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KDDIの「povo」「UQ」「au」新プラン、どれを選ぶべき? 選び方と注意点まとめ

 1月13日に発表されたKDDIの新料金プラン。他社への対抗プランとして、20GBの安価なプラン「povo」に加え、auブランドでは無制限プランの値下げ、さらにサブブランドのUQ mobileも値下げも発表された。

 auやUQ mobileのユーザーはもちろんのこと、他社ユーザーにも今回の発表内容は魅力的にも見えるだろうし、同時にどれを選ぶべきかは悩ましい。

 そこで本記事では、今回KDDIが発表した料金プランについて振り返ると共に、どんな人がどのプランを選ぶべきかを解説していく。

新料金プランを振り返る

遂に登場した「povo」

 今回のKDDIの発表の中で今もっとも話題になっているのは2021年3月から提供される「povo」だ。

 先立って昨年12月にNTTドコモが発表した「ahamo」、ソフトバンクの「SoftBank on LINE」と同じくオンライン専用ブランドだ。 データ容量は20GBと十分な容量なのに月額利用料は2480円 と今までauで提供してきた大容量のプランからするとかなり安くなっている。

 また、1回5分以内の通話定額は月額500円、24時間のデータ使い放題は200円など使い方に合わせ料金プランを拡張できるトッピング機能も用意されている。

 今後もニーズに合わせトッピングのバリエーションは追加されていくといい「自由」を売りにしてきたauらしい、自由度の高い料金プランが「povo」だ。

値下げされたau 5Gの無制限プラン

 auブランドではヘビーユーザーを中心に支持される無制限プランが値下げされ、povoと同じく2021年3月から「使い放題MAX 5G/4G」として提供される。

 月額利用料は6580円で、現在提供されている「データMAX」からは約2000円の値下げだ。

 期間限定の割引などもない“6580円”となり、さらに固定回線とのセット割の「auスマートバリュー」や家族でauを利用する場合に受けられる「家族割プラス」、新設されるau PAYカードで毎月の利用料を支払う場合に適用される「au PAYカードお支払割」を組み合わせることで、 最安で4480円 で利用が可能だ。

UQ mobileは値下げと増量に注目

 auのサブブランドの「UQ mobile」は現在提供中のスマホプランの内容を改め、値下げとデータ容量を増量した「くりこしプラン」を2021年2月から提供する予定だ。

 もっとも安価・小容量の「くりこしプランS」は値下げで1480円になる。

 中容量・大容量プランは「くりこしプランM/V」として、従来よりもデータ容量が5GBずつ増量された上、毎月の料金も500円ずつ値下げされ、それぞれ2480円と3480円で提供される。

繰り越しの上限容量
プラン容量
くりこしプランS最大3GB
くりこしプランM最大15GB
くりこしプランL最大25GB

 これまでのUQのプランと異なる点は、家族でまとめて加入した場合の割引がなくなったこと。

 逆に継続している点としては、通信速度を300kbpsに制限する「節約モード」が用意されること。節約してデータを使わず翌月へ繰り越す、といった使い方ができるわけだ。

結局どのプランを選ぶべきか

 KDDIが発表した新料金プランのどれを選ぶべきかは悩ましいだろう。

ライトユーザーならUQ Mobile

 とにかく ライトユーザーだという人は、UQ mobileの「くりこしプランS」を選ぶべき だ。

 3GBのデータ容量は多いとは言えないが、昨今テレワークなど外出の機会も少なく、自宅のWi-Fiに繋がって利用していることが多いのならこれで十分だろう。

 先述したUQ mobileの節約モードをいつもONにしておけば、余った通信量を翌月へ繰り越せるので、工夫しておトクに使えるだろう。

3GBで足りないなら「povo」

 この 3GBで足りない場合に選ぶべきプランは「povo」 だ。

 3GBで足りない場合、UQ mobileなら「くりこしプランM」か「povo」が次に安いプランになるが、どちらも月額利用料は同じ。

 それでいて「povo」の方がデータ容量が5GB多い「20GB」となっているので、より安心して利用できる。

データをたくさん使うなら

 もし「povo」の20GBで足りない場合、この足りない理由に注目したい。

 たとえば、“月に一度、ライブ配信を視聴するので足りなくなる”など、一時的に大容量を使う場合は、24時間データ使い放題が200円で追加できるトッピングを利用すれば、povoの20GBに収まるだろう。

 このトッピングを何度も利用する場合は、素直によりデータ容量の多いUQ mobileの「くりこしプランV(25GB)」やauの「使い放題MAX 5G/4G」を選ぶといいだろう。

家族向けの割引も

 「使い放題MAX 5G/4G」は家族全員がauユーザーなら家族割プラスの恩恵も受けられる。

 家族がライトユーザーで、毎月1~3GB以内に収まる場合は「ピタットプラン」や「使い放題MAX 5G/4Gの3GB以下の割引」も考慮すると、auブランドのプランにまとめた方がトータルでは安価に済ませられるかもしれない。

 より具体的に最適なプランを選ぶには、利用明細や家族構成などでも変わってくるため、ショップ窓口などで相談してみて欲しい。ただ、「自分だけ」なのか「家族も」なのかで、特に利用しているデータ容量に着目して考えてもらうと上記の選び方が最適な選び方だろう。

povoやUQ mobileへの変更で注意したいこと

 auを利用中で、料金の安さに惹かれ、「povo」や「UQ mobile」への変更を検討している人は多いだろう。

 今後はブランド間の移行手数料が撤廃されたり、料金プラン変更の間隔でブランドの行き来が可能になるとも予定されていたりするため、気軽に「より安いプラン」が選べるようにもなる。

 しかし、現時点で どうなるかわからないのが、auで機種購入をした際に適用されている「アップグレードプログラム」の扱い だ。機種代金を分割で購入し、次回機種変更時に返却(下取り)することで残った割賦残金が免除されるサービスに加入中の場合、au以外のブランドに変更するとこの特典が利用できなくなる可能性がある。

 KDDIが今回発表した新料金プランのすべてが申込可能になるまではまだ1カ月以上の期間があり、それまでにはブランド変更に伴い、継続できるオプションサービスや割引について具体的なアナウンスがあるか、店頭などでも案内されるようになるはずだ。

 実際に新料金プランの中から選ぶ際には、今受けている「特典」の継続可否についてもしっかり確認してからの変更が望ましい。

エントリーからプレミアムまで、上手に揃ったKDDIの新料金プラン

 安価な携帯電話料金としてイメージしやすい1000円台のプランから、話題の2,000円台のプラン、そして無制限プランまで段階式に選びやすいプランがKDDIの新料金プランには揃っている。

 他社に比べ1カ月遅れのプラン発表には、当初厳しいユーザーの声もSNSに散見されたが、“後出し”だからこそできる攻めの見える魅力的なプランになっているといえるだろう。