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ドコモFG設立、グループサービスと連携強化で「優しい金融をみんなの手に」
2026年7月9日 22:15
NTTドコモ・フィナンシャルグループ(ドコモFG)は9日、同社設立に関する記者会見を開催した。グループ各社の代表が一堂に会し、各社の今後の戦略やサービス間連携について説明したほか、今後の目標として2030年度までに金融事業収益を1.2兆円に倍増させる方針を示した。
優しい金融を目指す
ドコモFG代表取締役社長の廣井孝史氏は、ドコモグループがこれまで行ってきた金融事業の歩みを振り返る。
最初の出発点となる「おサイフケータイ」は「携帯電話を財布のように使う発想は、当時非常に先進的なものとして受け止められた」と廣井氏は話す。その後もキャッシュレス決済の可能性をいち早く見い出し、iD(2005年)やdカード/dポイント(2015年)を開始し、キャッシュレスサービスを広げてきた。廣井氏は「生活者にとって日々の買い物決済が特別なものではなく、非常に身近なものとしてサービスを根付かせてきた」と指摘。専門性の高い会社が参画するドコモFGでは、金融にとどまらないデジタル金融サービスを総合的に提供できる体制が整ったとした。
同社の規模は、dカードが1900万契約、うち1200万契約がゴールドやプラチナカードの契約となっている。住信SBIネット銀行の1口座あたりの預金は120万円、マネックス口座の口座あたりの預かり資産は404万円、ドコモ・ファイナンスの平均融資残高は100万円となっており、「それぞれの競合他社と比べて高い水準にある」と指摘する廣井氏は、これらと1億900万の顧客基盤を持つdポイントで培ったさまざまなデータが、“次なるサービス”を生み出す源泉になるとした。
そのうえで、同社が目指す未来を「優しい金融をみんなの手に」と定め、金融に関するさまざまな悩みを「細やかで行き届いたリアルなコミュニケーション」と「さまざまな恩恵をもたらすテクノロジーの進化」の2面でアプローチしていくという。ネットでの口座開設といった始まりから資産運用に関する専門家との相談など、ユーザーに会った安心感を届けるとともに、AIなどのテクノロジーで時間や場所を選ばず、パーソナライズされたサービスを受けられるようにすることで、リアルとデジタル双方の良さを融合させ、多くのユーザーに金融を届けると廣井氏は語った。
ドコモショップでの金融サービス拡大とデジタルへの取り組み
目標への取り組みとして、ドコモショップでの金融サービスの取り扱いを拡大する。これまで、ライセンスを取得した一部店舗で、マネックス証券の口座開設をサポートしていたが、8月からは銀行口座の開設と初期設定をサポートする。廣井氏は、リアル店舗を減らしてきたメガバンクと比較し、ドコモショップは「かなりの効果がある」とアピール。さまざまな金融サービスと組み合わせることで「ユーザーの生活を捉えたデータで、ユーザーにより有効なアドバイスができる」とした。
また、デジタルへの取り組みとして、「金融AI」を新たに開発していきたいと廣井氏は説明する。趣味や生活などあらゆる金融をAIが分析し、ユーザーそれぞれのライフスタイルに寄り添った提案をするという。これにはdポイントも含まれており、失効間近のdポイントをどう使うかの提案やポイントが貯まりやすい買い物方法などを案内するという。これらのサポートには、ドコモグループの「膨大かつ質の高いデータ」を利用するといい、廣井氏は「ドコモグループの大きな強み」とした。
各社の今後の取り組み
次に、ドコモFGに参画する各社の代表から、今後の取り組みが語られた。
住信SBIネット銀行
8月3日にドコモSMTBネット銀行に商号を変更する住信SBIネット銀行代表取締役社長の円山法昭氏は、個人向けブランドを「d NEOBANK」から「ドコモの銀行」にリブランドすると発表した。
リアルでの取り組みについて、円山氏は住宅ローンを例に説明する。同行の住宅ローンで、ネットで提供している割合は全体の5%、残りの95%はリアル店舗で提供しているといい、ネット銀行と言いながらリアル接点の比率が高いサービスもあると指摘する。円山氏は「預金でも同じことができる」とし、ドコモショップでのサポート拡大に注力するとした。
具体的には、8月の開始時点で198店舗、今後5年かけて1500店舗まで拡大していくと説明。住宅ローンの取り扱い店舗数も増やしていくと話した。
マネックス証券
マネックス証券取締役社長執行役員の清明祐子氏は、同社が担っているものを「誰もが日常生活の延長線上で、迷わず安心して始められる資産運用」とし、それに向けてこれまでも取り組んできたとコメント。
たとえば、dポイントで投資できるサービスでは「現金を用意せずとも資産形成を始められ、投資に対する心理的なハードルを下げるのに貢献している」と説明。d払いアプリでも資産運用機能を用意しており、d払いアプリの画面から離れることなく資産運用を完結できるとアピールした。
1月からスタートしているドコモショップとの連携では、なじみのあるショップスタッフが、口座開設からアプリの操作、設定などを直接サポートする体制を整え、“最初の一歩”が不安だったユーザーにも頼れる場所を作り、確かな安心を提供できたと、ドコモFGに参画するメリットを説明。今後も、生活の延長線上で手軽に資産運用できる体制を整え、「豊かな未来に向けた優しい金融」を多くのユーザーに届けたいと語った。
各社間の連携
ドコモFGの廣井氏は、今後始まる各社間の連携への取り組みを語る。
たとえば、dカードとの連携では、ドコモの銀行との連携で最大+3%、マネックス証券との連携で最大+1.5%の追加還元特典を提供する。
また、ドコモの銀行で住宅ローンを契約すると、対象のドコモサービスの契約でdポイントを追加で進呈するキャンペーンも展開する。
廣井氏は「シナジー効果が最大限発揮でき、よりお得を感じられる特典設計を展開していく。ドコモFGに期待してほしい」と設立によるサービス連携に期待感を持たせた。
グループ外との連携も
廣井氏は、グループ外とのパートナー企業との連携にも言及する。
住信SBIネット銀行では、BaaS(Banking as a Service)を提供しており、パートナー企業と連携したサービスを実施している。廣井氏は、銀行機能に加えてサービス利用特典に応じてdポイントを付与するなど、ドコモFGのアセットを通じてパートナー企業は新たな事業収益機会を得られるとアピール。
今後は、dポイントやd払いの加盟店向けに順次展開していき、パートナー企業の事業拡大や提供価値向上に貢献していきたいとした。
廣井氏は、「金融サービスに限らず、通信サービスなどもニーズがあれば“ホワイトレーベル”として提供することもできる」とコメント。ユーザー向けの特典についても「dポイントに限らず、パートナー企業のポイントやマイルなどのシステムがあれば、機能だけを提供する形も可能」と柔軟な取り組みをすると説明した。
2030年度に収益を2倍に
今後の成長に向けたステップとして、廣井氏は3つのステップを挙げる。
まずは、デジタル金融統合サービスの展開や法人向け経済圏の拡大を進めて足元を固める。ステップ2では、ステーブルコイン決済やプラットフォームの構築など、ブロックチェーン技術を使った次世代決済を取り入れる。
ステップ3では、決済取引データとテクノロジーの拡大を重ね合わせた新たな金融サービスの事業拡大を目指す。
これらの結果として廣井氏は、金融収益を現在の5960億円から2030年度までに1.2兆円に倍増させていくと説明。多くのユーザーを「デジタル金融の世界に誘っていきたい」とアピールした。廣井氏は、グループ各社を「非常に質の高い金融サービスが集まった。成長軌道に乗っている」と評価し、AI技術などでシナジー効果を生み出し、目標を達成すると説明した。





























