中身を作る)かは最低限の部分を除いてはそれぞれのメーカーにまかされています。そのため、対応する機能がデジタルカメラ、プリンタそれぞれに実装されていないこともあり、その場合は使うことができません。
機種に関わらず、必ず使える「PictBridgeの必須機能」としては以下のものがあります。
・ケーブルを使っての接続:USBケーブルでプリンタとダイレクトに接続できる
・一画像印刷:デジタルカメラの液晶モニタに表示されている画像を、ボタン操作で印刷することができる
・エラー表示:印刷作業中にプリンタにエラーが発生した場合、デジタルカメラの液晶モニタにエラー表示をする
ちなみに、「A5505SA」の場合、印刷は、モニター表示の1枚プリント、DPOF指定プリント、インデックスプリントのほか、レイアウトをプリンタ側で指定してのプリント機能を使うことができます。
■ URL
PictBridge 公式サイト
http://www.cipa.jp/pictbridge/
カメラ映像機器工業会
http://www.cipa.jp/
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・ FMラジオチューナー搭載のスライドスタイル端末「V401SA」
(大和 哲)
2004/06/08 12:52
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