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政府、“LTEの父”尾上誠蔵氏をITU電気通信標準化局長候補に擁立
2021年9月1日 19:39
政府は、NTTの尾上誠蔵氏を国際電気通信連合(ITU)の電気通信標準化局長候補に擁立すると発表した。総務省と外務省から発表されたほかNTT(持株)も案内している。
尾上氏は、「LTEの父」とも称される人物で、NTTドコモにおいて無線ネットワーク開発部部長や研究開発推進部部長、R&Dイノベーション本部長、ドコモCTOなどを歴任。ドコモのみならず、国際的に通信技術の標準化に大きく貢献してきた。また2018年春には紫綬褒章を受賞している。
近年は、ドコモ子会社のドコモ・テクノロジ社長を務めたほか、現在はNTT(持株)のCSSO(Chief Standardization Strategy Officer)という要職にある。
本誌を含む国内メディアの取材にも数多く登場し、複雑な通信技術をわかりやすく解説し、親しみやすい人柄も知られている。
2030年代の通信技術に向けて
政府は、2022年9月開催予定のITUの会議で実施される幹部職員選挙で、電気通信標準化局長の候補として尾上氏を擁立することにした。
ITUは、国連の専門機関のひとつで電気通信分野を担う。総務省の発表文によれば、次期電気通信標準化局長は、2030年代の通信ネットワークの標準化を担うと想定されるとのことで、「光通信、暗号技術なども含んだ複合的な要素技術の開発によるネットワーク全体の進化を必要とするものであり、その実現における標準化活動には適正な管理と運営が求められる」という。
そこで、さまざまな国際標準化団体のボードメンバーでの経験も豊富で、経営者としても手腕を発揮した尾上氏を擁立することになった。
活動 | 内容 |
対外活動 | 【国際】 2012年 GSMA, Member of the Board |
2013-2021年 GSMA, Member of the Strategy Group | |
2012-2020年 Next Generation Mobile Networks Alliance, Member of the Board | |
【国内】 2003-2005年 電波産業会 IMT-2000研究委員会 国際仕様部会 部会長 | |
2006-2011年 電波産業会 高度無線通信研究委員会 IMT-Advanced部会 部会長 | |
2011年-現在 電波産業会 規格会議 委員長 | |
2011-2012年 電子情報通信学会 通信ソサイエティ 副会長・国際委員長 | |
ITU関連活動 | |
2011年 ITU 無線通信部門 Regional Workshop on “IMT for the Next Decade” | |
2015年 ITU 電気通信標準化部門 CJK-CTO Consultation会合 | |
2015年 WTIS (World Telecommunication ICT Indicators Symposium) | |
2016年 第16回 アジア・太平洋電気通信共同体(APT)規制政策フォーラム | |
2018年 ITU全権委員会議 |