スタパ齋藤のApple野郎

録音から議事録作成までなんでもござれ、AI搭載の「PLAUD NotePin」がスゴかった

 昔お世話になった陶芸家の手伝いをすることになった。陶器の販売サイトを作るという作業だ。おなじみのBASE(ベイス)を使って。ボランティアな感じで。

 BASE自体は「ふぅ~ん、こんなに簡単に販売サイト作れちゃうんだ」という使い勝手で、アレコレ試していたら間もなく基本部分を使いこなせるようになった。また大手サービスなので、BASE関連の使いこなし情報もすぐ探せる。

 それと、ショップは陶芸作品の写真に説明や価格を掲載するという感じで、Webページとしてはいつも作成している記事のようなもの。長文を書かなくて済むので、作り始めたらどんどん販売ページができそうな見通しがついた。

 さらに、陶芸作品の写真を撮ったり、その作品について陶芸家から(ショップのページに作品紹介文を書くために)説明を受けたりするわけだが、これもフツーに取材と同じ作業。全体的にいつもの仕事と同様に販売サイトを作れそうだなという感じになってきた。

 というわけで、陶芸家の工房を取材。数度取材したが、MacやiPhoneがかなり活躍した。また思いの外、AIが活躍した。というわけで今回はどんなふうに各デバイスを使ったのかをご紹介してみたい。

取材に使ったデバイスは?

 まず取材に使ったデバイスだが、陶芸作品をそこそこのクオリティで撮影するので、ミラーレスカメラとクリップオンストロボを使った。カメラはOM SYSTEMの「OM-5」。クリップオンストロボはGODOXブランド品。

軽くて扱いやすく、けっこう高画質なOM SYSTEM「OM-5」。
安いけど実用的なGODOX製クリップオンストロボ。

 より高画質なカメラや光量の多い照明機材もあるが、荷物が多いのと、取材先の工房の状態がよくわからないので、わりと簡易的な撮影機材を選んだ。「この場所での撮影は……商品撮影には向かない」ということもあると考えたが、たぶん生成AIによる修正ができちゃうだろうな、と予測した。ので、背景紙などは用意しなかった。

 それから、撮影後の画像確認などのために、iPhone 16 Pro MaxとM3 MacBook Air 13インチとVAIO Vision+ 14を用意。また、作業が長時間に及んだ場合を考え、念のためにUGREEN Nexode モバイルバッテリー 48000mAh/153.6Wh 300Wも持参した。

常時携帯しているスマートフォンのiPhone 16 Pro Max。今回の取材ではコレも非常に役立った。
M3 MacBook Air 13インチが撮影後の作業の中核となる。
VAIO Vision+ 14は超薄型のモバイルディスプレイ。陶芸家に画像やサイトの様子を見てもらうために使った。
UGREEN Nexode モバイルバッテリー 48000mAh/153.6Wh 300Wは、MacBookやモバイルディスプレイに電力を供給するために使った。

 撮影のワークフローだが、まずOM-5とクリップオンストロボで陶芸作品を撮影する。次にOM-5から撮影済み画像が入ったSDカードを取り出し、カードリーダーでiPhoneに画像を読み込む。するとiPhoneに読み込まれた画像がiCloud経由でMacBookなどと共有される。その写真を陶芸家に確認してもらう。場合によってはAirDropを使い陶芸家に写真を渡す。

 ちなみに使った通信回線は工房のWi-Fi・ケーブルTV回線だ。

 なお、写真をMacBookに読み込んでiCloud経由で共有してもいいのだが、iPhoneを使ったのはほぼ自動で写真を読み込めるから。立ったままでも読み込めるというのもある。あといつも行っているワークフローなので、慣れているからというのも大きい。

 いや~今どきの取材における撮影、ラクですわ~。カメラの性能もいいし、クリップオンストロボでも十分な光量があるし、手ブレ補正も強力なので三脚不要だし、撮影後の画像共有もほとんど手間ナシでできる。

 なお、撮影時は「陶芸作品の横に見切れている不要物は後でAIで消しちゃいましょう」と考えていたわけだが、ほぼ目論見どおりに処理できた。やっぱ画像生成AIスゲい!

PLAUD NotePinが爆発的に役立った!!!

 撮影が済んだら、陶芸家から各作品についての説明を受ける。メーカーなどに対する取材と同じだが、俺の場合は陶芸については全くの素人。説明をその場でMacBookに入力するのは難しいと考えていた。専門用語がいろいろ出てくると思われたからだ。

 そこで用意したのが「PLAUD NotePin」。以前に連載記事「スタパトロニクスMobile」でAI連携ボイスレコーダー「PLAUD NOTE」を紹介したが、アレのウェアラブル版といった感じの製品だ。

これは「PLAUD NOTE」。クレジットカード大のボイスレコーダーで、会話やスマートフォンでの通話の録音ができる。
MagSafe対応端末にマグネット吸着して通話録音が可能。
専用アプリでのAI処理により、会話や講義などの音声を自動的に文字起こししてくれつつ、議事録まで作成してくれる。
こちらが「PLAUD NotePin」。指先大ほどのサイズのボイスレコーダーだ。40日間連続スタンバイ可能で、連続20時間録音できる。そして専用アプリで会話や講義などの音声を自動的に文字起こしでき、議事録まで作成してくれる。
こーんなに小さくてなくしそう! だが、Appleの「探す(Find My)」ネットワークに対応しているので、紛失してもすぐ見つけられる。
PLAUD NotePinを身につけるための各種アイテムが付属する。※画像はメーカーWebサイトより抜粋。
いろいろなパターンで身につけられる。※画像はメーカーWebサイトより抜粋。

 PLAUD NotePinの機能性はPLAUD NOTEと同様なので、機能や使い方については前出のPLAUD NOTEレビュー記事をお読みいただきたい。

 PLAUD NotePinの特徴は、身につけて使える点。つまり自分の発言を含む会話を自然に録音でき、それをAIを利用して議事録などに自動でまとめられるというわけだ。

 で、陶芸家の言葉による作品説明や、俺からの質問やそれに対する返答などを、PLAUD NotePinで録音してみた。そうしたら、予想以上にスゲ~く役立った!!! 詳しい内容はお見せできないが、PLAUD NotePinによる録音~AI処理の一部をお目にかけたい。

PLAUD NotePinで会話を録音後、専用アプリを操作すると自動的に会話などの文字起こしを行い、さらに議事録まで生成してくれる。スクリーンショット左は、それぞれの録音結果のリストだが、AI処理によりわかりやすいタイトルまで付けられている。中央が議事録。概要や細かな内容、実行に移せる決定項、結論が出なかった事柄まで、しっかり分類・整理してくれている。右は会話の文字起こし結果。実際は世間話のような会話をしただけで、内容も飛び飛び。なのに、よくもまああんな会話から議事録作ってくれたわ?ってほどマトモなサマリーが生成されたのであった。

 陶芸家からの話は聞いているだけで、メモは一切取らなかった。専門用語が出たりしたら「その『きぬたせいじ』ってどういう字を書くんですか」「石に占の砧、青、磁石の磁、ですね」といった音声メモとして残したカタチだが、AIがだいたいシッカリと文字起こししてくれた。

 ちなみに、PLAUD NotePinやPLAUD NOTEの文字起こしはたまに誤認識がある。たぶん録音された声が小さいとかそういったことが理由だろう。

 だが、AI生成の議事録はそういう間違いがほとんどない。文脈から単語を決定している? 不思議だか、かな~り実用的なのだ。

 なお、PLAUD NotePinやPLAUD NOTEは、ボイスレコーダー本体は買い切りというカタチで、毎月300分までの(録音音声からの)文字起こしを無料で行える。ただ、よく使うようになると、毎月300分ではまるで足りないというケースが多い。

 その場合は追加で「文字起こしパッケージ」や「PLAUD AI年間プロプラン」を購入する必要がある。

 また、新たに「PLAUD AI 年間無制限プラン」(4万円)が提供開始となった。この無制限プランは1日最大24時間、制限を気にせず文字起こしが可能となっている。また、このプランだけの限定機能として、単語登録機能と専門用語集が搭載されており、さらに議事録生成などの正確度が高くなっている。

 ……PLAUD NotePinやPLAUD NOTEを本格的に使うなら、この「PLAUD AI 年間無制限プラン」(4万円)一択という気がする。年額で4万円なので、月額だと約3333円。1日100円くらいでこの超優秀な「文字起こし・サマリー作成アシスタント」が使えるのは、なんかこうAIによる凄い価格破壊が起きているような気がする。

専用アプリ内にある各プランの比較表と、PLAUD NotePinやPLAUD NOTEで使える機能説明。

 それと、人類はもうすぐメモ書きをしなくなるのかも、とか思ったりする。AIが全部メモっておいてくれて、AIに問いかけるとメモ内容を提示したり、メモを再構成して質問に回答してくれるようになるのかもしれない。

 さておき、いや~PLAUD NotePinで今回の取材っていうか陶芸品の説明のまとめ、ヒッジョーに捗った。俺の場合は自宅でのライター稼業なので、まあ会話の録音が必要となる機会はあまりない。

 だが、取材時などにはこういうAIボイスレコーダーがあれば、生産性が上がるのは確かだ。メモ取らなくていいってナニ? って感じで時代が進んだことを痛感する。

 あるいはオフィスに通う人ならこういうAIボイスレコーダーで逐一会話を録音しておけば、たぶん確実にうっかりミスみたいなことが減り、後から「あっこの指摘は重要」ということに気付くなどでき、やはり生産性が大幅に高まるように思う。まあオフィスでの常時録音が許可されるかなどのハードルはあると思うが。

 さて、PLAUD NotePinの議事録を参照しつつ、陶芸家の販売サイトの感性を目指してゆきたいッ!!! つーかたぶん、陶芸家の説明をメモ書きしていたら、せわしなくタイプし続けて疲れるわ、説明を聞き逃すようなミスをするわで、あと数回取材が必要だったように思う。使えるAIはどんどん使わないとネ、って時代かもしれない。

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。