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楽天モバイル、都内の地下鉄で通信帯域を4倍に拡張 7月までに全区間完了

 楽天モバイルは、東京都内の地下鉄や山手線駅、大規模集客施設におけるネットワークの改善状況と今後の計画を公表した。「つながりやすさ強化宣言2026」として、トラフィックが集中するエリアでの通信品質向上を加速させる。

 2日、都内で記者説明会が開催され、矢澤俊介代表取締役社長が語った。

矢澤氏

地下鉄の通信環境を大幅強化

 同社では、かねてより都内地下鉄の駅構内から駅間の走行中に至るまで、安定したネットワーク環境を目指す「東京地下鉄強化計画」が推進されている。

 1月末時点で東京メトロと都営地下鉄の主要区間で対策が完了したことが、今回、矢澤氏から語られた。

 具体的には基地局の帯域幅を5MHzから20MHzへと4倍に拡張する工事が完了。これで95%はカバーできるとのことで、残り5%は、7月までに進められる。

 同様の施策は全国の地下鉄でも展開される。大阪メトロでは2027年12月、名古屋市営地下鉄では2027年12月、札幌市営地下鉄では2026円6月、福岡市営地下鉄では2027年4月と、各地で順次帯域の拡張が進められ、2026年から2027年にかけて対応が完了する予定となっている。

 都内では、私鉄の地下路線でも対策が進められ、矢澤氏は一例として「成城学園前駅や下北沢駅なども全て対応している」と語った。

 地下鉄・地下路線での工事は、運行時間を避ける必要があると見られ、どうしても時間がかかる。

 矢澤氏も「JMCIA(移動通信基盤整備協会)様には感謝している」と今回の会見で語るなど、楽天モバイル1社では進められない。それでも3月末時点で8割強の完成という計画が前倒しとなり、95%程度の達成になる見通しになった。

 同氏は「今日の会見場へ来る際も地下鉄を利用したが、快適に動画を楽しめた」と述べ、通信品質の改善をアピールした。

山手線主要駅と大規模施設での5G対応

 鉄道駅の対策として、2025年12月までに山手線の主要18駅で5Gネットワークの強化が完了した。対象には新宿駅、池袋駅、渋谷駅などの主要ターミナル駅のほか、高輪ゲートウェイ駅や恵比寿駅などが含まれる。

 また、人が集まる大規模施設での対策も進む。東京ドームや天王寺動物園をはじめ、ヨドバシAKIBAビルやKアリーナ横浜といった商業・イベント施設で、2025年9月から2026年1月にかけて通信品質の向上が図られた。

5G SAとプラチナバンド

 4Gの無線を用いず、5Gの電波と設備だけでサービスを提供する「5G SA」方式について、楽天モバイルは2026年中の提供開始を明らかにしている。

 NSA方式の場合、いったん4G用の電波に繋がる必要があるが、矢澤氏は、「楽天モバイルではNSA方式での“パケづまり”(通信が滞る事象のこと)は起きていない」とコメントし、「5G SAは最優先で対応していく」と意気込みを見せた。

 またプラチナバンドと呼ばれる周波数帯域の活用については、「開設計画よりも前倒しで基地局の建設が進んでいる」とし、4Gサービスは1.7GHz帯とあわせ、「周波数のミックスで(エリアを)作っている。かなりプラチナバンドを活用している」とした。

5G基地局の建設状況

 今年後半に予定する、米ASTの通信衛星を使った、スマホと通信衛星の直接サービスでも矢澤氏は「プラチナバンドをしっかり活用したい」と語っていた。

 なお、今年後半に迫るKDDIのネットワークを利用したローミングは、「まだ話せる段階にない」とした。

ユーザーの声を起点とした改善体制

 ネットワーク構築の効率化に加え、利用者からの申告を起点とした改善体制も強化される。電波改善フォームやSNS、コールセンターに寄せられた情報をCSチームがリアルタイムで監視し、専門チームが詳細な現地調査や対策を実施する仕組みが構築されている。

 同社が実施したアンケートによると、契約当初に比べ現在の通信品質に「改善を実感している」と回答した利用者は83.2%に達し、前年比で5.4ポイント上昇した。今後は既存のパートナー回線との連携も維持しつつ、自社基地局の増設と5G化を進めることで、ナンバーワンキャリアを目指したネットワークの構築を継続するという。