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「ドコモビジネス」が目指す世界とは? NTT Com丸岡社長の基調講演

 10月21日まで、リアル会場とオンライン会場でハイブリッド開催中の法人向けイベント「docomo business Forum'22」。法人事業ブランド「ドコモビジネス」のさまざまなサービスやソリューションについて紹介される。

 その初日となる本日18日には、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の代表取締役社長 社長執行役員 丸岡亨氏が、「ドコモビジネス あなたと世界を変えていく。」と題し、オンラインで基調講演を行った。

 丸岡氏は講演の冒頭で、「ドコモビジネスが生まれた背景などについて説明する前に、世界が直面する課題に触れたい」とコメント。ロシア・ウクライナ間の紛争などを代表例として、国際情勢は「非常にリスクの高い状態になっている」とし、エネルギーコストの高騰も課題のひとつとして挙げた。

 一方、新型コロナウイルスの流行が落ち着きを見せつつあるなかで、丸岡氏は「“強靭で活力のある社会”が求められていく」と語る。さまざまな脅威にさらされても柔軟に対応できるような社会の実現に向けて、同氏は「データ」の重要性を強調する。

 現代社会では、モバイル機器やIoT・AIなどを介して多様なデータが行き交う。丸岡氏は「モバイル・固定の境界なく、時間や場所を問わずセキュアなコミュニケーションが実現できる環境を、ICT企業が提供できるものとして考えている」と語った。

 NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアによる3社統一の法人事業ブランドとして新たに発表された「ドコモビジネス」では、企業規模に関わらずすべての法人をワンストップでサポートする。

 「ドコモビジネス」が生まれた背景について、丸岡氏は、「NTTグループのなかで、ドコモは5GやIoTなどのサービスを提供してきた。NTTコムウェアは、ソフトウェアの開発力を持った企業。そして、NTT Comがこれまで提供してきたクラウド・データセンターサービスなども含めてまとめることによって、モバイル・固定の境界がなくなるようなサービスが提供できると考えた」とコメントした。

 「ドコモビジネス」が提供できる価値として丸岡氏が挙げたのは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「GX(グリーントランスフォーメーション)」「CX(カスタマーエクスペリエンス)」の3つ。

 こうした価値を提供するためのデータ利活用フレームワークとして、「ドコモビジネス」では、「ICTのTransformation」「Smart Data Platform」「Smart World」の3つを設定している。

 「ICTのTransformation」に触れた丸岡氏は、近年のネットワークの状況について「トラフィックや、ネットワークに接続する端末の数が相当増えている」とコメント。そうした状況において、遅延が起きないような環境や、多くの端末を同時に接続できるネットワークを、ドコモグループとして提供していきたいとした。

 そのために活用できる技術として、丸岡氏は「MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)」「5G SA」の2つを挙げた。そのうち、5Gの設備だけでネットワークを構成する「5G SA」については、実証実験も進められているという。

 「Smart Data Platform」としては、NTTグループはXRの領域に注力していく。新会社「NTTコノキュー」では、XRデバイスの開発などを通じて、新たな体験の創出を目指す。

 「Smart World」は、さらに細かく8つの領域に分けられる。そのうちのひとつ「Smart CX」では、ドコモが保有するデータを活用し、さまざまなマーケティング施策などにつなげていく。

 次世代の働き方に関する取り組みや環境への配慮などについても触れた丸岡氏は、「ドコモビジネスの事業展開について話をしたが、パートナーの皆さんとの共創が非常に重要。今回のイベントでは、偶発的な出会いを生むOPEN HUB(オープンハブ)という場所をリアル会場に開設した。そこで皆さんにお会いできるのを楽しみにしている」とコメントした。