スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

サンワサプライのラジカセが何でもできるしマジで懐かしすぎた
2025年2月17日 00:00
2024年11月に見たニュース。あっラジカセだ!!! と惹かれてしまった。
ここ数年ポツリポツリと発売されるラジカセタイプのサウンド系ガジェット。見るたびに「欲しいかも……」とは思うのだが、俺の場合は「買う必要がナイ」のだ。音楽を録音した古いカセットテープはあるが、テープ上のほとんどの曲はデジタル化済みだったり、ネットで配信されていたりする。
ラジカセかぁ~、今見ると何周か回ってカッコイイなぁ。でも買ってもなぁ。
というタイミングで発見したのが「ANN」と書かれたカセットテープ。ん? あぁアレか……あっそういえばこのテープはまだデジタル化してないんだった!!!
じつは昔、ニッポン放送のラジオ番組「オールナイトニッポン」に出たことがある。↓の記事からだと、2003年1月3日放送分だと思う。
ともあれ、このテープは記念としてぜひデジタル化したい! という後押し理由が出てきて、サンワサプライの多機能ラジカセ「400-MEDI050」を購入したのであった。だが、年末年始は妙に忙しく、最近になってやっと開梱&使用したので、今回はこのラジカセをレビューしてゆきたいッ!!!
1万3800円で買える、かな~り高機能なラジカセ
サンワサプライの多機能ラジカセ「400-MEDI050」は、直販サイトのサンワダイレクトで1万3800円で買える。で、いきなりココでコストパフォーマンス的な結論を言ってしまうと、この価格で買えるわりには非常に高機能である、と感じられた。
400-MEDI050で「デキるコト」を具体的に挙げると、ラジカセとしての各種機能に加え、カセットテープ上の音声をMP3ファイル化できる。それらファイルは本体に挿したUSBメモリーやSDカードへ書き込まれる。カセットテープ上の音声をサルベージできるというわけだ。
なお、カセットテープに対するスペックとしては、対応テープがノーマルポジション(Type I)。トラック方式は2トラック・2チャンネルステレオとなっている(ただし説明書は誤表記でコンパクトカセットモノラルというスペックになっている)。
ちなみに、こういった機能を持つカセットテープ再生装置はけっこう多々ある。価格もこなれており、5000円以下で買える製品もあるので、単に「テープの音をMP3にしたい」だけなら、より安価な製品を選ぶのがいいかも。
それから、400-MEDI050はBluetoothスピーカーとしても機能する。スマートフォンやタブレットを無線接続し、ステレオスピーカーから音を出すことができる。ただしコーデックはSBCのみで、SCMS-Tには非対応となっている。
基本的にはラジカセということで、ラジオ(AM/FM)を受信できる。ポータビリティがあるラジカセで、サイズは幅34×奥行き8.25×高さ12cm。重さは1.5kg。電源は単2形乾電池×4本もしくはACアウトレット(コンセント)で、ACアダプター部は本体に内蔵されている(付属電源コードだけで使える)。
ラジカセなので、受信した放送を録音することもできる。ちょっとユニークなのが、受信した放送をカセットテープに対してもUSBメモリー/SDカードに対しても録音できる点。
一瞬、「えっ? 2025年の今、ラジオ放送をカセットテープに録音しなくね?」とは思ったのだが、「そういえば最近、カセットテープで音楽聴くの流行ってるとか……」と思い出した。もーしかするとそういう需要を狙っての機能かもしれない。
ちなみに、400-MEDI050はマイクを内蔵(左右スピーカー上部左右)しており、マイクの音もカセットテープ・USBメモリー/SDカードともに録音できる。またUSBメモリー/SDカード上の音声をカセットテープに録音することもできる。これらの機能性を見ると、やはりカセットテープ活用需要を見込んだ各種機能が400-MEDI050にはある感じ。
もちろん、USBメモリー/SDカード上の音声を単に再生することもできる。再生できるのはMP3ファイルで、メディアのルートディレクトリに置かれているものに限られる。
ということで、1万3800円で買えるわりには、かな?り高機能な400-MEDI050。外観もイイ感じなので、つい欲しくなっている人が少なくないかもしれない。
使い心地はどうなのか?
さて、実際に400-MEDI050を使ってみて、どうだったのか? そのあたりを思ったままに。
まず、Bluetoothスピーカーとして音質を確かめた。接続したのはiPhone。ラジカセ側のコーデックはSBCのみなのであまり期待していなかったが、BGMを流すくらいの使い方なら十分に高音質だと感じられた。BASSつまみで低音を増強すると、けっこうイイ音で音楽を流せる。ラジオやカセットテープを聴いても同様。意外な音質であった。
それから、ラジオ部はチューニングつまみ使用時はやや慎重な操作が必要で、雑に指を動かすとチューニングがすぐズレたりする。本格的なラジオとはかな~り違うが、この価格帯の製品ならこんなものかな? といった使用感だ。でもまあAM/FMラジオとしてフツーに使える。
細かな操作については説明書を読んでいただきたいが、一連の機能を試すと「ふーん、こう使うのか」とだいたい把握できるハードルの低さがなかなかイイ。全体的に単純明快に使えるあたりも、なんかこう、昭和の電気製品を彷彿させる。
つーかですね、このラジカセ、操作がけっこう楽しいのだ、現在において。今って、デカいボタンを押したりダイヤルを回したりして使う機器が、あまり身近ではなくなった。その状況においてボタンを押したりツマミをまわしたりスイッチを入れたり、それが愉快。
ボタンを押すとカパァ~ッとゆっくり開くカセットドアとか懐かしいというかなんというか、むやみにカセットドアを開け閉めしてしまう。
あとこれ、ラジカセとして普通に使えて、AC電源駆動にも電池駆動にも対応しているので、普段使いをしつつ災害時用のラジオなどとしてもイイかも。ただ、ACコードは本体背面から後ろへ伸びているので、壁にペタリと着けた状態で置くことができず、残念。
けっこうイイ感じで使える400-MEDI050だが、作りはお値段なりというイメージ。ハッキリ言って細部のつくりはイイとは言えず、たとえばカセットデッキ部のボタンは押した後に傾いたりする。でも指を触れて修正すればその傾きが直る、みたいな?
それと、テープが回っているときのモーターの振動が大きめだったりする。音楽などが流れていればあまり気にならない振動だが、音を消すと聞こえてくるレベルだ。でもまあ廉価なカセットデッキとかラジカセとかって、こんなモンだったような気もする。
もうひとつ、音が出ていないときにスピーカーから少々ノイズが聞こえる。これも音を消すと聞こえるレベルなので、あまり気にならないが……昭和の終わり頃の安価で身近なオーディオって……まあだいたいこんなだったかもしれない。
ともあれ、そんな感じで細かい部分を精査すると「1万3800円だもんな~」という感じかもしれない。購入を考えるならそのあたりの割り切りも必要だと思う。
余談だが、前述のラジオ番組「オールナイトニッポン」出演時のカセットテープだが、400-MEDI050を使って無事デジタル化できた。20年以上前のテープだが、密閉性の高い容器のなかで立てて保管していたなど、保管状態が良かったためか、テープ自体も音質も無問題であった。てゅーか、カセットテープの音って厚みというか温かみがあって、なかなかイイですな♪