スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

世界最軽量のモバイルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」を速攻で購入! マジで実用性も満足度も高いッ!!!

 VAIOから発売されたモバイルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」を買った。2024年7月1日10時に発表&受注開始され、価格は個人向けが5万4800円(VAIO SX12やSX14と同時購入時は5万3000円)。

VAIOのモバイルモニターディスプレイ「VAIO Vision+ 14」。世界最軽量約325gという軽さが大きな特徴だが、全体的に非常に扱いやすい製品に仕上がっていると感じた。

 2024年3月27日にM3 MacBook Air 13インチを買ってから、ず〜っとモバイルディスプレイが欲しいと思っていた。思いつつ買うべきモバイルディスプレイを物色していた。

 だが「なーんか違う」「これも重い」「あー惜しい」という感じで、どれも買うには至らなかった。一瞬、PFUの「RICOH Light Monitor 150BW」がバッテリー内蔵でありかつ約715gと軽いということで超絶欲しくなったものの、M3 MacBook Air 13インチとセットで持ち歩くにはちょっと大きいかニャ? とか思って、これも購入に至らなかった。

 だがソニーじゃなかったVAIOのVAIO Vision+ 14については、発表内容を夕方の記事で読んだ瞬間「あっコレいい! 絶対イイ! 俺の条件にピッタリ! ていうか速攻で売り切れるやつ!」と思って注文した。注文が確定するまでに「売り切れになんないで〜!」と祈る気分だったが、無事注文できてホッとしたほど、俺にとってVAIO Vision+ 14は魅力的だった。

 そして数日後にモノが届いて「えっこの薄い箱、モバイルディスプレイ入ってなくない? 同時発売の「のぞき見防止フィルター」と間違えて発送してない? 返品かよめんどくせぇ〜」と思いつつも一応開梱したらVAIO Vision+ 14入っててアラびっくり! 速攻で使ってまたビックリ! スゲい満足度なのであった。

 だから俺も買うからキミも買えッ!!! という気分だが俺はもう買っていたのであり、本稿執筆時は案の定在庫切れであった。

 ちなみに14インチのモバイルディスプレイとしては、VAIO Vision+ 14はかなり高価である。このサイズのモバイルディスプレイは1〜2万円で買える。だが、VAIO Vision+ 14は後述のようにマジで実用性も満足度も高いモバイルディスプレイなので、以降、レビューしてゆきたいッ!!!

軽くて薄くてコンパクトでシンプルで十分な解像度があってステキ

 VAIOが俺のために設計・製造したと思えてならないVAIO Vision+ 14は、俺がモバイルディスプレイに求める要素で満タンであった。まず軽くて薄いこと。ノートパソコンにプラスして持ち歩く機材なので、軽さや薄さは非常に重要だ。

 このサイズのモバイルディスプレイで安価な製品は1kg〜1.5kgくらいあったりするが、いや軽くて安いのもあって600gくらいのもあるのだが、それでも1kgとか600gとかの重さが荷物に加わると少々厳しい。厳しいっていうか「ノートパソコンだけでいいや、モバイルディスプレイはまた今度」的な気分になりがちである。

 だがVAIO Vision+ 14は約325g。14.0型ワイド以上のモバイルディスプレイにおいては世界最軽量だそうだ。つーかコレを持つと驚く。「ねーこれホントに映る? 中身カラじゃないの?」と疑ってしまうほど軽い。

 超絶軽いのだが、しっかりした剛性がある。超硬い感じ。付属のカバースタンドで包むと「これならノートパソコンと重ねて持ち運んでもまず壊れないだろう」という安心感がある。

 なお、カバースタンドに入れた状態で重さを測ったら738gだった。13インチiPad Air(M2)が618g少々くらいで、11インチiPad Air(M2)が462gなので、まあノートパソコンより軽快に持ち歩ける。でもせっかくの本体の軽さがカバースタンド(413gくらい)にスポイルされてしまうのはちょっと残念な気がする。

VAIO Vision+ 14の外形寸法は、約312.0×211.1mmで、厚さは高さ3.9~12.4mm。重さは約325g。iPad miniは300gくらい。VAIO Vision+ 14は常時携帯が現実的な質量だと言えよう。
剛性が高いので、ディスプレイの薄い部分の端を持ったりしても、表示がにじんだりすることがない。まあこういうコトはしないほうがいいが。この軽さと剛性は本体背面パネル材料として立体成型カーボンを採用しているからだそうだ。
付属のカバースタンドは、VAIO Vision+ 14のためのスタンドでありつつ、VAIO Vision+ 14を保護するハードカバーとしても役立つ。本体とカバースタンドを合わせた重さを測ったら738gだった。

 それからシンプルなところもグレイト。ポートはUSB-C×2で、ボタンは輝度調節ボタンのみ。パソコンとUSB-C(Display Port Alternate Mode)でつなぐだけで映る。表示させて「あっちょっと明るいかも」とか思ったら輝度調節。ほかにはイジるところがなく、ていうかイジれなくても十分高品位な表示がなされるので、非常に手っ取り早く使えるのだ。

本体右側にUSB-Cポート×2がある。片方のUSB-CポートにPD給電すると、パススルーでノートパソコンなどに充電することができる。なお、USB-CポートにはUSBハブ機能はない。
本体左側裏に輝度調節ボタンがある。指先で探って押せる位置と感触があり使いやすい。
Macとつないで表示した様子。14インチで最大WUXGA(1920×1200ピクセル)の表示が可能だ。わりと標準的なノートパソコンの画面を使うようなイメージで、十分な解像度があると感じられる。表示も十分に高品位だと感じた。
VAIO Vision+ 14とMacをつないだら、これらの解像度で使えた。

 VAIO Vision+ 14を使い始めて「この感じはナニカに似ている……」と思った。なんだろう……と考えていたら、あっ、アレ!!! ソニーの世界初の有機ELテレビ「XEL-1」を使ったときの衝撃によく似ていたのだ。

 有機ELテレビXEL-1は、ソニーのコンセプトモデルをそのまま発売したようなデジタルテレビで、17年前の11インチサイズなのに20万円もした。とてもプレミアムなお値段。しかし使って見ると「これ超イイわ〜」と満足度が非常に高かった。

 VAIO Vision+ 14は、ソニーXEL-1ほどプレミアムな価格ではないが、満足度の高さという点で良く似た印象がある。ソニーXEL-1を試用したときに「スゲくいいなコレ、俺が買うべきテレビはコレだ」と思ったものの在庫払底で買えなかった記憶がある。さておき、「こういうのを買うべきなのだ俺は」的に納得させてくれるモバイルディスプレイが、俺的にはVAIO Vision+ 14なのだ。

 ただ、ひとつだけ残念な点があった。それは少々前述したが、USB-Cポートにハブ機能がないこと。ハブ機能だけに、ハブいた?

 というのを思いついて最強にサムまった俺だが、「VAIO Vision+ 14をにM3 MacBook Air 13インチをつないでも、Mac側のUSB-Cポートの数は実質的に減らない」という利便があったらもっとよかったのになー、と。まあUSB-Cハブ1個持ち歩きゃいいだけなんスけどネ。

さっそくモバイルでデュアルディスプレイしてゆきたいッ!!!

 VAIO Vision+ 14でさっそくのデュアルディスプレイモバイル。出先で使ってどうなのか? カフェっていうかコメダ珈琲店の狭い席をあえて選んで試してみた。

おふたり様な感じの席。モバイルするとおひとり様席になる。でもM3 MacBook Air 13インチの右にはマウスを置けるスペースがある。マウス不使用時ならコーヒーカップをドーンと置ける。
VAIO Vision+ 14背面には90°まで無段階で開く金属製スタンドがあり、横位置なら自立する。ただ、この席だとモバイルモニターディスプレイを置く角度に制限がかなりある。VAIO Vision+ 14を横置きにすると、M3 MacBook Air 13インチの右側にはほとんどスペースがなくなってしまう。
VAIO Vision+ 14付属のカバースタンドを使うと、VAIO Vision+ 14を縦位置で自立させることができる。横置きのときよりもM3 MacBook Air 13インチの右側にスペースを作れる。写真よりもう少しスペースを広くでき、コンセント近くにコーヒーカップを置きつつ、その左にマウスを置いて使うこともできそうだ。
付属のカバースタンドの機能により、VAIO Vision+ 14を13〜14インチ程度のノートパソコンの上に置くこともできる。このときのカバースタンドのフットプリントは、幅22×奥行き18cmくらい。写真よりもノートパソコン手前のスペースを広くすることもできる。右側スペースにはかなり余裕ができた。
カバースタンドの下方はこんな状態。不安定ではないものの、重心が高くディスプレイ自体も軽いので、ディスプレイを服などに引っ掛けると倒れる可能性がある。この状態でディスプレイが右に倒れたら大惨事ですな。ディスプレイ背面が壁や窓の席だと不安感が少ないだろう。

 上下のデュアルディスプレイは初めて使ったが、けっこう便利。視線移動だけで自然に2つの画面を見られるので、資料を見ながら入力するような作業もスムーズだ。左右2画面の場合よりも、置き方の自由度の幅が少ない分、ササッとセッティングが済む感じもイイ。

 VAIO Vision+ 14をテーブルに置いてUSB-C接続すればすぐ使い始められる。また、置き台となるカバースタンドも、縦・横置きともほぼワンアクションでスタンドの形状にできるので、容易にディスプレイをセットできる。

 あと、デュアルディスプレイのモバイルをする前後も、VAIO Vision+ 14は使用感が良い。軽く薄くて持ち歩きやすいという良さもあるが、デュアルディスプレイを使う時にカバースタンドが役立ち、持ち歩くときもカバースタンドが役立ち、「このカバー、ディスプレイを使ってるときは邪魔なんだよなー」みたいな「惜しい感じ」があまりなく、なんつーかVAIO Vision+ 14という製品がトータルで最適化されているという印象が強いのだ。

 こーんなにコンパクトに携行できるのに抜け目がない、みたいな? そういう「考え抜かれている感」が素晴らしい。余計な要素が省かれていつつ、十分な機能性を発揮していて、ユーザーがいい気分で使えるというのが素晴らしい。

 カバースタンド、かなりよくできているのだが、1つ微妙な点がある。それは「すぐ汚れる」ということ。カバースタンドのエッジ部分にホコリが着きやすいのだ。濡れ布巾で拭けば一発で除去できるが、でもまたすぐ汚れるのであった。

 あっ、ウソ! 微妙な点は2つだった。VAIO Vision+ 14をカバースタンドに入れたときは合計738gであること。VAIO Vision+ 14の重さが約325gで、カバースタンドが413gあって、カバースタンドが重いって感じでもない。でもカバースタンドをもーちょっと軽く作ってほしかった。磁石とかスチール板が入っているようだが、これ以上の軽量化は難しいのだろうか?

 やや余談だが、VAIO Vision+ 14はそれ自体が軽いので、スマートフォンスタンドを使って自立させるのも現実的だ。手持ちの“超薄系スマートフォンスタンド”と組み合わせて自立させてみたが、華奢で幅狭なスタンドでもけっこうしっかりVAIO Vision+ 14を自立させることができた。

 さすがに記事中のペラペラなスマートフォンスタンドだと無理だが、金属製の薄型スマートフォンスタンドなら大丈夫だった。不安感なくVAIO Vision+ 14を自立させられた。

えっ、iPadやiPhoneでも映っちゃうの?

 モバイルでVAIO Vision+ 14を試したときに「……これってどうなるの?」と思ってVAIO Vision+ 14をiPhone 15 Pro MaxとUSB-C接続してみた。するとアッサリとミラーリング表示がなされた。

VAIO Vision+ 14とiPhone 15 Pro MaxとUSB-C接続したら、あら映った!

 えっそうなの? VAIO Vision+ 14って消費電力小さいの? iPhone 15 Pro Maxって出力大きいの?

 調べてみたらApple公式サイト「iPhone 15 の USB-C コネクタで充電および接続する」のページに「(iPhone 15は)USB Power Delivery に対応した別の小型デバイスを最大 4.5 ワットで充電できます」とあった。またVAIO Vision+ 14のスペックに、「消費電力:動作時 約4W」とあった。

 なーるほど、iPhoneでもギリギリ動作しちゃうVAIO Vision+ 14なんスね。じゃあiPad mini 6とVAIO Vision+ 14をつないでも使える……のか? つないだら、これもアッサリ表示がなされた。

iPad mini第6世代とVAIO Vision+ 14をUSB-C接続したらミラーリング表示がなされた。
Amazo Prime Videoアプリを起動すると、映像はVAIO Vision+ 14に表示され、UIはiPad側に表示された。
iPhone 15 Pro Maxでも同様にAmazo Prime Videoアプリが動作し、VAIO Vision+ 14に映像が表示された。

 VAIO Vision+ 14にはスピーカーがないものの、音がそこそこいいタブレットやスマートフォンと組み合わせてエンタメ用途で使うのもいいかもしれない。モバイルエンタメ、みたいな?

 ただ、手持ちのGoogle Pixel 8 ProとVAIO Vision+ 14を接続したところディスプレイに「No Support」と表示されただけでなにも起きなかった。なので、スマートフォンなどとの相性はあるのかもしれない。

 ともあれ、自宅ではサブディスプレイとして、出先ではデュアルディスプレイでのモバイルに、さらにiPhoneなどとつないでエンタメ用にと、意外なほど活用幅があるVAIO Vision+ 14。可搬性と設置の自由度が高いVAIO Vision+ 14は、お高いモバイルディスプレイではあるが、けっこうモトを取りやすいかもしれない。

 あとこのVAIO Vision+ 14、機能違いの姉妹機種? みたいなのが登場しそうな気がする。高価なのに発売後すぐに品切れになったっぽいし、たぶんVAIO Vision+ 14を買ったユーザーは「USB-Cハブ機能欲しいよーん」って気分になりがちだし、「もう一回り大きくてより高解像度のが欲しい」って人もいそうだし、超軽量高剛性カーボンのカバースタンドにしてって人もありそう。って全部俺の要望ではあるが。

 いやーでも久々に、なんつーかこう、日本の製品って感じのデバイスに触れられた気がする。とくにモバイルディスプレイのカテゴリーでは、安価な中国系の製品とかって、いろいろとテンコ盛りにしてるじゃないスか。まあ国民性もあるだろうし多機能は悪くないと思うが。

 しかしその真逆をいったVAIO Vision+ 14。削ぎ落とした結果、スゲく使いやすい製品を生んだように思う。次にWindowsマシン買うときはVAIO買おうかニャとまで思ったがさておき、よく考えられたモバイルディスプレイなので、機会があればぜひ実機に触れてみていただきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。