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ソフトバンク宮川社長、競合の料金値上げに「じっくりと戦略練りたい」

 ソフトバンク代表取締役社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏は8日、決算説明会で、ソフトバンクの料金をどう変化させるかという問いに「じっくりと戦略を練りたい」と慎重な姿勢を見せた。

 4月24日にNTTドコモが「ドコモ MAX」、5月7日にKDDIが「auバリューリンクプラン」といった新料金プランを発表した。どちらも新たな特典を用意する一方で、従来の料金よりも値上げとなる。

 携帯電話業界は、政治主導で値下げへの圧力が増した時期が続いていたが、宮川氏は「シェア上位の2社が先んじた。チャンスだと思う。デフレ構造を乗り越え、コストを削減するなど企業努力を重ねてきたが、そろそろ限界に達しつつある。業界の健全な成長に、価格の見直しは必要なタイミング。我々もそろそろ同じ方向でいきたい」とコメント。

 値上げに意欲的と思えるが、「時期については、何がベストか考えて行動に移りたい」と早急なキャッチアップは否定する。

 さらに「他社が値上げするなかで、料金を据え置けば顧客獲得に効果もあるのではないか」という問いに、「いろいろ考えがある。中長期目線では獲得競争にも負けたくない。どのタイミングがベストか、事業上の戦略で計算したい」と述べ、重ねて慎重に対応していく方針を示した。

 また、料金プランの内容については「他社がどうこうではないが」と前置きした上で、「要らないものがついてきて値上がりとか、優先接続と言いながら、ほかのユーザーが犠牲になるということが、もしあったとしたら、(事業者とユーザーは)ウィンウィンではないのではないか」とコメント。

 横並びとなるような料金プランは作れるが、それで満足してもらえるかどうか、疑問を呈し「時間をかけてじっくりと戦略を練りたい」と述べた。