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ソフトバンクの5G、石川県白山市だけとても充実している理由を聞いてみた
2020年9月4日 06:00
2020年3月にスタートした日本での5Gサービス。対応機種は続々発売され、使い放題な料金プランも用意される一方で、携帯各社のサービスエリア情報を見ると、まだまだ5G対応エリアは限られている。
ただ、実は各社のエリア、特に地図でわかりやすく紹介しているauやソフトバンクのサービスエリアマップを見てみると、ごく一部ながら、それなりに広いエリアで使える街があることがわかる。
そうした中でも特に目を引くのが、石川県白山市におけるソフトバンクの5Gサービスエリアだ。屋外である程度まとまった“面展開”をしている場所は、たとえばソフトバンクでは東京の豊洲や東京駅周辺、auとソフトバンクでは福岡県福岡市中心部などもある。しかし白山市のエリアはそれらよりもかなり広い。
「どうして白山市の5Gエリアはこんなに広いんですか?」と率直な質問をソフトバンク広報にぶつけたところ、「特別な理由はなくて、もろもろ調整が早く進んだエリアなんです」というシンプルな回答が返ってきた。
たとえば5Gを使った、自動運転技術の実験や自治体との連携……といった計画があるわけではなく、5G基地局を展開する上でも干渉が比較的少なく、調整が早く終わったエリアなのだという。それも最近になって整備が進んだわけではなく、3月のサービス開始時点から、「4月末の予定エリア」として、広くエリア展開することは示されていた。
この5Gエリアでは、5G用の電波の中でも、いわゆるSub6帯(6GHz以下)で構築されたもの。ソフトバンク広報によれば「建物の材質などによって異なるのですが、Sub6帯なので、ある程度浸透します。通常の地域と比べて屋内外で5Gを体験いただけるエリアが広いということになります」という。ちなみに現地の通信速度がどの程度か、という情報は開示していないそう。そう聞くと現地でぜひ計測したくなるのは筆者だけではないはずだ。
3月以来、徐々に使えるエリアが増えてはいるものの、まだまだ途上の5Gサービス。そうしたなかで、白山市のユーザーが結構羨ましくなった筆者。本誌でも3月時点の記事で、ソフトバンクの5Gエリアとして白山市を含めていたが、Twitter上でも以前より白山市の状況に気づいていた人はそれなりにいらっしゃるようだ。今回ご紹介した白山市の状況の背景に「特別な理由はない」とのことで、やや拍子抜けしたかもしれない。ただ、条件が整えばスピーディに5Gエリアを展開できる好例とも言える。携帯各社が今後進める5Gエリアの拡充に、一層期待していきたいところだ。