ニュース

総務省、ソフトバンクに指導、5G基地局整備に遅延が見られる

 総務省は、ソフトバンクに対して5G基地局整備計画に遅延が見られたとして、リカバリ計画の策定や余裕を持った開設工事を行うよう文書で指導した。

 2020年度末時点でのソフトバンクの5G基地局の開設状況について、700MHz帯については計画値3181 局に対して実績値2728局、3.4GHz帯についても計画値2425局に対して実績値1125局で、進捗に遅れがあった。

 遅れの原因について同社は「開設工事などのスケジュールの遅延」「基地局のエリアカバレッジ設計の変更に伴う基地局設置場所の見直し」などを挙げている。

 総務省では、計画から不足している基地局については、早期にリカバリ計画を策定の上2021年中に不足分を解消するよう求めている。

 また、5G基地局の工事スケジュールや人員確保、会社間の意思疎通など進捗把握体制などを見直し、改善の上コロナ禍においても柔軟に対応できるよう開設工事を行うことを求め、当面の間毎月総務省に報告するよう文書で指導した。

緊急事態宣言も影響

 ソフトバンク広報に確認したところ、基地局整備の遅延については、5G基地局全体では計画数を上回る整備が完了しているが、指摘があった2つの周波数帯について計画数の開設が完了しなかったという。

 今回指摘があった周波数帯は、どちらも4G LTEの周波数帯を5Gサービスに転用するもの。

 開設遅延の理由として、「ネットワークを5G化する際の基地局伝送の構成の根本的な見直し(装置機材の切り替えや構成の変更)に伴う作業量の増加」や「新型コロナウイルス感染症に関わる緊急事態宣言や福島県沖地震による工事延期や伝送路開通障害の発生があった」ことを挙げている。

 今回の指導について、ソフトバンクは「今回の行政指導を厳粛に受け止め、体制の見直し・強化を図ることで開設計画を確実に履行するとともに、5Gの普及促進に寄与できるよう努めていきます」とコメントしている。

【追記 2021/06/02 18:29】
ソフトバンクのコメントを追記しました。

【お詫びと訂正 2021/06/02 22:55】
 記事初出時、冒頭で「総務省は」とすべきところ「ソフトバンクは」と誤って記述しておりました。お詫びして訂正いたします。