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第110回:CIF とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


352×288ピクセルの動画データフォーマット

NTTドコモ「P751v」
 CIFとは、Common Intermediate Format(共通の中間フォーマットの意味)の略で、「ITU H.261」という映像圧縮符号化規格で定められた、世界共通のビデオデータ向けフォーマットです。これに従うと画面の解像度は352×288ピクセル、1秒間に最大30フレームまでの動画データを作ることができます。静止画でも「352×288ピクセル」という解像度のものをCIF、CIF相当解像度ということもあるようです。

 読みとしてはCIFは「しふ」と読まれることが多いようですが、同様に、MPEGなどで利用されるSIF(Source Input Format/360(352)×240ピクセル)もあるので混同されないように注意したほうがいいでしょう。

 また、「ITU H.261」をはじめとするH.26x規格では、さまざまな動画フォーマットが決められています、CIFはその中でも基準となるフォーマットで、CIFから派生したものもあります。たとえば、画像の解像度の縦が半分、横が半分にされたもの、つまり1/4のクオーターサイズにしたQCIF(Quarter CIF・クオーターCIF)というフォーマットもあります。

 最近は携帯電話・PHSにもカメラ機能を搭載して撮影ができるものが多くなっているためか、カタログなどに表記されている仕様ではCIF、QCIFと記されていることがよくあります。最近では、8月に発売され、11万画素CMOSカメラを内蔵し、テレビ電話も可能なNTTドコモのM-stage visual対応PHSビジュアルホン「P751v」が発売になっています。ケータイ新製品SHOW CASEを見ると、

【カメラ(静止画)】
撮影可能フォーマット JPEG
撮影可能解像度 ・CIF:352×288ドット(10~30KB)
・QCIF:176ドット×144ドット(4~10KB)

【カメラ(動画) 】
撮影可能フォーマット ASF
撮影可能画質 ・QCIF:176×144ドット
スーパーファイン(約35秒)、ファイン(約45秒)、ノーマル(約60秒)


 というように撮影可能な解像度、画質としてCIF、QCIFが採用されています。

 また、動画の記録や再生できない機種でも、液晶画面の解像度や、撮影できる静止画サイズとしてCIF、QCIFと書かれている場合もあります。これは携帯電話に採用されている液晶ディスプレイや、CMOSイメージセンサーやCCDセンサーなどのカメラがCIFに対応しているなどの理由によって利用されているようで、この場合は単純に解像度がCIF相当だと思ったほうがいいでしょう。

 どちらのCIFであるかを明確に述べるために、動画データのフォーマット場合では「CIFフォーマット」、静止画でCIF相当の解像度では「CIF(相当)解像度」などのように書かれていることもあります。


CIFおよびQCIFの原寸大イメージ

CIFの由来

 このCIFというフォーマットは、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector:国際電気通信連合電気通信標準化部門)という機関で標準化された「H.261」という規格で決められているわけですが、「ITU H.261」は映像圧縮符号化の規格でテレビ会議システム(H.320、H.323)で利用されます。

 テレビ会議のようにお互いに動画像をやり取りする場合、送信側が受信側の受像機にあった画像データを送らなければ、受信側は表示することができません。ところが、世界のテレビジョン方式ではいくつか違う方法があって、国によって違う方式の映像フォーマットが使われています。日本や米国などでは「NTSC」という方式が使用されていますが、欧州などでは「PAL」、ロシアなどでは「SECAM」という方式が利用されています。これらはそれぞれ解像度や1秒あたりの表示フレーム数が違います。テレビ会議は遠く離れた場所でも利用できることにそのメリットがあるのですから、遠くはなれた場所ではフォーマットが違う、というのでは意味がありません。

 そこで、これらの末端はそれまでのシステムをそのまま使うとして、データをやりとりする中間の部分では共通のフォーマットでデータをやりとりして、それを変換して使うことで、世界のどの国からでもテレビ会議ができるようにしようという動きがありました。そこで、ITU-Tで1990年に「H.261」が勧告され、データフォーマットとしてCIFが決められました。CIF(Common Intermediate Format:共通の中間フォーマット)に「共通」という文字が入っているのにはこのような意味があるのです。

 ちなみに、「H.261」で定められたCIFですが、画像解像度は352×288ピクセル、それぞれのピクセルに対して輝度信号(Y)が設定されますが、色差信号(Cb、Cr)は縦が2ピクセル、横が2ピクセル単位で設定されていて、Y、Cb、Crが分離して符号化されます。これは人間の目が、明るさには敏感に反応し、多少の色の違いはわからないという性質を利用して、自然な画像に見えながら、データ量を減らすことができるのです。


・ ケータイ新製品SHOW CASE NTTドコモ P751v(シャンパンゴールド)
  http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/showcase_top/0,,10551,00.html


(大和 哲)
2002/10/01 11:06

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