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ソラコム玉川社長「アフターAIの企業価値は“トークン資本”」にあり、AI活用レベルを上げる「安全な器」を提供へ

最高技術責任者CTOの安川健太氏と代表取締役CEOの玉川憲氏、CEO of Japanの齋藤洋徳氏

 ソラコムは2日、AIエージェント「SORACOM Agent」やコネクテッドカー向けの通信運用基盤「SORACOM Automotive Suite」など5つの製品やサービス、機能を発表した。

 メディア向けの発表会では、同社代表取締役CEOの玉川憲氏らが、通信環境や生成AIへの取り組みなどについて語った。

グローバルの知見も蓄積

CEO of Japanの齋藤洋徳氏

 CEO of Japanの齋藤洋徳氏は、「IoT向けの通信プラットフォームからスタートし、現在はフィジカルなものを検知するIoTデバイスやクラウドサービス、AIチャットボットなどさまざまなサービスを展開してきた」と説明する。同社を取り巻く環境について「多くの国で通信できるよう複数キャリアを持ちカバレッジを広く、冗長性を両立することが求められてきた。本格的にIoTデバイスを利用する企業が多くなってきた」と説明する。

 日本企業でも導入が進んでいる一方、「売上の半分が日本以外のグローバル企業」だとし、海外におけるサービス展開のノウハウが蓄積されてきているとアピール。もちろん、トラックの入退場管理による物流オペレーションの改善(豊田自動織機の事例)や、鉄道車両の予防保全のスマート化(JR九州)など、日本国内でも着々と活用事例を積み重ねてきており、国内外でアワードも受賞している。

AI時代における「企業の競争力」とは

 代表取締役CEOの玉川憲氏は、AI時代における企業の競争力について語る。

代表取締役CEOの玉川憲氏

 生成AIについて玉川氏は「人類史上最大のインパクト」とし、特に衝撃を受けたのは「Claude Code」だと話す。ソラコムはIT企業であるため「我々よりも優れたソースコードを書いてしまう」との危機感が理由だとする一方、企業の経営者としては「企業に何が残るのだろう」と考えたという。つまり、同じAI基盤を利用し、業務を進めた場合、企業間の競争がどこに生じるのか? という問題だ。

 そこで同社では、「アフターAI」を見据えた企業体制の構築に動いた。玉川氏は「変化をするには痛みが伴うが、ビッグウェーブとして乗っていこう」と社員を鼓舞し、この一年で大きく変わったと語る。

 まず、業務ごとに少人数のチームで動くようにし、その中にAIを取り入れてAIといっしょに業務を遂行していくことにしたという。経営陣のサポートもあり、多くのタスクを自動化することができたといい、人の増減なく売上を成長させられたと玉川氏はアピールする。

 玉川氏は、AIのレベルを5段階で示す。個人個人が利用している段階のものを「レベル1」とし、データ基盤にアクセスし集約や検索できるようになって「レベル2」に到達する。玉川氏は「多くの会社がレベル1にとどまっている」とし、その状態ではあまり効率が上がらないと指摘する。

 「レベル3」はAIで自動化して組織で共有していくもので、AIのスキルを共有したりすることで業務効率化を図る。「レベル4」では、ほとんどの業務プロセスをAIが自動でやらせる段階で、「レベル5」では、AI主導で業務改善ループを回して、人は管理や評価をするだけになる。

 玉川氏は、これからの企業は「AIを動かせる人間」ほど重要になってくると話す。人がAIに教え、自社の情報を蓄えたAIが資本となって、今度は人がAIから学び判断を加速させる好循環が「アフターAI」における人とAIの関係になると指摘。今後の企業も、AIがいかに自社の情報を蓄えられるかという「トークン資本」を貯めることが重要になると説いた。汎用AIのモデルは各社横並びであるため、自社のAI資産をいかに蓄えるかが競争力の源泉になるとした。

 そこで同社では、企業がこの「トークン資本」を貯めるための「安全な器」を提供していくという。企業のさまざまな情報やIoTデータから得られるフィジカルデータを集め、それらのデータをうまく活用できるプラットフォームの提供を進めていくと、今回のプロダクトの概要を語った。