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「Snapdragon 865」搭載スマホの実力は? スペックとベンチマークをあらためてチェック

 従来比25%、AI性能は2倍に――クアルコムが発表したスマートフォン向けチップセットの新モデル「Snapdragon 865」のスペックの一端だ。

Snapdragon 865(左)と765(右)
項目Snapdragon 865Snapdragon 765
CPUKyro 585
2.84GHz×1
2.4GHz×3
1.8GHz×4
Kyro 475
2.3GHz
GPUAdreno 650Adreno 620
下り最大速度7.5Gbps3.7Gbps
通信ミリ波/sub-6対応
SA/NSA、DSS、グローバルローミング、グローバルマルチSIM
カメラ最大2億画素カメラ、8K映像(30fps)、4K映像(120fps)、4K映像+6400万画素写真の同時撮影、20億ピクセル/秒、960fpsスローモーション撮影(720p)、Dolby Vision for Video、最大1億9200万画素カメラ、最大2200万画素デュアルカメラ(30fps、ゼロシャッターラグ)、最大3600万画素シングルカメラ(30fps、ゼロシャッターラグ)、
その他第5世代AIエンジン、オンデバイスAI、3D Sonic Max(指紋認証、865のみ)

 今回、そのスペックの詳細が明らかにされるとともに、ベンチマークアプリでその性能を試す機会に恵まれた。

スペックの概要

CPUの構成

 Snapdragon 865は、さまざまな処理を中心的な役割で担うCPU、AI処理用のプロセッサー、あるいはグラフィック処理用のGPUなど、いくつかの部品がひとつにまとめられている。

 CPUの「Kyro 585」は、先代モデルと比べ、その性能が25%アップ。8つのコアのうち、armのCortex-A77を用いるCPUは、全部で4つ。1つは2.84GHz駆動と最もパワフル。あとの3つはPerformance用で2.4GHz駆動だ。

 残り4つのコアは効率性を追求するもので、armのCortex-A55を用い、1.8GHzで駆動する。

CPU、GPUともに25%アップ
AI関連のスペック
ゲーミング関連のスペック
AI向けのプロセッサー「Hexagon 698」
第5世代のAいエンジン
競合チップセットとの人気アプリ起動処理比較

通信関連の仕様

 5G対応のX55モデムは、下り最大7.5Gbpsをサポート。LTEと同じ電波を共有できる「DSS(ダイナミック スペクトラム シェアリング)」に対応する。またWi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応する。

2億画素カメラに対応

 Snapdragon 865は、200メガピクセル、つまり2億画素の写真撮影をサポートする。

 動画では、1秒あたり2ギガピクセル(20億画素)の処理に対応し、より高精細な映像を楽しめるようになる。4K HDR映像を撮りつつ、6400万画素の写真を撮影できる。また、8K映像の撮影もできる。

 またDolby Vision for Video対応で、HDR映像の撮影もサポートする。

 このほか、960fpsのスローモーション映像も対応している。

ベンチマークアプリで示したその実力

 これまでよりスペックアップするというSnapdragon 865。その実力の一端を示すべく、クアルコムは各国の記者の前で、ベンチマークアプリによるテストの結果を披露した。

 ベンチマーク用のデバイスは、5.9インチ、2880×1440ピクセルのディスプレイ、12GBのメモリ(DDR LP5 dual rank)、ストレージは128GBというもの。

ベンチマーク用デバイスのスペック

 利用アプリはAnTuTuやGeekbenchなど、ベンチマーク計測では一般的なもの。アプリの中では機種名のような形で「qti Kona for arm64」と表示されていたが、これはSnapdragon 865を示す。

AnTuTuでの結果
AITuTuでの結果

 たとえばAnTuTuを実行した際のスコアは、約54万。クアルコムが事前にテスト(3回実行した際の平均値)もその程度だ。

 会場にいる国内外の記者が、手元にあるスマートフォンでもベンチマークをして比較したところ、iPhone 11 Pro Maxでのスコアは約53万と、ほぼ同等の結果となった。

左からおそらくiPhone X、One Plusの機種。そしてiPhone 11 Pro Max、Snapdragon 865搭載のテスト端末

 ベンチマークアプリは、処理性能を示すひとつの目安にはなるが、実際の利用においては、ユーザーインターフェイスなどの作り込みや、発熱対策など、それ以外の要素で最終的な「使いやすさ」が定まってくる。

 とはいえ、Snapdragon 865が示す実力は、現在のスマートフォン市場で最高スペックとなるもの。2020年、日本でもおそらく登場するであろうSnapdragon 865搭載スマートフォンがどのような仕上がりになるのか、今から楽しみにしたい。