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第136回:指紋認証 とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ F505iの「指紋認証機能」
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F505i
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指紋認証とは、機械が人間の指の指紋を読み取って認証を行なう機能のことです。携帯電話では近日発売されるNTTドコモの「F505i」、PDAでは日本ヒューレット・パッカードの「h5450」などに搭載されています。
認証とは、ユーザーが「機能を使うことが許された本人」であることを確認することです。たとえば携帯電話のなかにも、有料メニューの登録などで、本当に利用するかどうか、暗証番号を入力する場面があります。これは「暗証番号による認証」を行なっているわけです。
指紋認証の実際の使われ方としては、F505iの場合、携帯電話内に保存されている着信メールや、電話帳、スケジュールを見るために暗証番号の代わりにこの指紋認証を使えます。F504i/iSなどでは、隠しフォルダを作って特定の人の電話番号やメールアドレス、メールの着信は持ち主が暗証番号を入力しないと見られない「プライバシー機能」がありましたが、指紋認証はさらにそれを確実にするためのものであると言っていいでしょう。
ちなみに、「認証」という行為は、携帯電話以外の世間一般でもいろいろな場所で行なわれています。たとえば、銀行のATMなどでカードと暗証番号を入力すると、お金を下ろしたりといった操作ができるようになります。これがATMの認証機能です。ATMが、操作している人をカードの持ち主でかつ暗証番号を知っているならば、その口座の持ち主本人であるとみなして口座の操作を許可しているわけですね。携帯電話に限らず、機械での認証は、その手軽さから暗証番号やIDカードを使ったものが一般的です。
■ より確実な生体認証のひとつ
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日本HP「h5450」
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「認証」が確実でないと、他の人間が、本来のユーザーになりすまして、機能を悪用されかねません。しかし、一般的に使われている暗証やIDカードでの暗証はそれが本当に「本人」であると本当に確実に断定できるものでしょうか。たとえば、暗証を偶然他の誰かに知られた(盗み見られた、誕生日にしていたなど簡単に推測できてしまうものにしていたなど)、IDカードを盗まれた、コピーされたというような場合も考えられるわけです。
そこで考え出されたのが「生体認証」という考え方です。これは、人間が生来持っていて、それぞれ体や行動が異なるという特徴を利用して認証を行なうものです。人間の体ならば盗まれる、コピーされるというような可能性は低くなるからです。
現在、いろいろな生体認証の方法が研究されていますが、実用化されているものとしては、指紋認証のほかに、目の中の虹彩や網膜のパターンをカメラで撮ってその特徴から判断する、特定の言葉(たとえば「ひらけごま」など)を発音させてその特徴から判断する、というようなものがあります。
生体認証の確実性ですが、たとえば、指紋認証の場合、一般的に販売されている割合安価な機械でも、本人を拒否してしまう「本人拒否率」が1%以下(つまり、本人の指紋を使って認証を行なっても拒否されてしまう割合が100回に1回以下)、他の人の指紋を使っても受け入れてしまう「他人受理率」が0.01%以下程度という非常に高い確度で本人を特定できるレベルで実用化されているようです。
現在実用化されている主な生体認証
認証方法 |
認証に使う要素 |
指紋 |
指紋の形状の特徴(分岐・端点)を利用する |
網膜 |
眼の奥にある「網膜」の形状の特徴を利用する |
静脈 |
手の甲、手のひらの静脈の特徴を利用する |
音声 |
声の波形、速度などの特徴を利用する |
顔 |
顔の特徴(形、目鼻立ち)などを利用する |
■ 指紋認証のいろいろ
現在、携帯電話用の指紋認証デバイスはいくつか開発されていますが、その方式は「光学式」「半導体式」が主流となっています。
光学式のものとしては、カシオ、アルプス電気が開発している指紋認証デバイスがあります。これはローラー上で指を転がすと内部のイメージセンサーが指紋の形を読み取って画像化します。
F505iでの指紋認証では半導体式のものを利用しているようです。この指紋センサーは、表面の保護膜の内部に電極があり、電荷の変化によって、指紋の凹凸を検知します。
いずれの方式でも、これらによって、指紋を読み取ったあとで、その特徴的な部分の個数や向きで本人であるかを確認します。たとえば、指紋には、ぐるぐると線が渦巻いていますが、その中でも線が切れる部分、分かれている部分、2股に別れている部分があります。こういった特徴を捕らえて誰の指紋であるかを特徴付けているわけです。指紋の紋様(形)自体は似た人はいますが、このような点は個人によって、たとえ、親子や双子でも違ってくる(たとえクローン人間を作ったとしてもこのような点は違ってくると言われています)ので、確実に認証を行なうことができるのです。
■ URL
F505i 製品情報(NTTドコモ)
http://505i.nttdocomo.co.jp/product/f505i_top.html
h5450 製品情報(日本ヒューレット・パッカード)
http://www1.jpn.hp.com/products/handhelds/pocketpc/h5400/feature.html
■ 関連記事
・ 指紋認証機能搭載のPocket PC 日本ヒューレット・パッカード「iPAQ h5450」
・ ドコモ、505iシリーズ6機種を公開
・ カシオ、アルプス電気と提携し回転式の指紋認証デバイス開発
(大和 哲)
2003/06/11 12:45
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