スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
世界最軽量のモバイルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」を速攻で購入! マジで実用性も満足度も高いッ!!!
2024年7月22日 00:00
VAIOから発売されたモバイルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」を買った。2024年7月1日10時に発表&受注開始され、価格は個人向けが5万4800円(VAIO SX12やSX14と同時購入時は5万3000円)。
2024年3月27日にM3 MacBook Air 13インチを買ってから、ず〜っとモバイルディスプレイが欲しいと思っていた。思いつつ買うべきモバイルディスプレイを物色していた。
だが「なーんか違う」「これも重い」「あー惜しい」という感じで、どれも買うには至らなかった。一瞬、PFUの「RICOH Light Monitor 150BW」がバッテリー内蔵でありかつ約715gと軽いということで超絶欲しくなったものの、M3 MacBook Air 13インチとセットで持ち歩くにはちょっと大きいかニャ? とか思って、これも購入に至らなかった。
だがソニーじゃなかったVAIOのVAIO Vision+ 14については、発表内容を夕方の記事で読んだ瞬間「あっコレいい! 絶対イイ! 俺の条件にピッタリ! ていうか速攻で売り切れるやつ!」と思って注文した。注文が確定するまでに「売り切れになんないで〜!」と祈る気分だったが、無事注文できてホッとしたほど、俺にとってVAIO Vision+ 14は魅力的だった。
そして数日後にモノが届いて「えっこの薄い箱、モバイルディスプレイ入ってなくない? 同時発売の「のぞき見防止フィルター」と間違えて発送してない? 返品かよめんどくせぇ〜」と思いつつも一応開梱したらVAIO Vision+ 14入っててアラびっくり! 速攻で使ってまたビックリ! スゲい満足度なのであった。
だから俺も買うからキミも買えッ!!! という気分だが俺はもう買っていたのであり、本稿執筆時は案の定在庫切れであった。
ちなみに14インチのモバイルディスプレイとしては、VAIO Vision+ 14はかなり高価である。このサイズのモバイルディスプレイは1〜2万円で買える。だが、VAIO Vision+ 14は後述のようにマジで実用性も満足度も高いモバイルディスプレイなので、以降、レビューしてゆきたいッ!!!
軽くて薄くてコンパクトでシンプルで十分な解像度があってステキ
VAIOが俺のために設計・製造したと思えてならないVAIO Vision+ 14は、俺がモバイルディスプレイに求める要素で満タンであった。まず軽くて薄いこと。ノートパソコンにプラスして持ち歩く機材なので、軽さや薄さは非常に重要だ。
このサイズのモバイルディスプレイで安価な製品は1kg〜1.5kgくらいあったりするが、いや軽くて安いのもあって600gくらいのもあるのだが、それでも1kgとか600gとかの重さが荷物に加わると少々厳しい。厳しいっていうか「ノートパソコンだけでいいや、モバイルディスプレイはまた今度」的な気分になりがちである。
だがVAIO Vision+ 14は約325g。14.0型ワイド以上のモバイルディスプレイにおいては世界最軽量だそうだ。つーかコレを持つと驚く。「ねーこれホントに映る? 中身カラじゃないの?」と疑ってしまうほど軽い。
超絶軽いのだが、しっかりした剛性がある。超硬い感じ。付属のカバースタンドで包むと「これならノートパソコンと重ねて持ち運んでもまず壊れないだろう」という安心感がある。
なお、カバースタンドに入れた状態で重さを測ったら738gだった。13インチiPad Air(M2)が618g少々くらいで、11インチiPad Air(M2)が462gなので、まあノートパソコンより軽快に持ち歩ける。でもせっかくの本体の軽さがカバースタンド(413gくらい)にスポイルされてしまうのはちょっと残念な気がする。
それからシンプルなところもグレイト。ポートはUSB-C×2で、ボタンは輝度調節ボタンのみ。パソコンとUSB-C(Display Port Alternate Mode)でつなぐだけで映る。表示させて「あっちょっと明るいかも」とか思ったら輝度調節。ほかにはイジるところがなく、ていうかイジれなくても十分高品位な表示がなされるので、非常に手っ取り早く使えるのだ。
VAIO Vision+ 14を使い始めて「この感じはナニカに似ている……」と思った。なんだろう……と考えていたら、あっ、アレ!!! ソニーの世界初の有機ELテレビ「XEL-1」を使ったときの衝撃によく似ていたのだ。
有機ELテレビXEL-1は、ソニーのコンセプトモデルをそのまま発売したようなデジタルテレビで、17年前の11インチサイズなのに20万円もした。とてもプレミアムなお値段。しかし使って見ると「これ超イイわ〜」と満足度が非常に高かった。
VAIO Vision+ 14は、ソニーXEL-1ほどプレミアムな価格ではないが、満足度の高さという点で良く似た印象がある。ソニーXEL-1を試用したときに「スゲくいいなコレ、俺が買うべきテレビはコレだ」と思ったものの在庫払底で買えなかった記憶がある。さておき、「こういうのを買うべきなのだ俺は」的に納得させてくれるモバイルディスプレイが、俺的にはVAIO Vision+ 14なのだ。
ただ、ひとつだけ残念な点があった。それは少々前述したが、USB-Cポートにハブ機能がないこと。ハブ機能だけに、ハブいた?
というのを思いついて最強にサムまった俺だが、「VAIO Vision+ 14をにM3 MacBook Air 13インチをつないでも、Mac側のUSB-Cポートの数は実質的に減らない」という利便があったらもっとよかったのになー、と。まあUSB-Cハブ1個持ち歩きゃいいだけなんスけどネ。
さっそくモバイルでデュアルディスプレイしてゆきたいッ!!!
VAIO Vision+ 14でさっそくのデュアルディスプレイモバイル。出先で使ってどうなのか? カフェっていうかコメダ珈琲店の狭い席をあえて選んで試してみた。
上下のデュアルディスプレイは初めて使ったが、けっこう便利。視線移動だけで自然に2つの画面を見られるので、資料を見ながら入力するような作業もスムーズだ。左右2画面の場合よりも、置き方の自由度の幅が少ない分、ササッとセッティングが済む感じもイイ。
VAIO Vision+ 14をテーブルに置いてUSB-C接続すればすぐ使い始められる。また、置き台となるカバースタンドも、縦・横置きともほぼワンアクションでスタンドの形状にできるので、容易にディスプレイをセットできる。
あと、デュアルディスプレイのモバイルをする前後も、VAIO Vision+ 14は使用感が良い。軽く薄くて持ち歩きやすいという良さもあるが、デュアルディスプレイを使う時にカバースタンドが役立ち、持ち歩くときもカバースタンドが役立ち、「このカバー、ディスプレイを使ってるときは邪魔なんだよなー」みたいな「惜しい感じ」があまりなく、なんつーかVAIO Vision+ 14という製品がトータルで最適化されているという印象が強いのだ。
こーんなにコンパクトに携行できるのに抜け目がない、みたいな? そういう「考え抜かれている感」が素晴らしい。余計な要素が省かれていつつ、十分な機能性を発揮していて、ユーザーがいい気分で使えるというのが素晴らしい。
カバースタンド、かなりよくできているのだが、1つ微妙な点がある。それは「すぐ汚れる」ということ。カバースタンドのエッジ部分にホコリが着きやすいのだ。濡れ布巾で拭けば一発で除去できるが、でもまたすぐ汚れるのであった。
あっ、ウソ! 微妙な点は2つだった。VAIO Vision+ 14をカバースタンドに入れたときは合計738gであること。VAIO Vision+ 14の重さが約325gで、カバースタンドが413gあって、カバースタンドが重いって感じでもない。でもカバースタンドをもーちょっと軽く作ってほしかった。磁石とかスチール板が入っているようだが、これ以上の軽量化は難しいのだろうか?
やや余談だが、VAIO Vision+ 14はそれ自体が軽いので、スマートフォンスタンドを使って自立させるのも現実的だ。手持ちの“超薄系スマートフォンスタンド”と組み合わせて自立させてみたが、華奢で幅狭なスタンドでもけっこうしっかりVAIO Vision+ 14を自立させることができた。
さすがに記事中のペラペラなスマートフォンスタンドだと無理だが、金属製の薄型スマートフォンスタンドなら大丈夫だった。不安感なくVAIO Vision+ 14を自立させられた。
えっ、iPadやiPhoneでも映っちゃうの?
モバイルでVAIO Vision+ 14を試したときに「……これってどうなるの?」と思ってVAIO Vision+ 14をiPhone 15 Pro MaxとUSB-C接続してみた。するとアッサリとミラーリング表示がなされた。
えっそうなの? VAIO Vision+ 14って消費電力小さいの? iPhone 15 Pro Maxって出力大きいの?
調べてみたらApple公式サイト「iPhone 15 の USB-C コネクタで充電および接続する」のページに「(iPhone 15は)USB Power Delivery に対応した別の小型デバイスを最大 4.5 ワットで充電できます」とあった。またVAIO Vision+ 14のスペックに、「消費電力:動作時 約4W」とあった。
なーるほど、iPhoneでもギリギリ動作しちゃうVAIO Vision+ 14なんスね。じゃあiPad mini 6とVAIO Vision+ 14をつないでも使える……のか? つないだら、これもアッサリ表示がなされた。
VAIO Vision+ 14にはスピーカーがないものの、音がそこそこいいタブレットやスマートフォンと組み合わせてエンタメ用途で使うのもいいかもしれない。モバイルエンタメ、みたいな?
ただ、手持ちのGoogle Pixel 8 ProとVAIO Vision+ 14を接続したところディスプレイに「No Support」と表示されただけでなにも起きなかった。なので、スマートフォンなどとの相性はあるのかもしれない。
ともあれ、自宅ではサブディスプレイとして、出先ではデュアルディスプレイでのモバイルに、さらにiPhoneなどとつないでエンタメ用にと、意外なほど活用幅があるVAIO Vision+ 14。可搬性と設置の自由度が高いVAIO Vision+ 14は、お高いモバイルディスプレイではあるが、けっこうモトを取りやすいかもしれない。
あとこのVAIO Vision+ 14、機能違いの姉妹機種? みたいなのが登場しそうな気がする。高価なのに発売後すぐに品切れになったっぽいし、たぶんVAIO Vision+ 14を買ったユーザーは「USB-Cハブ機能欲しいよーん」って気分になりがちだし、「もう一回り大きくてより高解像度のが欲しい」って人もいそうだし、超軽量高剛性カーボンのカバースタンドにしてって人もありそう。って全部俺の要望ではあるが。
いやーでも久々に、なんつーかこう、日本の製品って感じのデバイスに触れられた気がする。とくにモバイルディスプレイのカテゴリーでは、安価な中国系の製品とかって、いろいろとテンコ盛りにしてるじゃないスか。まあ国民性もあるだろうし多機能は悪くないと思うが。
しかしその真逆をいったVAIO Vision+ 14。削ぎ落とした結果、スゲく使いやすい製品を生んだように思う。次にWindowsマシン買うときはVAIO買おうかニャとまで思ったがさておき、よく考えられたモバイルディスプレイなので、機会があればぜひ実機に触れてみていただきたいッ!!!