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第123回:SPOT とは
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![大和 哲](/cda/static/image/2000/04/01/yamato.gif) |
大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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「SPOT」は、マイクロソフトが中心になって開発している「身の回りの日常的なデバイスを“よりスマートにする”」新しいテクノロジーの名称で“Smart Personal Object Technology”の略です。
2002年秋に米ラスベガスで開かれた展示会「COMDEX/Fall 2002」でこのコンセプトが発表されたのですが、内容としては簡単に概要が紹介されただけでした。
1月9日~12日まで、同じくラスベガスで開催された展示会「2003 International CES(CES)」ではこのコンセプトに基づいたデバイスなどが展示され、より具体的なコンセプトが明らかになってきました。
身近な小物までもがインテリジェントに
![](/cda/static/image/2003/01/14/spot01.jpg)
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シチズンが発表した「SPOT」対応腕時計の1つ
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「SPOT」は日常使われるさまざまな物に、マイクロコンピュータとOSを組み込んでネットワークからの情報を受信することで、個人に合った情報を受け取って利用できるツールにするという技術です。
現在では、携帯電話のようにいろいろな情報を受け取れる機器が存在していますが、値段からいえば、ある程度高価となり、また情報取得の際にパケット代などでさらにコストがかかります。SPOTが搭載されるデバイスは、もっと安価で身の回りにあるもの、たとえば時計やキーホルダー、ペン、果ては冷蔵庫につけるマグネットのようなものにまでコンピュータを組み込んで便利にしようという点で異なります。そのため、製品の価格が30~100ドル程度のものに搭載されることを目標にしているようです。
ハードウエアの面を見ると、SPOT対応機器には、マイクロコンピュータや液晶パネル、アンテナが搭載され、米国とカナダでは、FM多重波放送によるSPOT向け配信情報を受け取って活用します。そのため、情報を送信する側もこれまでの放送局の設備をそのまま使えるので、新たな設備投資などが必要ありません。
なお、FM放送を使うというコンセプトのためか、基本的に米国、カナダでのみ使われていることが想定されているようで、日本での発売は検討されていないようです。
SPOT対応機器の具体的な利用法としては、たとえばSPOT対応腕時計の場合、FM多重波放送で流される天気情報、渋滞情報、インスタントメッセージといったさまざまなデータを取り出して使うことができます。そのため、電源を入れたその瞬間から、自分で時間を合わせると正確な時刻表示が可能になったり、天気予報や渋滞情報などを表示させたりすることができます。
さらに面白いのは、SPOT対応機器では、受け取った情報をどのように使うのか、ユーザーがカスタマイズできることです。たとえば、翌日に飛行機で出張する予定があり、空港まで行きたいとしましょう。SPOT対応腕時計を設定しておけば、当日の朝に空港までの道路が渋滞している、という情報をキャッチするとその情報が表示され、ちょっと早めに出たほうがいいよ、ということがスムーズにユーザーへ伝わるようになります。
ちなみに、このデバイスのカスタマイズ設定などはデスクトップパソコンで行ない、さらにFM放送を利用して時計に送信するというコンセプトになっています。
チップはNS、デバイスは3社から
![](/cda/static/image/2003/01/14/spot02s.jpg)
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ナショナルセミコンダクターとマイクロソフトが開発したチップセット
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「SPOT」に利用されるOSは、マイクロソフト製で、携帯電話向けOS「Windows Powered Smartphone」などと同様に、組込オブジェクトテクノロジーを応用したものです。
カーネルサイズにして32KB程度と、従来のOSと比べると非常に小さなものになっています。ただし、実行環境によって組み込まれるオブジェクトが変わる、つまりOS全体のサイズはまちまち、ということになるのでしょうが……。
また、実際に製品に載せるハードウエアとしては、半導体メーカーのナショナルセミコンダクター社とマイクロソフトが、チップセットを共同開発すると発表されています。
SPOT対応のデバイスとしては、最初は腕時計が発売になるようです。先述のCESでは、FOSSIL、SUUNTO、さらにシチズンが製造を行なうと発表がありました。シチズンの試作機に関しては、ケータイWatchでも「シチズン、情報配信サービス『SPOT』対応の腕時計開発」という記事で紹介されています。
・ マイクロソフト プレスリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/features/2003/jan03/01-09SPOTWatches.asp
・ シチズン プレスリリース
http://www.citizen.co.jp/release/03/030109ww.htm
・ ナショナルセミコンダクター プレスリリース
http://www.national.com/JPN/news/item/0,3015,370,00.html
・ “SPOT”の概要が明らかに~ビル・ゲイツ氏基調講演レポート(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0110/ces02.htm
・ シチズン、情報配信サービス「SPOT」対応の腕時計開発
(大和 哲)
2003/01/14 14:14
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