【MWC Barcelona 2026】
ドコモの5GコアネットワークにAWS導入、AIエージェントで設定ファイル導入も効率化 その仕組みは
2026年3月6日 17:27
NTTドコモは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上に商用5Gコアネットワーク(5GC)を構築し、2月26日から国内で初めて商用サービスを開始した。
さらに、AI(Agentic AI)を活用して5GCの設計・構築を自動化する技術も世界で初めて確立した。
AWS活用による柔軟なネットワーク運用
ドコモでは、2022年からNEC、AWSとともにハイブリッドクラウド上で動作する5GC(5Gコア)の技術検証を進めてきた。
導入により、オンプレミス(自社保有・運用)の5Gコアとパブリッククラウドの5Gコアというハイブリッドな構成のクラウド処理が、商用化ネットワークで実現する。
ただ、パブリッククラウドであるAWS側の環境は、基本的に突発的なイベントや災害時などでトラフィックが急増した場合など、オンプレミス環境を補完し、足りないリソースとして充填するようなイメージで運用される。
、自社設備に加えてAWS上のリソースを柔軟かつ迅速に活用して処理可能な容量を拡大できることになる。とはいえ、非常時だけの運用ではなく、日頃からある程度、トラフィックを処理しているという。
AWSで万が一、障害が起きる場合でも東京と大阪のリージョン、2カ所が同時にダウンする可能性は低いとAWS側では考えているという。ドコモも、たとえばもしAWSの東京リージョンがダウンした場合は、大阪でカバーするといった運用を想定している。
ドコモでは「通信に重要なシステムに関しては、(AWSの)東京がダウンしたから日本全国、全て使えなくなるような設計にはしていない」と説明。AWSとは専用回線で結ばれ、閉域モデルで構築されている。
Agentic AIによる構築の自動化
さらに、ネットワーク構築の効率化に向け、ドコモ、NTTドコモビジネス、NTTドコモソリューションズは、Agentic AIを活用した構築自動化も実現した。
複数のAIエージェントが連携して設定ファイルの作成や構築指示を自動で行う仕組みだ。たとえば何かしら障害が発生した場合でも、AWS上で操作していくと、比較的、容易な操作で設定ファイルを生成できる。
従来、5GCの構築には膨大な設定作業が必要だったが、この技術の導入により、構築期間を従来比で約80%短縮することに成功した。人為的なミスの防止にもつながり、ネットワークの信頼性の向上につながる。
ネットワーク側でAIを制御する「In-Network Computing」
「In-Network Computing」(日本語訳:ネットワーク内コンピューティング)と呼ばれる仕組みでは、vRANの仮想化サーバーの中にvRANのアプリケーションと同時にAIのアプリケーションを載せ、両方同時に稼働させ、動作することが実証された。
今後増大するAIのトラフィックに対して、vRANの中で、通信制御に加えてAI推論処理をネットワーク側で制御する。全体的なネットワークの品質や効率を上げると同時に、ユーザーに対するレスポンスタイムを下げる。
5Gコアネットワーク上に実装した「INCエッジ」により、端末から転送された映像データを低遅延で解析できることを確認した。
5Gの導入時期にはユーザーに近い場所にサーバーを設置して、レスポンスを速くする「モバイルエッジコンピューティング」という考え方が提唱されてきた。一方、In-Network Computingは、「ユーザーに近い場所(エッジ)で処理する」という考え方は近しいものの、全国各地にある基地局制御のコンピューティングリソースをほかの処理にも用いるため、新たな設備の導入が不要となり、コスト面で優位と見られている。






