【MWC Barcelona 2026】

【MWC26】Rakuten ViberがトラベルeSIM提供へ、その狙いは

 楽天グループでメッセージサービスを手掛けるRakuten Viberは、トラベルeSIMサービスの「Rakuten Viber eSIM」をラインアップに加える。アプリ内から渡航先のeSIMを申し込むことが可能になる。

Rakuten Viberは、トラベルeSIMのサービスを開始する

 まずは1つの市場からサービスを開始したあと、早期に対応市場を拡大していくとしている。MWC Barcelona 2026の楽天ブースでRakuten Viberのチーフ・レベニュー・オフィサーのクリスティーナ・コンスタンダケ氏が明かした。

アプリ内で国ごとのeSIMを購入できるようになる

 プリペイド型のeSIMを提供する背景には、スーパーアプリ化を志向しているRakuten Viberの戦略がある。コンスタンダケ氏は、LINEや中国のWeChatを挙げ、スーパーアプリ化で先行しているとした。

 一方で、特定の国や地域に特化しているLINEやWeChatとは異なり、Rakuten Viberは、世界で190の国や地域に展開しており、徐々に機能を追加している。

MWC Barcelona 2026の楽天ブース内で狙いを語ったRakuten Viberのコンスタンダケ氏

 決済サービスの「Viber Pay」や、マッチングサービスの「Viber Dating」はそうしたサービスの一例。電話への発信が可能な「Viber Out」も、Rakuten Viberにとっては付加サービスの1つに位置付けられる。ここに加わるのが、Viber eSIMだ。

スーパーアプリ化を志向し、徐々にメッセージサービスや音声通話サービス以外の機能も追加している

 eSIMを提供する背景として、コンスタンダケ氏はコロナ禍が明け、旅行者が増加していることを挙げる。一方で、航空券などの価格は上昇しており、「消費者は予算に気を配りながら旅行をしている」と分析する。通信費を抑えつつ、旅行を楽しむにはトラベルeSIMが必須になっているというわけだ。

 結果として、トラベルeSIMの市場は向こう5年間で380%の成長が見込まれているとのこと。このように需要が急拡大している市場に向け、スーパーアプリの1つのサービスとしてeSIMを提供することが参入の狙いだ。

コロナ禍が明け、旅行需要が急拡大している一方で、コストが上がり通信費を節約するニーズも生まれている

 このサービスには、楽天モバイルが構築する、トラベル用eSIMを提供するためのプラットフォームを活用する方針だ。

 具体的には、提供先が利用できるアプリをホワイトレーベルとして用意しているほか、APIを通じて提供先の企業が自社のアプリ内でeSIMを直接発行できるようにしている。

サービスの実現には、楽天モバイルのeSIMプラットフォームを活用している

 楽天モバイルのコマーシャルディレクターを務めるクラウディオ・ドルチェ氏は、Rakuten ViberがこのAPIを活用し、「ユーザーがアプリから離れることなく、シームレスな体験でeSIMを購入できる」とアピールした。

APIを通じてサービスを提供することで、シームレスなユーザー体験が可能になると語った楽天モバイルのドルチェ氏

 また、楽天モバイルのeSIMプラットフォームは、「アグリゲーターのアグリゲーター」を強みとしている。これによって、品質的にも価格的にも、「ベスト・オブ・ベスト」のeSIMを提供でき、競争力を維持できるという。

複数のアグリゲーターが提供しているeSIMをさらにアグリゲートすることで、地域の偏りをなくすとともに、価格競争力をつけているとした

 さらに、このプラットフォームには競合他社の価格や、地域ごとの価格平均とその変動などを分析するツールも含まれている。これによって、Rakuten Viberのようなプラットフォームを活用する企業が競争力のある価格を設定しやすくなる。

Rakuten Viberのような提供先企業には、価格分析などを行うツールも提供される