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第121回:DPS とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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デジタルカメラとプリンタを接続、PCを介さずにプリント
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キヤノン製カラープリンタ「BJ-895PD」。“ダイレクトフォトプリンティング機能”により同社製デジタルカメラと直接接続による印刷が可能
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「DPS」はデジタルカメラとプリンタをダイレクトに接続するための規格です。この規格に準拠したデジタルカメラ、プリンタであれば間にパソコンを介さずにUSBケーブル1本で直接プリントアウトができるようになります。
また同時に、各メーカーごとの互換性もきちんと取れるようになることも大きな特長のひとつです。「DPS」に準拠したものであれば、例えばA社のデジタルカメラとB社、C社のプリンタで、またB社のカメラとA社、C社のプリンタで印刷ができる、というようにカメラとプリンタをユーザーの好きな組み合わせで選ぶことができるようになります。
現在でも、直接デジタルカメラをプリンタにつないでプリントできる製品はいくつか市販されています。しかし、接続できるプリンタとカメラとの組み合わせもかなり限定されているのが実情です。
たとえばキヤノン製カラープリンタ「BJ-895PD」の“ダイレクトフォトプリンティング機能”や、セイコーエプソン製カラープリンタ「PM-860PT」の“USB DIRECT-PRINT機能”のように、デジタルカメラとケーブルを使って直接カメラからプリンタに印刷できる機能がありますが、たとえばBJ-895PDの場合は、キヤノン製デジタルカメラであるPowerShot S45/S40/S30/G3/G2/G2BlackやIXY DIGITAL 320/300a/200aのみの対応であり、PM-860PTの場合も三洋電機製デジタルカメラ「DSC-AZ3」、ペンタックス製デジタルカメラ「Optio330GS」、それに松下電器産業製デジタルカメラ「DMC-FZ1/DMC-F1」のみが対応という具合になっています。
DSPは、キヤノン、富士フイルム、ヒューレット・パッカード、オリンパス、セイコーエプソン、ソニーとプリンタメーカー・デジタルカメラメーカーの6社が賛同していることもあり、実際に対応した製品が普及すれば、多くのデジタルカメラとプリンタの組みあわせで画像のプリントアウトが気軽に行なえるようになることでしょう。
この規格は2002年の12月に策定が発表され、現在、V0.9規格がインターネット上で公開され情報公開と意見の受付が行なわれています。この意見などが反映されて、2003年2月に一旦正式な規格として「DPS Version 1.0」が制定され、2003年6月頃には具体的な認証内容などが制定される予定になっています。
時期はまだ定かではありませんが、DPSに準拠したデジタルカメラやプリンタにはロゴが添付されて、発売されることになるはずです。なお、この記事は、DPS規格のVer0.9のWhite Paperなどを元に解説しており、受け付けた意見を反映したVersion 1.0では内容が変更されている可能性があります。
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デジタルカメラとプリンタを直接接続して、印刷可能に
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デジカメのモニタで、欲しい画像をすぐにプリント
このDPSには、パソコンとプリンタをケーブルで直接接続する、各メーカー製品でもDPSロゴがあれば互換性が保たれている、という他にも以下のような特徴があります。
・デジタルカメラのモニターを使って見た画像をすぐプリントできる
・ユーザーの簡単な操作で、プリントを実現できる
・将来の拡張性が保たれている
実際の使い方としては、デジタルカメラとプリンタをUSBケーブルでつなぎ、デジタルカメラ側でプリントメニューを選ぶとプリンタから指定した画像が印刷される、というようなものになるはずです。
また、プリントの仕方としては、選んだ1枚の画像だけでなく、複数を一度にプリントしたり、デジタルカメラ内の全画像をインデックスプリントしたり、あるいは画像の一部を切り抜いてプリント、日時付きプリントというような加工もできるようになります。また、デジタルカメラ側からプリンタのエラーやプリントの進行状況なども表示できるようになるようです。
ただし、「DPS」では、デジタルカメラとプリンタでどのような機能を実現するかは決められていますが、たとえばデジタルカメラ側でどのようにそのためのメニューを出すかというような部分までは決まっていません。そのため、同じ機能を使う場合でも、カメラによってその操作方法が違ってくる、メニューの操作感覚が違うというようなことはありそうです。
また、キヤノンやセイコーエプソンも「DPS」のプロモーター企業の6社に入っているわけですが、それぞれのダイレクトフォトプリンティング機能やUSB DIRECT-PRINT機能といったデジタルカメラから直接プリントする機能はDPSとともにサポートされる、としていますので、これらの機能も各機種の特長として残ることになるでしょう。
V1.0ではUSB接続だが、将来は……
来年制定される予定のDPS Version1.0では、デジタルカメラとプリンタの間をUSBケーブルで接続して利用します。この場合、プリンタがUSBのホスト、デジタルカメラがUSBのクライアントという関係になります。普通、パソコンで使われているUSBではパソコンがホスト、その他の周辺機器がクライアント、という形になりますから、「DSP」ではプリンタがパソコンの代わりの役割を果たすと考えていいでしょう。
ただし、Version 1.0ではこのようになっていますが、将来的にはたとえば、BluetoothやIrDAに対応したDPSというようなものが出てくる可能性もあります。
DPSで決めているのは、実際にはカメラとプリンタをケーブルでつないだときの挙動であり、たとえば、「プリントする」という決定はデジタルカメラ側から指示すること、印刷するデータはプリンタからデジタルカメラ内のメモリを読むように動くことというような“取り決め”の部分であって、特定のインターフェイスや、どんなケーブルを使って接続するのかということには、依存していない規格として作られる予定になっているからです。
ちなみに、USBコネクタやケーブル、また、データの転送速度や、電源を何ボルト何アンペアまで供給できるか、というようなUSBの規格もパソコンで利用しているUSBと全く同じです。
DSPは、あくまでデジタルカメラのような画像入力デバイスとプリンタのような画像出力デバイスが物理的に繋がってデータがやりとりできる準備ができているという前提で、データのやりとりの方法を決めているだけなので、実際にどのようにつなぐかという部分に全く手を加えるものではないのです。よって、ケーブルなどもこのDPS用のものではなく、既に販売されているUSBケーブルそのものを使うことになります。
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将来はBluetooth接続も……?
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・ DPS
http://www.camera-direct.info/
(大和 哲)
2002/12/24 13:05
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