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「AIを活かす通信」と「通信を活かすAI」 ドコモが語る6G時代の双方向アプローチ
2026年5月28日 13:43
2030年ごろの商用化が見込まれる次世代モバイル通信規格「6G」に向けて、NTTドコモがその取り組みの一端を明らかにした。29日まで東京都・東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2026」で展示される。
変わりゆく携帯電話ネットワークに求められる素質
自動車電話やショルダーフォンに始まった携帯電話だが、携帯電話ネットワークは従来、音声を伝達する手段だった。世代が進むにつれて、動画を見たり産業で活用されたりと利用の幅が広がりつつある。
さらに、5G時代にはスマートフォン上でのAIの利用が進み、ネットワークも従来の構成から大きく姿を変えつつある。NTTドコモ 執行役員 6Gテック部長の音洋行氏は、5Gにおけるドコモのネットワークへの取り組みを「ソフトウェア化による柔軟性の向上と汎用ハードウェアによる効率化」と「ネットワークスライシングによる個別のサービス要求への対応」と話す。
ドコモでは国内で初めて、AWSに構築した5Gコアの商用サービス展開を始めており、4月にはコアネットワークの完全仮想化を完了するなどの対応を進めてきた。また、3月には法人向けサービスとして混雑時にも安定して通信できる「5Gスライシング」の提供を始めている。
6Gは「AI」の時代
現在、標準化が進められている6Gでは、その議論の中にも「AI」が大きく取り上げられている。
3GPPにおける6G標準化の議論は「ユーザー体感向上のための性能改善」「効率的ネットワーク運用・展開」「新しい価値の創造」の3つで、そのうち後者2つの中では「AIを用いた効率的な制御」「AIの性能を引き出すネットワーク」といった方向性が示されている。
一方、ドコモでは6Gの価値を「Network for AI」「Customer Experience」「Efficiency」「Sustainability」「Connectivity Everywhere」と定義して、主要技術の標準化や実証実験を進めている。
ユーザーと事業者、双方のメリットをAIで生み出す
音氏は、6G時代に向けたコンセプトを「AI Centric Network」として、ドコモの取り組みを「AI for Network」と「Network for AI」の2つに大別する。
現在、広く生活に浸透しつつあるAIだが、ユーザーの質問に答える単なるチャットボットにとどまらず、ユーザーの行動を先回りして作業を肩代わりするAIエージェントも登場しつつある。さらに、将来的にはひとつの作業をひとつのAIエージェントがこなすのではなく、複数のAIエージェントが連携して作業することが考えられる。
また、スマートグラスやIoTデバイスなど、さまざまな種類のデバイスでAIが活用されたり、大量のAIデータが創出されたりと膨大な「情報爆発」がおきることも考えられる。ドコモではこうした世界を見据え、ネットワークがデバイスに代わって処理を行う「In-Network Computing」の実証を進めている。
ネットワークにつながった外部センサーを活用して、デバイス側の搭載センサーや計算機構を最小限にすることで、デバイスの設計も現在より柔軟なものになるなどのメリットがある。ウェアラブルデバイスに適用することで、より身に着けやすいデバイスの実現も見込める。
ユーザーだけではなく、ドコモ自身もAIを活用する。ネットワークの保守作業において障害発生時にAIエージェントが復旧作業をサポートし、作業にかかる時間を短縮する。また、ネットワークのデータから通信品質を調査。基地局ごとの品質を数値化し、ユーザー体感に基づいたネットワーク品質の改善などが可能という。
ほかにも、作業者が要望を自然言語で入力すれば、AIがバランスを維持しながら基地局の制御パラメーターを変更して品質を維持したり、点群データを用いて室内の電波環境改善を効率化するなどの技術も持つ。
加えて、6G時代では5Gよりもさらに高周波数帯の電波が用いられる。電波は周波数が高くなればなるほど、大容量の通信が可能になる半面、障害物を回り込みにくく遠くまで届きにくくなる。ドコモでは、AIを活用した取り組みに加えて高周波数帯の活用についても、つまむことで周囲をエリア化できる「誘電体導波路」の開発に取り組んでいるほか、今夏にはKDDIと共同でミリ波の中継局を共用する実証実験が行われる予定となっている。



































