レビュー
OPPOのカメラフラッグシップモデル「OPPO Find X9 Ultra」に27万円超の価値があるのか
2026年8月18日 00:00
7月8日より、OPPOのカメラフラッグシップスマートフォンである「OPPO Find X9 Ultra」が発売されている。MNOとしては、SoftBank Free Style、MVNOとしてはIIJmioで取り扱われているほか、OPPO公式ストアや各家電量販店、ECストアにて取り扱われている。
公式ストアでは27万4800円と、フラッグシップモデルらしいしびれる金額だ。発売にあたっての発表会、イベントが行われていないこともあり、金額に見合った内容なのか、買って満足のいく製品なのかといった説明が足りておらず、やや不明瞭な端末となってしまっている。
実際に試していると、フラッグシップらしい確かな高性能、他社に引けを取らない圧巻のカメラなど、存分に魅力が詰まった端末ではある。ここでは、実際にOPPO Find X9 Ultraを試しながら、使用感をお届けしていく。
所有欲を満たす上品なデザイン
OPPO Find X9 Ultraは本体サイズが約163×77×9.1mm(キャニオンオレンジは厚さ約8.7mm)。比較的縦に長いデザインになっており、サイズのわりには持ちやすさも感じるが、やはり片手ですべてを操作するのは難しい。質量も約236g(キャニオンオレンジは約235g)と、サイズ通りのヘビー級端末となる。
側面から背面にかけては若干湾曲しているため、手にあたる感触はいい。厚み、質量といったスペック上の数字よりは、まだ持ちやすさもある程度担保されている印象。特に今回使用しているツンドラアンバーは、レザー風のザラっとした背面素材が滑りにくく、扱いやすい。カメラ風のデザインも上品で、指紋の付着も見られないため、ケースを着けなくても所有欲を満たしてくれる。
本体側面には、右側に音量ボタンと電源ボタン、シャッターボタン、左側にショートカットキーとして動作するSnap Keyを搭載。SIMトレイは、下部のUSBポート脇に備えられている。
アウトカメラが背面中央に大きく構えられているため、本体をデスクなどに置いた際に、ぐらつきにくいのも魅力。ただし、レンズがむき出しになっており、接触しやすいデザインであるため、カメラは保護して使用したいところだ。
最大144Hz駆動の2K解像度ディスプレイ
ディスプレイは約6.8インチで、本体サイズに合わせてこちらも大画面となる。ベゼルも細く、大画面をしっかりと活かせる、フラッグシップらしいディスプレイだ。解像度は最大2K解像度、画面輝度は最大1800ニトとなっており、屋外でも明るく鮮明な映像が楽しめる。輝度は最低1ニトまで下げられるため、屋内使用時には、バッテリーの消耗を限りなく抑えられるのも魅力。
ただし、画面輝度の自動調整機能は、若干認識が甘いように感じるシーンが多く、結局手動で設定する機会も多いのが気になる。
本機のみではなく、OPPO端末全般に言えることだが、出荷時に画面保護用のフィルムが貼られているため、急いで画面保護フィルムを購入する必要がないのもありがたい。ただし、最初に貼られているフィルムは、あまり傷に強くないので、ある程度使ったタイミングで貼り替えるのがおすすめだ。
リフレッシュレートは1~120Hzの可変式で、ゲームモードでは最大144Hz駆動に対応する。高性能と合わせ、ほとんどのシーンで滑らかな動きができるため、不満を感じるシーンは基本的にない。
ディスプレイ内の指紋認証センサーは超音波式となっており、スピーディーに反応してくれる。生体認証としては、顔認証にも対応している。
圧巻の10倍光学ズームを備えたカメラ
アウトカメラは今回もハッセルブラッド監修で、約2億画素広角、約5000万画素超広角(視野角123度)、約2億画素望遠(3倍光学)、約5000万画素超望遠(10倍光学)の4眼構成となる。望遠カメラを2つ備え、10倍という高倍率な光学ズームをスマートフォンで実現しているのがポイントだ。
右側面にはシャッターボタンが搭載されているが、厳密に言えばボタン兼センサーになっており、ダブルクリックで即時カメラアプリの起動も行える。近年のiPhoneシリーズに搭載される、カメラコントロールに近いもので、シャッターを切るほか、半押しでのAFロック、スライドでの倍率変更といった動作に対応する。若干位置が高く、指を伸ばしにくいため、慣れるまでは誤操作もそれなりに起きる。そんなところまで、iPhoneをリスペクトしなくていいのにと思わなくもない。
広角カメラでの撮影は、何気なく撮影した写真も鮮明で、スマートフォンのディスプレイで確認する限りは、デジカメで撮影したものに近いクオリティになる。色味の表現は、スマートフォンにしては控えめで、あくまでリアルさを重視している印象だ。特にマスターモードでの撮影は、簡単に味のある写真に仕上がるのが面白い。
超広角カメラや望遠カメラも基本的なコンセプトは共通。歪みも少なく、広角カメラに近い撮れ味になる超広角カメラ、大型センサーの搭載で、味わい深いボケ感の表現ができる光学3倍ズームと、高いクオリティで使いやすいカメラにまとめられている辺りは、さすがフラッグシップモデルだ。
光学10倍望遠は、解像度としては光学3倍望遠よりも低いが、風景撮影、人物撮影のいずれでも十分な仕上がりだと感じる。ボケ感の演出も上々だ。3倍望遠ほど汎用性のある倍率ではないが、ふとした瞬間に10倍、クロップも合わせると20倍まで綺麗に寄れるカメラがあると便利なこともある。何より、普段から携帯しているスマートフォンで、ここまで品質の高い望遠カメラが使用できる点には、感動すら覚える。ここまでの倍率になると、狙った被写体を画角に収め続けるのもやや難しくなるため、プレビュー画面には見せ方の工夫が欲しいが、2軸OISはしっかりと働くため、仕上がりとしてはきれいな写真になる。
カメラに特化したスマートフォンらしく、専用のテレコンバーターこと、「OPPO Find X9 Ultra Hasselblad Earth Explorer Kit」も別売で用意されている。公式ストアでは5万9800円。カメラレンズである以上、値が張るのは仕方がないが、スマートフォンの専用アクセサリとしては高価と言わざるを得ない。
価格に見合った性能であることに間違いはなく、光学13倍、光学相当60倍のズームができるなど、遠景が非常に美しく収められる。外付けレンズを使っているため、当然と言えば当然だが、スマートフォンカメラの域を超えた体験ができる。
レンズはそれなりのサイズで、質量もしっかりとあるため、持ち歩くのにはやや苦労する。体感としては、コンデジを持ち運ぶのとそこまで大差はない。
OPPO Find X9 Ultra Hasselblad Earth Explorer Kitに付属するExplorer Caseは、シャッターボタン、ズームスライダーが搭載された専用のケース。テレコンバーターは使用シーンがかなり限定的だが、シャッター、ズームがより快適に触れるケースのみを使ってもいいと感じるため、これだけを購入できるオプションも欲しい。
また、Explorer CaseはBluetoothでOPPO Find X9 Ultraと接続するため、ふとしたシーンで接続が切れていることがある。OPPO Find X9 Ultra本体とは別に充電が必要なのも、少々面倒なポイントだ。
望遠撮影を多用する人、ユニークなガジェットが好きな人には魅力的なオプションだが、外付けレンズがなくてもOPPO Find X9 Ultraは光学10倍、光学相当20倍のズームができるなど、スマートフォンのカメラとしては最上級のスペックを持つ。
本体価格、オプションを合計すると33万4600円と、かなり高額になってしまうことを加味すると、本製品をカメラとして「だけ」捉えて買うのであれば、同価格帯の本格的なカメラを買うほうがいい。あくまで、「スマートフォンに強力なカメラが搭載されている、両取りを目指したデバイス」と捉えるべきだろう。
ユーザーの情報を一元管理するAI機能
例に違わず、OPPO Find X9 Ultraにも独自のAI機能が搭載されている。最も特徴的なのが、Snap Keyによって動作させられるAIマインドスペースだ。
AIマインドスペースは、会議の日時が記されたメール、気になるWebページなど、ディスプレイに表示されている情報をあとから見返したり、まとめて管理したい際に便利な機能。スクリーンショットを撮る要領でSnap Keyを一度押すと、画面上の情報を1つのスペースに保管しておいてくれる。
集約した情報はAIが読み解き、サマリーとして提示してくれる。スケジュールが記載されていれば、そのままカレンダーに予定を追加することも可能だ。ColorOS 16より追加されたMind Pilotという機能を使い、集めたデータに関する内容をGeminiやChatGPT、Perplexityに投げることもできる。
多機能であるがゆえ、散らばりがちな情報を一か所で管理するというコンセプトは面白く、使い慣れてくると「とりあえずSnap Keyを押しておけばいい」という認識になって便利だ。同じような取り組みはNothing Phoneでも行われており、AI時代における1つのトレンドをしっかりと捉えているとも言えるだろう。ただし、Mind Spaceに集約した情報は端末内にしか残らず、別のデバイスから見返せないのが難点だ。
AI機能はほかにも、翻訳やボイスレコーダーでの文字起こしといった機能も利用できる。ただし、録音中の文字起こし機能、リアルタイム通訳はそれぞれ月100分までと上限がある。100分の制限はかなり厳しく、恒常的に使うと考えると、仮に週に1回、1時間の会議ですら全く足りない。
加えて、時間制限を延ばすオプションも用意されていないとなると、別のAIサービスを使うのが現実的になってしまう。AIを使用するためのコストをどこで負担するのかという課題はあるが、もう少し柔軟性が欲しい。
処理能力、バッテリーはフラッグシップ相当
搭載SoCはSnapdragon 8 Elite Gen 5で、メモリ12GB、ストレージ512GBとなる。グローバルではメモリ16GBモデルがあるのに加え、先に発売されているスタンダードモデルのOPPO Find X9もメモリは16GBであると考えると、10万円以上高い最上位モデルにて、メモリ容量が少なくなっている点は気になる。
これは発売時期が悪かったとしか言いようがない。OPPO Find X9が発売された昨年末から、わずか半年だけを切り取っても、メモリ価格は著しく高騰しており、円安も厳しい状況が続く。他社動向を見てもわかるように、同様のメモリ容量であっても、価格を維持するのは非常に難しいのが現状だろう。仮に16GBモデルを展開していたら、30万円を下回ることすら難しかったかもしれない。
では、使い勝手として12GBモデルだと不十分かと言うと、決してそうではない。SoCのパワフルさは言うまでもなく、ヘビーなゲームアプリでもサクサクと動作する。タイトルによって、多少発熱が気になることもあるが、それにより動作が不安定になるシーンはほぼ見られず、快適に使用できている。
バッテリーは7050mAhの大容量で、大画面ディスプレイを搭載していながら、動作時間には余裕がある。メインスマートフォンとして、移動時には動画視聴やゲームを楽しみ、取材時にはカメラを使用するといった使い方をしていても、バッテリー残量が50%を下回る日はほとんどない。
機能面で触れておきたいのが、Appleデバイスとの連携機能だ。Quick ShareによるAirDropとの相互接続に対応しているほか、OPPO Find X9 Ultraの画面をMacBookにミラーリングしたり、iPhoneとBluetooth接続して、iPhoneに届く通知をチェックしたり、電話に出ることができる。MacBookユーザーや、iPhoneとの2台持ちを検討している人であれば、便利に感じる機能が豊富に用意されている。
27万円超は高いが唯一無二のスマートフォン
冒頭でも触れたとおり、OPPO Find X9 Ultraは、公式ストアでの販売価格が27万4800円と、非常に高価な端末だ。直近の情勢を踏まえて考えても、高いと言わざるを得ないだろう。
ただし、フラッグシップモデルとしてデザイン、処理能力にはしっかりとこだわられており、10倍光学を含む唯一無二のカメラも魅力だ。スマートフォンのカメラ性能は頭打ちで、これ以上はいらないという意見も散見される中で、ハッセルブラッドと協業し、強烈な個性を発揮している点は目を引く。
同じくカメラに大きな特徴を持ち、ライバル端末として数えられるXiaomi 17 Ultraが20万円を下回り、お得感は強い。だが、10倍光学ズーム、本体搭載のシャッターボタンといった、よりカメラらしい仕様やデザインに魅力を感じられるのであれば、OPPO Find X9 Ultraの購入を検討してもいいだろう。









































